出版社内容情報
『FKB怪幽録』の小田イ輔、最新作!
内容説明
黒木あるじに「天性の引きを持つ男」と見いだされ、『奇の穴』で怪談実話界に鮮烈デビューした小田イ輔の最新作。心の闇が濃くなる…、厭な感じの実話怪談、全33話を収録。
目次
階段と傷痕
こんにちは
おつり
エロ本レーダー
ラストチャンス
ベル
原因
お化け三角
ラフコリー
ろくでもない土地〔ほか〕
著者等紹介
小田イ輔[オダイスケ]
宮城県出身。職を転々としつつ東北地方を彷徨い歩いては、その土地の人間に訊ねて怪談を蒐集している。黒木あるじ推しで『FKB饗宴5』にて初登場(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HANA
44
実話怪談集。今までずっと「穴」で通してきた作者だけど、今回はその縛りから外れている。その理由を書いた部分も含まれているけど、こういう作者の身に起こったというメタな怪談は嫌いじゃない。しかしそれ以外は普通の怪談であった。この作者独特の奇妙な話はいつも通りだけど、もう少しパンチの効いたのが欲しいと思ってしまう。こういうのも嫌いじゃないんだけれども。やはり「厭」怪談と名前を変えたのだから、「厭」な部分が含まれていて欲しいわけですよ。ただ東北独特の空気感がある作品もいくつかあり、それは思いっきり趣味に合った。2015/05/21
流之助
24
ドーン!という恐怖はないものの、読み終わったときになんとなく厭~な感じが付きまとう。タイトルにまつわる話は不気味だった。先祖や土地にまつわる話が好き。2016/08/07
澤水月
23
とにかく「図書館で子供」…この一編に涙腺決壊、居住まいを正した。自分の本を読む姿勢、怪談やノンフィクションを好む姿勢の根底にある物、悲惨な現実をしっかり見極め記憶記録したいという思いを改めて貫きたい、書いていかねばと。そんな怪談もあるのかと目を開かされる素晴らしき掌編。それにしても「厭怪談」はない、真摯に語られ、聞き、書かれたものばかりと思えるが…今月の竹は大当たりセット。2015/04/30
pulpo8
21
これにて小田イ輔の既刊は(順番バラバラだけど)読了。今作も面白かった。「呪怪談」「呪の穴」の次くらいにはいい。「こんにちは」ひどい!「ラストチャンス」虐めが辛い。「横切るもの」出た!ロマンが見え隠れなSF。「図書館で子供」これも辛い。でもなぜか感動する部分も。「肝試し」一体何のスポットだったのか。「箱入り娘とあばた面」怖さとかよりカップルに和む。「自殺意志」残るもの。「マノアナ」制作秘話好き。黒木あるじ、突き抜けてるな…。「夏の出来事」素晴らしいトリ。オチに胸を突かれた。「魔の穴」を期待するしかない展開!2017/11/01
ラルル
21
「穴」シリーズが名を変えたものだったんですね。知らずに読んだので前作「呪の穴」がまだ積読でした。内容はなかなか良い感じです。一つ一つがそれぞれ厭な話。ラストの「夏の出来事」は良いお話に見えたのに最後がモヤモヤ~(>_<) 呪の穴も読まなくちゃです。2015/06/16