内容説明
成人すると集落を出ねばならぬ村の秘密…「赤紙」、両親を亡くした少女が持っていた重箱の中身…「家族写真」、シェアハウスの怪…「五人目」、とある場所で目撃した火の玉とは…「墜ち火」ほか、非日常を覗く全100話!
目次
蛇口
茄子
悪戯小僧
局地的
助手
赤い垂れ幕
影と自転車
名古屋場所
消える
ボックス〔ほか〕
著者等紹介
加藤一[カトウハジメ]
1967年静岡県生まれ。新人発掘を目的とした実話怪談コンテスト「超‐1」を企画主宰、そこから生まれた新レーベル『恐怖箱』シリーズの箱詰め職人(編者)としても活躍中
神沼三平太[カミヌマサンペイタ]
神奈川県出身。いくつかの大学の非常勤講師の傍ら怪談蒐集と執筆を行う
高田公太[タカダコウタ]
青森県弘前市出身。1978年生まれ。サラリーマン
ねこや堂[ネコヤドウ]
実話怪談著者発掘企画「超‐1」を経て恐怖箱シリーズ参戦(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夢追人009
138
百物語は頁が短くて、あっさりした作品が多いですが、でも最初から「よっしゃー読むで~」とやる気満々になって一旦読み始めたら「やめられない、止まらない」でお馴染みのお菓子みたいに癖になって何時の間にか一気読みさせられますね。子どもの誠に痛ましい話。『思い出をあなたに』保育士の経験がある志田さんが悲し気に道を歩く女の子を見かけて声を掛けると名前はリカで家は住宅街にあるらしく「パパとママと遊園地に行った」と言い次の瞬間スッと消える。数日後パトカーが到着し、とある住宅で無理心中と思しき一家の遺体が見つかったと言う。2020/11/01
HANA
53
実話怪談集。百物語形式という事で、一頁か二頁の短い話が中心となっている。こういう形式は好みであるものの、本作に関してはどうも凄みのある話がほとんど無いように感じられた。わずかに「家族写真」と「赤紙」がそれに当たるくらいか。無理に要らないオチを付けている話が多数見受けられるが、どうもそれが怪談自体の純粋性を損なっているような気がしてならない。特に最後の落語じみた話とかもうホントね……。全体的に奇妙な話が中心ではあるが、その手の話は「こんな事がありました」で終わる危険性を多分に含んでいるのだなと教えられる。2017/09/11
澤水月
25
ポケGO怪談やはり出て来る。ポケ巣と心霊・因縁スポはかなり重なり怖いので鉱脈あると思う。ティーザー広告はタイトルの妙。終盤に“山怪”系どれもいい。トムラウシの妖精がとても印象深いがその地での悲劇思うと牧歌的な味わいに複雑な気持ちも。男性の毛髪系怪談の連なりは珍しい2017/07/29
ラルル
20
ミニミニ怪談の詰め合わせは移動や待ち時間の時に読み易くて良。何名かの共著ですが、たまにある小噺ちっくな文章の書き方はイマイチですね。実話怪談には向いていないと思います2018/11/30
qoop
9
一冊に百話収録の百物語本って考えたら凄いことなのに、もはや怪談実話界隈では珍しくなくなってしまった。怖ろしい。本書では、気になる話は概ね神沼三平太氏の作品だった。収録作の多さというより純粋にテイストが好みだな、と。GO〉〈ティーザー広告〉〈宇宙怪談〉〈音声操作〉など、ガジェットや状況に時代を感じさせるものが多くて面白いし、同時に〈茄子〉〈赤紙〉〈デリバリーピザ〉のずれた日常感も凄い。ねこや堂氏では〈家族写真〉、高田公太では局地的〉が印象的。〈予知〉だけは確かめるまでもなく高田氏だな、と分かる。2017/08/02