出版社内容情報
2019年発表されたSFのベスト・オブ・ベスト、ここに決定。
内容説明
去年発表された傑作短編SFを読みたいひとへ。
著者等紹介
大森望[オオモリノゾミ]
1961年、高知市生まれ。京都大学文学部卒。翻訳家、書評家、SFアンソロジスト。責任編集の『NOVA』全10巻で第34回日本SF大賞特別賞、第45回星雲賞自由部門受賞。共編の“年刊日本SF傑作選”全12巻で第40回日本SF大賞特別賞受賞。「ゲンロン大森望SF創作講座」主任講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MICK KICHI
79
◎「年金生活」岸本佐和子 ◎「平林君と魚の裔」 オキシタケヒコ ◎「ミサイルマン」片瀬二郎 ◎「トビンメの木陰」草上仁 ◎「地獄を縫い取る」空木春宵 ◎「色のない緑」陸秋槎 お気に入りとしては「平林君…」のネーミングと海洋生物学への造詣が深く、愛に溢れている。「地獄…」ハーモニーに通じるAIの意識拡散と怨念の強さ、地獄太夫の圧倒的イメージ。「色のない緑」人生のメタファー、チョムスキーの言葉の効果的な組み込み方。 人類の過渡期を迎える今年以降書かれる作品に更にSFの意義を感じて来ている。2020/08/23
Fondsaule
29
★★★★☆ 円城塔「歌束」、岸本佐知子「年金生活」、オキシタケヒコ「平林君と魚の裔」、草上仁「トビンメの木陰」、高山羽根子「あざらしが丘」、片瀬二郎「ミサイルマン」、石川宗生「恥辱」、空木春宵「地獄を縫い取る」、草野原々「断Φ圧縮」、陸秋槎「色のない緑」、飛浩隆「鎭子」11編の短編集。あわせて、ウェブサイトの『モアイ』で飛浩隆の「海の指」も読んでしまった。「平林君と魚の裔」とか「色のない緑」が好きだ。2020/12/31
ぜんこう
26
どの作品も面白かった・・・だらだらと何日もかけて読んだので個々の感想書けない(^^;) 実は岸本佐知子さんの名を見つけたのが読むきっかけ。あの岸本佐知子さんがSF!? 「年金生活」というお話だったんですが少し切なくて最後はホロっとして。ぶっ飛んだエッセイとは別人なんだと感心しました(失礼)。巻末の二〇一九年の日本SF概況や編集後記を読んで気になる本もいくつかできたのも収穫かな。2021/02/11
宇宙猫
25
★★★ 前半はとても面白かったが、後半は読んだものや興味が持てないもの多数。アンソロジーだから仕方ないな。D 円城塔/歌束3 岸本佐知子/年金生活4 オキシタケヒコ/平林君と魚の裔 5絶望的な条件だけど人類なら乗り越えていけそうな雰囲気も出ていて面白かった。 草上仁/トビンメの木陰 4植物が最強の生物かもって皮肉が面白い。 高山羽根子/あざらしが丘2 片瀬二郎/ミサイルマン 既読 石川宗生/恥辱2 空木春宵/地獄を縫い取る 既読 草野原々/断φ圧縮2 陸秋槎/色のない緑3 飛浩隆/鎭子22020/09/24
緋莢
22
<昨年一年間に日本語で発表されたSF短編のベストを選ぶ>という原則で、2019年(月号・奥付に準拠)のベストと編者が考えた11本の短編が収録されています。和歌に湯を通す“歌束”を書いた、何が起こってるのか正直よく分からないけど引き込まれる円城塔「歌束」。役所はとっくに機能停止、動物はすべて食い尽くされてしまった世界で ある日、政府から“ねんきん”が届くという岸本佐知子「年金生活」は短いながらも、味わい深く温かいラストがあります(続く2020/12/19