人気俳優・綾野剛さんも絶賛。天才スリ師に課せられた、あまりに不条理な仕事・・・『掏摸(スリ)』
世界7か国で翻訳が刊行、大江健三郎賞授賞、LAタイムズ文学賞候補、『ウォール・ストリート・ジャーナル』ベスト10小説と、国内外で評価の高いベストセラーが文庫化され、売れ行き好調です。
ドラマ「八重の桜」「空飛ぶ広報室」で人気急上昇中の俳優・綾野剛さんも絶賛しています。
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主人公の「僕」は、優秀なスリです。完璧に「仕事」をしていますが、木崎という男と出会ってから、闇の中に巻き込まれていく。人目に付かない場所で、圧倒的な暴力にさらされ、死にたくない、と思う。そのとき、ズボンのポケットに500円硬貨が入っていることに気づきます。遠くの人影へ向けて主人公はコインを投げる。たまたまポケットにお金が入っていたのではなく、無意識のうちにあの男からすっていたんだと僕は思う。自分がこのあと死ぬかもしれないという状況で、最後にその職業に助けられる。本能で感じたことを体が自然に表現する。忘れられない場面です。
暴力や性の描写が激しいのは、中村さんが、見たくないものから目を背けたりはしないから。人間を描ききっていると思います。『掏摸』の主人公は『王国』という別の作品にも登場します。二つの作品の世界は重なっているけれど、時間軸がどこで重なっているのかはわからない。余白が残されているのが面白い。しかも、どちらから読んでもいい。
BOOK asahi.com(朝日新聞)思い出す本 忘れない本より
綾野さんは「『掏摸』が映像化されたら主人公を演じてみたい」と語られています。
国内外で評価の高い話題作、ミステリー小説好きの方におススメします。
(編集部 福田志摩)




