内容説明
かつてウルフはドイツで有力な政治家だった。しかし、“大転落”と呼ばれる政変が起こり、権力を失った彼は、ロンドンに逃れ私立探偵をしていた。ユダヤ人嫌いのウルフだが、金のためにユダヤ人女性の行方を探すことになり、さらに娼婦連続殺人事件にも巻き込まれてしまう。そして調査を進めるうちに、ウルフは元同志たちが暗躍するイギリスの暗部へと足を踏み入れる。時間と場所を隔てた別の世界。アウシュヴィッツで、作家が夢を見ていた。自分から、ユダヤ人から、すべてを奪ったあの男の夢を。夢の中では男は私立探偵をしていた―。ひとから想像力を奪うことはできない。だが、すべてを奪われ想像力だけが残されたとき、それはひとに何をもたらすのか。ホロコーストを新たな視点で描いた、歴史改変奇想ノワール。
著者等紹介
ティドハー,ラヴィ[ティドハー,ラヴィ] [Tidhar,Lavi]
1976年イスラエル生まれ。SFをはじめ、さまざまなジャンルの作品、あるいはジャンルを越えた作品を発表している。2012年にOsamaで世界幻想文学大賞、2017年にCentral Stationでジョン・W・キャンベル記念賞、『黒き微睡みの囚人』でジャーウッド・フィクション・アンカヴァード賞を受賞
押野慎吾[オシノシンゴ]
東洋大学国文学科卒業。卒業後いくつかの職を経たのち、現在は新聞社勤務のかたわら、フィクション・ノンフィクション作品の翻訳に従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
HANA
ゆのん
わたなべよしお
くさてる