感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
177
北海道出身の怪談師・城谷歩さんの怪談噺はトリッキーな仕掛けで思わぬサプライズが味わえるのと人の情に訴える人情噺で次は何が出て来るのかなと期待を抱かせ読み手を飽きさせずに最後の一行まで満足させてくれますね。ストレートど真ん中・直球勝負の人情噺『死者からの電話』十六歳のせいかさんは年の離れた兄の死が信じられず茫然となり記憶がぼやけ遺体が実家に戻り、家族や親戚、兄の友人達が通夜の準備をし始めた頃に漸く心が戻る。練炭自殺を遂げた兄の顔は苦悶に歪み、とても二十七歳の青年には見えず深い皺が刻まれ丸で老人のようだった。2021/01/30
澤水月
21
まさか30年以上前にもう耳にした車にパッシングされ降りると…て手垢まみれの都市伝説をジャンキー読者多い竹で読まされるなんて嘆息。不動産屋怪談「二人いる」は良かった。下の中くらいの感想しか持てないが一つ個人的に気になるのは読みながら三回失神するように長時間熟睡したり体調崩した。怖さ因縁深さと関係なく「障る」モノに触れると起きがちな反応なのでどれかヤバい話あるのかも?2018/01/04
qoop
8
著者自身の体験談の比率が高い本には惹かれない、というのが怪談実話本を読む際に見つけた個人的な法則なのだが、本書は例外かも。全体に古風だったり文章のリズムに乗りに難い部分があったりと瑕疵もある割に、一冊通して読むと途中から妙に怖くなる。どの話が…と指摘できないのもまた怖さに拍車をかける。う〜ん、こういうアタリもあるんだな。2018/01/10
きらる
5
怪談を読むのが好きだけど、読む手が止まるほど怖く感じる瞬間が沢山ありました。表題作でもある『裂け目』は、なんなら自分のすぐそばで起こるのかもと思うと背筋がぞっとした。怖いのに止められない。怪談の魅力を再確認したお話ばかりでした。2018/03/16
Utsuro
3
旧版の「超」怖い話シリーズに、雰囲気は近い。文章は丁寧だが、ちょっとメリハリに欠けるかも。話の内容は一般的なものだが、怪談ライブバーをめぐる話と生霊談はやはり眼を惹く。2018/01/15