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【新聞書評ピックアップ:今週の1冊】 誇り高く優雅な「占領下の観察」。 『フランス組曲』(12月16日 毎日新聞)

「新聞書評ピックアップ:今週の1冊」12月16日(日)の新聞に掲載された書評から、注目の1冊をご紹介します。今回は新宿本店ツイッターで紹介しておりました毎日新聞掲載の『フランス組曲』です。

連作にあたる小説二編と作者ノートなどがついて計五六五ページ。強力な磁石にすいよせられるようにして読みふける。その魅力の秘密は何だろう?

 語られる状況、経過、人物の動き? たしかにそれもある。一九四〇年六月が初まりだ。第二次世界大戦に突入して二年目。五月、ドイツ軍は西部戦線に総攻撃をかけてルクセンブルク、オランダ、ベルギーを席捲(せっけん)、フランス軍の守りの要マジノ線を突破。パリ陥落目前である。「大砲の音はまだかなり遠くで鳴っていたが、やがて近づき始め、それにともなって窓ガラスがふるえ出した」

 いまや通りに人影はない。店は鉄の鎧戸(よろいど)をおろしている。死のような静けさのなか、またたくまに噂(うわさ)がひろまった。ドイツ軍がセーヌを渡ったという。静けさが破れ、通りに人の波があふれ出た。いっせいにパリを捨てる。われ先に街から逃げる。一作目の「六月の嵐」は、嵐のようなパリ市民たちの大脱出(エクソダス)を語っていく。





※こちらの書評は毎日新聞社のサイトでお読みいただけます。


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1940年、ドイツの進軍を控えての大脱出――極限状態で剥き出しとなる市井の人々の性(さが)を透徹した筆で描いた一大絵巻。

フランス組曲
イレ−ヌ・ネミロフスキ−、野崎歓
白水社 (2012/11 出版)
ISBN:9784560082454
価格:¥3,780 (税込)

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2012.12.17 書評で読む  第二次世界大戦

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