内容説明
生まれつき特異体質である巴は、離れ小島の研究所で、隔離されて育ってきた。身体を調べられ、毎日怯えながら生活しているのだ。しかしある日、その研究所が破壊され、侵入して来た男、須王と出会う。優雅で柔らかな物腰でいて、荒々しい獣のように周りを攻撃する須王に、巴は有無を言わさず連れ去られてしまう。巴が魅了されるほど甘く、それでいて危険な香りのする須王の目的とは…?貴重な「餌」を巡り、獣達のゲームが始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えんび@灯れ松明の火(文さんに賛同)
30
【課題図書】『凍る月』シリーズで圧倒的存在だった須王のスピンオフ。囚われた物同士、獣人と餌という関係で出会った二人、須王と巴。須王の巴への愛情を深く感じる。不幸な過去を持つ巴の須王に対する信頼と愛情の深さ、一途さに涙が出る。そして考えたくもなかった展開。須王に傾倒しすぎるためのヨハンの裏切り・・・・続きが気になる止められません。 2011/01/15
さち
21
須王の優しさがいい!巴の健気さがいい!!凍る月シリーズよりも…という感想がでるのにも納得。ずっと隔離され苦痛を受け続けていた巴と檻に閉じ込められ獣に成り下がるところだった須王。お互いがお互いを自由な場所へ解き放ってくれた唯一無二の相手。再会後ごく自然に求め愛し合う2人の強い結び付きにきゅんきゅんきた。そして組織側から読むことでいろんな一面が見えたのが面白い。おまけにあれだけ嫌な感じだった蓮・相模・忍・ヨハンにはまた違った感情が湧いてくるね。2人は一体どうなるのか…。もうとにかく須王に恋してしまいそうだww2010/12/22
草薙香里
15
今回は事件レベルが低かった。他の作家さんならこれで満足なんだけど、夜光さんだからね…最後も無理やり終わったような感じだし。銀が出てくるとは思わなくて嬉しかった。カミラとヨハンは裏で繋がっていたのか?バースデー貯金という言葉に凄く萌えた。2012/06/10
まふぃん
13
凍る月のスピンオフ、須王のお話。 この二人はどうなるんだろう? 須王いい人(?)なので、幸せになってほしい。2018/09/21
cicoppe
10
再読。凍る月シリーズ4巻目。しかし「花の残像」「花の慟哭」の2作についてはこれだけでも読める。今まで敵だった獣人組織が舞台。とにかく須王さんが素敵。強くてスマートなところ、受けへの溺愛ぶり、清濁合わせ飲む懐の深さ。夜光作品中、ベスト・オブ攻めだと思う。巴も施設の人も餌の人って不遇だ。いないと困る癖に獣人はもっと餌の人を大切にするべきだ。2016/11/01