内容説明
真白圭が炙り出す、奇妙に歪んでいてどこまでも昏い怪異の数々。人により脚の数が違うように見えるという。その数が教える恐るべき意味…「零から六の脚の話」、いつも見かけるこの世ならぬ者、ある夜ついつい手を合わせると…「先まわり」、仕事をバリバリこなす女性が手にした見知らぬ口紅。おぞましい欲望が溢れ出る恐怖「口紅」ほか全45話を収録。怪異を好むあなたの魂も、膿み腐れてもはや救いようもないほど崩れている―かもしれない
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
156
著者の真白圭さんはサラリーマンが本業で執筆活動もされておられるとの事で、もうそれだけで尊敬してしまいますね。怪談は勿論怖い話がメインですが、やはり少しでもいいから救いのある話も偶には読みたいですよね。『霊感少女』海野さんが小学生の時にオカルト好きの女の子アケミから乞われて「こっくりさん」をやらされる。海野さんが将来結婚する相手は誰か?の質問に出た答は「みすず」で、それはアケミ達が虐めていた子だった。インチキだと思った海野さんが十円玉から指を離すとアケミが悲鳴を上げて呪いを恐れ「こっくりさん」に必死で謝る。2020/11/02
HANA
59
実話怪談集。内容はバラエティに富んでいるものの、インパクトのある話が少ないように思えた。中にはいらないオチを付けたような話も見られ、流石にどうかと思う。具体的に言うと「道づれ」とか。ただ中盤辺りから少年時代の思い出を語ったような話が増えて、こちらは面白く読めた。個人的にノスタルジアに溢れる話が好きって事もあるけど。「おじゃりんぼう」とか民話的世界観と現代がいい具合に融合してるし、「すかぶらの唄」も何かしら物悲しい気配に襲われるし。パンチがない分、オーソドックスな怪談の数々を楽しむ事ができる一冊であった。2018/03/08
眠る山猫屋
54
比較的読み易い実話怪談。その人の背負った〝業〟により無数の脚が見えてしまう『零から六の脚の話』なんかは好き。因果がわからない話が多いのは実話怪談ぽくて怖いわ~。因果が解っても素人には解決できるわけでもないしね。そういう意味では宿命を感じざるを得ない。2020/05/18
鬼灯の金魚草
29
「レインコート」目つけられた霊にアナタ、つまんないわなんて言われるとは!でも諦めて貰って良かった。「サーバー」夢の中のような話。ありえなくも無い気がする。血を飲むのが好きな人がいるというのは聞いた事がある。2017/12/07
澤水月
18
「浮気は駄目だーーーーー!」はいい!使いたい(?)。今巻、佳品多い気が。寝かせたものの熟成感だろうか。すかぶらの唄、サーバーなど印象に残る2017/11/29