出版社内容情報
「超」怖い話四代目編著者のソロワーク、「弩」怖い話シリーズ全4巻より待望のベスト版が
内容説明
「超」怖い話四代目編著者・加藤一が2004年に始めた伝説のソロワークシリーズ「弩」怖い話。今なお傑作の呼び声高いそのシリーズ1、2巻から最恐怪談を厳選、後日談とともに収録した待望のベスト版!謎の溺死をとげたウナギ捕りの名人。川でいったい何が…「深く潜る」、一人娘を嫁に貰う条件として出された妻の実家での同居。夫だけに襲いかかる怪異、仏壇裏に隠された謎の箱、義親は何を隠しているのか…「香津美の実家」、自殺の前に誰かを訪ね、何かを託す。不気味な連鎖の果てに待つものは…「新婚の部屋」ほか、怪異の起きた家の詳細な間取りを再現した元祖家系怪談が再臨!
著者等紹介
加藤一[カトウハジメ]
1967年静岡県生まれ。人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』4代目編著者として、冬版を担当。また新人発掘を目的とした実話怪談コンテスト「超‐1」を企画主宰、そこから生まれた新レーベル『恐怖箱』シリーズの箱詰め職人(編者)としても活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
69
実話怪談集。掌編くらいの長さが多い実話怪談の中にあって、一つ一つの話は長め。特に半分以上を占める連作は質・量ともに群を抜いている。こういう連鎖するような話大好物であるし、特に今回は結果だけで因果の繋がりが何もわからないという一番好きなパターン。徐々に巻き込まれていく語り手の変容から、後日談でのメタな領域まで含めて非常に読み応えがありました。残りも基本的に家をテーマにした作品が多く、どれも理不尽と「嫌」感に満ち溢れていました。あと各話の前にある家の見取り図、話の内容とは特に関係ないけど雰囲気あっていいなあ。2020/09/29
さりぃ
24
#「愕」怖い話ベストセレクション #加藤一 ベストセレクションということで、 読んだ話があって、あれ?これとこれは繋がってたんだ、みたいな感じの結末もあった。 いやー、住んでる家がこんなじゃぁ落ち着かない住めないなぁ。 全体的になかなか好み。2020/08/25
高宮朱雀
15
巻頭と巻末のタイトルが同じ「言うなよ」というのがまず薄ら寒い。 決して掲載されている話数は多くないものの一作一作が濃密であり、かつ後半に行くに連れて親族をも巻き込んだ大掛かりな災厄へと繋がっているのが何とも言えない後味の悪さを生んでいる。第三者へその狂気が向かない事を祈りたいが、霊にはそんな事知ったこっちゃないんだろうな。 続きは知りたくないな…。2021/08/06
tow
14
怪談って、サクサク読める掌編集みたいな感じがあるんだけど、こちらは掌編と思わせて意外とじっくりな連作集みたいな。最初の言うなよと最後の言うなよの感触の違いがじっとりと背中に(腰に)くる一冊。2020/08/12
柊よつか
11
「弩」シリーズのベスト版。ユーモラスな「Crew swing」、水の淵を感じる「深く潜る」。脱兎のごとく逃げることだけが正解のような「あんた誰だ」には暗澹たる気持ちになった。だがその上を行くのが長尺で読ませる「三角アパート」から「あの話の続き」。近年読んだ実話怪談の中で最も重さと怖さを感じた。七代先まで祟りそうな恨みを、血縁になることで転嫁されたと思しき一族の話。話者が変貌し著者に累が及ぶ。「助けたい」と思う気持ちは「近付きたくない」に変わっていった。今どうなっているのか。知りたいより知りたくないが勝る。2020/10/18