【福井店】 宮下奈都さん最新作『終わらない歌』
宮下さんの作品に共通して感じるものがある。
それは前に一歩踏み出す力を与えてくれる「手」の存在だ。
前から手を差し伸ばして引っ張ってくれるようなものではなく、
そっと背中を押してくれるような、寄りそうような。
けれど、『終わらない歌』にはそれだけでなく、これまでにない力強さを感じた。
グイッと引っ張られるような。
それこそ一緒にに歌い出してしまうような力強さだ。
『よろこびの歌』が産み落とされた卵の中で
雛の形が定まって行く物語であったとしたら、
『終わらない歌』は雛が殻を破る瞬間の物語だ。
溜め込んでいた、くすぶっていた熱量が内から外へと放出されていく。
その瞬間の輝きと力強さに胸が自然と高鳴る。
宮下さんのエールが響いてくるのだ。
『よろこびの歌』から3年。
彼女たちは今も歌っている。そして、これからも。
次に彼女たちに出会う時はどんな歌を歌っているのだろうか。
(福井店 奥野智詞)




