内容説明
アルツハイマーを患い引退した父にあこがれ、国家安全保障局局員として働き始めたニール・ジョーンズは、数学と暗号解読に絶対の自信を持っていた。南米から発せられた謎の通信を持ち前のひらめきで解読したニールは、NSA長官とともにブラジルへと赴くことになる。そこで目にしたのは、異常に高まった環境保全意識と、反政府組織の不自然な協力関係、そして突如として天才的な知能を発揮し始める人々だった。一方、菌類学者としてアマゾンを訪れていたニールの兄ポールは、サンプル採取のさなかテロリストの襲撃に遭い、命からがら帰国する。アマゾンで罹患した真菌感染症のために生死の境をさまよったポールだったが、なんとか一命をとりとめた。だが回復したポールは、それまでにはなかった驚異的な脳力の片鱗を見せ始める。ブラジルの紛争と知能の向上という全く無関係に見えるふたつの事象が、人を狂わす菌の力で絡み合い、アメリカ全土を巻き込んだ異常事態へと発展していく―。ウォール・ストリート・ジャーナル「ベスト・ブック・オブ2017」SF部門年間第1位!
著者等紹介
ウォルトン,デイヴィッド[ウォルトン,デイヴィッド] [Walton,David]
アメリカ、フィラデルフィア在住。2008年にフィリップ・K・ディック賞を受賞した『Terminal Mind』でデビュー。ロッキード・マーティン社で働くエンジニア
押野慎吾[オシノシンゴ]
東洋大学国文学科卒業。卒業後いくつかの職を経たのち、現在は新聞社勤務のかたわら、フィクション・ノンフィクション作品の翻訳に従事している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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