内容説明
自身の体験や蒐集した話を元にプロ怪談師として活躍する城谷歩。毎夜、口演にかけている話も含めた恐怖の怪談を御披露目。とある村のとある宿にまつわる因縁「Ｈ村の民営宿」、幼い頃の友人に起きた怪異「かくれんぼ」など、じんわり恐怖が纏わりつく３５話を収録。
著者等紹介
城谷歩［シロタニワタル］
１９８０年北海道生まれ。１５歳で演劇を志し、俳優、脚本、演出、劇団主宰を経て、２０１０年日本演出者協会員認定を受ける。２０１２年全国初となる怪談ライブバースリラーナイト薄野店に怪談師として入店。以後自身の体験や、蒐集した話を元に話をする専門のプロ怪談師として活躍の場を広げ、独特な語り節と世界観に定評がある。現在はスリラーナイトＲＯＰＰＯＮＧＩ（港区六本木在）に移りほぼ毎夜口演を行っている（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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夢追人００９
129
初読み作家の城谷歩さんはタイプ的に言えば平谷美樹さんみたいに静かに淡々と怪異を綴る方だとお見受けしましたね。派手さはありませんが今後も安定した筆致で末永く活躍して欲しいですね。『死者の手』七十代半ばの資産家の老人が入院して病室で不義理な長男と遺産相続で口論した３か月後に亡くなる。長男が駆けつけ遺体にかけた白布をはいで「ざまあみろ」と毒づいた瞬間に死者が両腕を上げて長男の首を絞めつける。老人は確かに死んでおり、誠に不可解だが稀にこういう事は起きるのだ。実はこれも死者が手を胸元で合わせられる理由であると言う。2020/10/11
むらKみ
55
昨年、城谷さんとスリラーナイト六本木でお会いし、怪談師としての語りを次回はライブで聞きたいと思っています。本に掲載されている物語がライブではどう自分に響いてくるのか楽しみです。(城谷さんのサイン本です）2016/07/24
HANA
51
実話怪談集。実話怪談のテンプレというものが存在するなら、それに沿ったような話が多い。物語の最後で明かされる過去の因縁とか、捨てても帰ってくる話とか、自殺を繰り返す霊とか、何というか読んでいると古いとかを通り越してノスタルジアをかきたてられる程。奇妙な話に偏りすぎな現在の実話怪談にも色々と思うところがあるけれども、あれはあれで洗練されて現在の形に落ち着いたんだなあ。と再確認させられました。あと語りだと驚かされるだろうけど文章にすると逆効果、そんな箇所も何ヵ所かあり、表現の仕方について色々考えされられもした。2016/07/23
澤水月
26
語り怪談と書き怪談は違うんだなぁ…文章怪談として読むと本書の七割くらい、ほぼラスト２、３行のオチ（解釈や因縁明かし）が不要。ネタは事故狐など良いものもあるのだが…部室などで語られる怪談にはいいと思う2016/05/28
Spok
8
城谷さんの語りが浮かぶような文でとても楽しめた。北海道の怖い話が多かったと思う。どの話も面白かったが特に本当になるからと霊能者井村さんのエピソードが良かった。2018/09/21
