イベントに行こう

【じんぶんや第77講】 佐藤信選「政治学のK点を越えて ―『60年代のリアル』と政治の越境」

紀伊國屋書店新宿本店5階の月がわりブックフェア「じんぶんや」、今月の選者は佐藤信さんです。今回の選書に関して、佐藤さんからエッセイをいただきました。

佐藤信

佐藤信さんエッセイ

 うーん、うまいこといかないなぁ......この原稿を書きなおしてすでに五回目である。とはいえ仕方ない、とりあえずココアをすすって、もう一度パソコンの画面に向かい合う。でもね、とまた愚痴が口をつく。こうして電気信号の塊みたいなのに向かいながら、政治について書くっていうのは、どうしても違和感を覚えてしまう。どうしたって、政治のイメージにパソコンやインターネットなんてないもんね。むしろ、ぼくらがいつも向き合ってるこうした媒体とは別のところに、政治なるものは存在しているように思ってしまう。
 でも、結局そういうことなのかもしれない。「政治」について書こうとか、「政治学」について書こうと思うと身構えちゃうってこと自体、実は「政治」とか「政治学」のイメージが現実と見合わなくなってしまっていることを示しているのかもしれない。たとえば、「政治の劣化」とか言うけれど、そこで言われる「政治」ってなんなんだろう。ぼくが記憶している時期の政治は、上の世代の人たちからはダメな政治って言われている。でもね、ぼくらにとってはそれこそが政治の姿なんだけどね、と思ったりする。
 政治の変化に政治学(もしくは政治へのまなざし)が追いついてない、という説明をすれば簡単かもしれない。たとえば、既存の政治学が小泉政治以降、とくに政権交代をうまく説明できなかったようなことは典型だろう。もしくは、たとえば「アラブの春」や反原発デモ、OWSに見られるような社会運動が政治学的にはうまく位置づけられないことも、その一つの証左かもしれない。けれど、もっと深く考えてみれば、そもそもそこで「政治」って呼ばれているものってなんなんだろう? むしろ、政治っていう概念自体、政治学(もしくはもっと広く言ってぼくらの政治へのまなざし)によって規定されていると考えてみたらどうだろうか。だとしたら、そもそも政治学がそのように政治の領域を確定してしまったから、現実をうまく説明できなくなってしまったと考えられるかもしれない。たとえば、戦後すぐ、60年代に至るまでの政治学においては、社会運動や国民世論の動向といったようなことは政治の一部として捉えられていた。ぼくらは、もしかしたら視野を狭くしすぎていたのかもしれない......。
 ところで、K点って極限点っていう意味らしい。ここまでしか飛べませんよ、みたいな。でも、今なら「K点越え」のジャンプはザラだ。きっと器具や技術の効用で極限点も超えられるようになってきたんだね。今回の「じんぶんや」の棚は、既存の政治学のK点を越えるための器具や技術への手がかりを提供したいと思います。そして、その手がかりはきっと読書する人を、この一角から他の本棚へと越境させるかも。自分にとって政治ってなんだろうって素朴に考えてみることは、そうして書店における読書体験と共鳴することになるのかな。
 そんなことを考えながら、冷えた、ココアをすする......みなさま、是非楽しんでいってくださいませ。

佐藤信(さとう・しん)さんプロフィール

1988年、奈良県生まれ。専門は日本政治外交史。
現在、東京大学大学院法学政治学研究科修士課程在籍、東京大学先端科学技術研究センター学内共同研究員。「建築と政治」をスタートに、戦後日本の政党制などの研究に取り組み、現在は戦間期の政治外交史を研究する。著書に『鈴木茂三郎 1893-1970 統一日本社会党初代委員長の生涯』(藤原書店、2011年)、『60年代のリアル』(ミネルヴァ書房、2011年)。

60年代のリアル

60年代のリアル

佐藤信 / ミネルヴァ書房
2011/12出版
ISBN : 9784623062065
¥1,890 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

リアルってなんだ? なにがリアルなんだ?
今も昔も、若者に常に課せられたその問い。その問いの根源にあるのは「皮膚感覚」だ。
「皮膚感覚」から読み解かれていく、60年代の安保闘争やオリンピック、大学紛争やあさま山荘事件、
さらに現代のアニメやネット......そして「皮膚感覚」から生まれる新たな政治の可能性。
政治はまたふたたび、「ぼくら」のものとして、「ぼくら」の生に直結したものとして再編成される
――「リアル」な政治の誕生を目撃せよ!
著者学部生時代の新聞連載に大幅加筆!


【じんぶんや第77講】 佐藤信選「政治学のK点を越えて ―『60年代のリアル』と政治の越境」
場  所 紀伊國屋書店新宿本店 5Fカウンター前
会  期 2012年1月28日(土)~2月下旬
お問合せ 紀伊國屋書店新宿本店5階 03-3354-5700


佐藤信さん 選書+コメント

◆統治の論理

統治と功利 功利主義リベラリズムの擁護

統治と功利 功利主義リベラリズムの擁護

安藤馨 / 勁草書房
2007/05出版
ISBN : 9784326101696
¥4,200 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

リベラリズムを構想する政治理論として古典的功利主義を現代的に再構成。
今日の問題に応答する新しい功利主義像を偏見に抗して力強く描き出す。
※Book Web 書誌情報より

現代の貧困 リベラリズムの日本社会論

現代の貧困 リベラリズムの日本社会論

井上達夫 / 岩波書店
2011/03出版
ISBN : 9784006002497
¥1,365 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

私たちの生を包む諸関係は、深刻な病理を抱えているのではないか。
象徴天皇制が象徴する「関係の貧困」、会社主義が具現する「共同性の貧困」、五五年体制の遺産たるコンセンサス原理が孕む「合意の貧困」、この三つの病因から、日本社会を構造的に診断。
リベラリズムに基づく社会の再編へむけて、ラディカルな思想的処方箋を描く。
※Book Web 書誌情報より

政談

政談

荻生徂徠、辻達也 / 岩波書店
1987/07出版
ISBN : 9784003300411
¥903 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

『政談』は、荻生徂来(1666‐1728)が徳川幕藩体制に弛緩を生じさせている根本原因を指摘し、その対策を論じて、8代将軍吉宗に呈した意見書である。
現今の都市問題の雛型を見るような、江戸における人口激増に対する無政策の批判のほか、興味を引くのは人材登用策であり、徂来の政治論の最も輝ける部分といわれている。
※Book Web 書誌情報より

日本政治思想史 十七〜十九世紀

日本政治思想史 十七〜十九世紀

渡辺浩(政治学) / 東京大学出版会
2010/02出版
ISBN : 9784130331005
¥3,780 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

「御威光」の支配から文明開化まで―何が起きたのか。
江戸から明治半ばの日本へと遡航し、政治をめぐる思想を斬新な視点で描き出す。
歴史を知る楽しみに満ちた、刺激的なタイム・トリップ。
※Book Web 書誌情報より

政治とは何か 竹下登回顧録

政治とは何か 竹下登回顧録

竹下登、政策研究大学院大学 / 講談社
2001/01出版
ISBN : 9784062105026
¥1,890 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

話を詰めるときは、相手のところへ下がる。
実際は、相手を引き上げながら話をするんだよね。
だから、タフ・ネゴシエーターといえば、実は強烈なネゴシエーターじゃないんだ。
ほんとうは相手の立場まで下がる、あるいは相手の立場を引き上げていく能力があるということなんだ。
竹下政治とはこういうことだったのか。
伊藤隆、御厨貴両教授による2年にわたるインタビュー。
日本の戦後政治を知り尽くす男の貴重な証言録。
※Book Web 書誌情報より

知と情 宮澤喜一と竹下登の政治観

知と情 宮澤喜一と竹下登の政治観

御厨貴 / 朝日新聞出版
2011/03出版
ISBN : 9784022508478
¥2,310 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

オーラル・ヒストリー研究の第一人者である著者のテキストの中から、同じ分野で活躍した人物を選び出し、時間軸に沿って彼らの行動原理や論理を本人たちの発言から探り比較する「オーラル・ノンフィクション」の第二弾!今回取り上げる宮澤喜一と竹下登は、政策や組織の考え方が一八〇度異なりながら、それぞれ池田派、佐藤派を継承し、総理大臣にまで登りつめた。
戦後保守政治を生き抜いた二人の成功と挫折を「最後のフィクサー」と呼ばれた福本邦雄の発言を補助線に分析。
知性の世界から、情緒の世界から政治に迫った二人を徹底対比する。
※Book Web 書誌情報より

......『統治と功利』は新進気鋭の法哲学者による修論を元に書籍にしたもの。そこではすでにあらゆる非難を浴びせられていた功利主義を擁護しようとする試みが展開されており、功利主義によっても公共善は担保されうるとしている。そこで仮想敵とされているのが師匠である井上達夫である。なお、そこで安藤が期待を寄せるシステムが「アーキテクチャ」であり、その議論については東浩紀・北田暁大編『思想地図〈vol.3〉(特集:アーキテクチャ)』所載の論文を見よ。
なお、このような統治のメカニズムは、民主的委託を必要としない君主政のもとでは特に追求されたものであった。ゆえに、それを説いた著作自体は古今東西に存在するが、ここでは荻生徂徠の代表作を挙げておこう。それが日本における近代思想の文脈を代表すると主張したのは丸山眞男だったが、その弟子・渡辺浩は近著でそれを否定している。そのハイレベルな教科書が『日本政治思想史』。
このようないわば「上から」の統治の見方自体は、戦後民主主義体制下にあっても自民党システムの高度で精緻な構築作業のもとに実現されていった。それを伺わせるのは竹下登の回顧録である『政治とは何か』であり、そこでは高度にメカニックに汲み上げられた、自民党全盛期における「政治」の姿を見て取ることができる。絶版のようなので、それを用いた御厨貴『知と情』を挙げる。なお、この前後の時期の自民党の合理的システムについての優れた論考として 北岡伸一の『国際化時代の政治指導』(中公叢書、1990年)所収の「包括政党の合理化」を見よ。また、戦後日本政治における優れた見通しを与える著作として飯尾潤『日本の統治構造』(中公新書、2007年)は必読。なお、直近の優れた制度的提言の数々については、『朝日ジャーナル増刊号 政治の未来図』を見よ。

◆民主主義のゆくえ

人間の条件

人間の条件

ハナ・ア−レント、志水速雄 / 筑摩書房
1994/10出版
ISBN : 9784480081568
¥1,575 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

条件づけられた人間が環境に働きかける内発的な能力、すなわち「人間の条件」の最も基本的要素となる活動力は、《労働》《仕事》《活動》の三側面から考察することができよう。
ところが《労働》の優位のもと、《仕事》《活動》が人間的意味を失った近代以降、現代世界の危機が用意されることになったのである。
こうした「人間の条件」の変貌は、遠くギリシアのポリスに源を発する「公的領域」の喪失と、国民国家の規模にまで肥大化した「私的領域」の支配をもたらすだろう。
本書は、全体主義の現実的基盤となった大衆社会の思想的系譜を明らかにしようした、アレントの主著のひとつである。
※Book Web 書誌情報より

公共性

公共性

斎藤純一 / 岩波書店
2000/05出版
ISBN : 9784000264297
¥1,470 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

公共性とは,閉鎖性と同質性を求めない共同性,排除と同化に抗する連帯である.現在提起されている「公共性」は異質な声に鎖されてはいないだろうか.互いの生を保障しあい,行為や発話を触発しあう民主的な公共性の理念を探る.
※Book Web 書誌情報より

民主主義の逆説

民主主義の逆説

シャンタル・ムフ、葛西弘隆 / 以文社
2006/07出版
ISBN : 9784753102488
¥2,625 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

民主主義の危機の時代における政治思想の根本問題。
「合意形成」の政治から「抗争性」の政治へ。
ロールズ、ハーバマス、ギデンズなどの「合意形成」の政治学を批判的に検討し、シュミットの政治論、ウィトゲンシュタインの哲学から「抗争性」の政治を提唱する。
民主主義を鍛え直す画期的な政治思想。
※Book Web 書誌情報より

政治的なものの概念

政治的なものの概念

カルル・シュミット、田中浩 / 未来社
1984/12出版
ISBN : 9784624300128
¥1,365 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

本書はドイツの公法学・政治学のなかに顕著な足跡を残したカール・シュミットの古典であり、著者自身の入門的書でもある。巻末に訳者の「シュミットの『友・敵』理論」を付す。
※Book Web 書誌情報より

〈私〉時代のデモクラシ−

〈私〉時代のデモクラシ−

宇野重規 / 岩波書店
2010/04出版
ISBN : 9784004312406
¥756 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

一人ひとりが <私> 意識を持ち、自分らしさを模索する現代。分断された <私> と <私> を結びつけ、デモクラシーを発展させることは可能か。平等意識の変容と新しい個人主義の出現を踏まえ、これからのデモクラシーを構想する。
※Book Web 書誌情報より

ラディカル・デモクラシ−の地平 自由・差異・共通善

ラディカル・デモクラシ−の地平 自由・差異・共通善

千葉真 / 新評論
2008/05出版
ISBN : 9784794899415
¥3,990 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

現代世界におけるデモクラシーの境位を精確に把握しつつ、われわれ一般市民の自由の政治としてのデモクラシーの課題を理論と実践の両面において闡明。
一九八九年の東欧諸国の「市民革命」(citizens' revolution)を筆頭とする現代世界におけるさまざまな歴史的出来事や推移の意味を探究している。
「シリーズ"政治思想の現在"」のオンデマンド出版による復刻版。
※Book Web 書誌情報より

......しかし、こうした上からの「統治」とはどこまで有効なものなのだろうか。多くの君主政が、もしくは権威主義体制が、革命によって打倒されたように、自民党システムが国民の意思によって倒れたように、もしくは東京や大阪の市民が、多くの識者の建言に背く意思決定をしたように、「統治」の論理は民主主義によって覆されてきた。アレントの古典的著作は、このような問題について公共空間の重要性を指摘する。齋藤純一の入門書は、公共空間の意義をわかりやすく説いたものである。
 しかし、公共空間、すなわち民主主義を実現する空間とは、必ずしも平和的な空間とは限らない。むしろ、それが闘争的な空間となる可能性も十分あると言わなければならないし、それでなければウソだということもできるだろう。こうしてムフは、今日盛んな「討議的民主主義」とは違って、「闘技的民主主義」を提唱していた。『政治的なものの概念』は、ムフが参照したシュミットの代表的著作。
 こうしてみると、結局のところ、現代の統治に民主主義を反映させるための礎石となるのは、ぼくとあなた、つまり自己と他者との関係を見つめ直すことに他ならない。そこにはおそらくシュミットのいうが如く友と敵には割り切れない関係があるハズだし、だが、公共空間などと生やさしいことを言っている場合じゃないこともあるだろう。結局のところ、民主主義とはそうしたぼく自身を反映する対象でしかないのだ。こうした議論を行っているのが宇野重規『〈私〉時代のデモクラシー』。
 なお、こうした問題について扱った千葉眞の『ラディカル・デモクラシーの地平』が近年復刊された。現在でも流行りのラディカル・デモクラシー論への入門書として。

◆皮膚という境界

美と共同体と東大闘争

美と共同体と東大闘争

三島由紀夫、東大全学共闘会議 / 角川書店
2000/07出版
ISBN : 9784041212080
¥420 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

学生・社会運動の嵐が吹き荒れた1969年の5月13日、超満員となった東大教養学部で、三島由紀夫と全共闘の討論会が開催された!自我と肉体、暴力の是非、時間の連続と非連続、政治と文学、観念と現実における美...。
互いの存在理由を巡って、激しく、真摯に議論を闘わせる両者。
討論後に緊急出版されるやたちまちベストセラーとなり、いまだ"伝説の討論"として語り継がれる貴重なドキュメント、三十余年ぶりの復活。
※Book Web 書誌情報より

太陽と鉄

太陽と鉄

三島由紀夫 / 中央公論新社
1987/11出版
ISBN : 9784122014688
¥580 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

最後まで冷徹な自己分析、自己認識の中で、限りなく客観的、論理的世界へ飛翔して、自らの死と対決する三島ミスチシズムの精髄を明かす「太陽と鉄」、詩を書く少年が作家として自立するまでを語る「私の遍歴時代」、ともに自伝的作品2篇を収め、三島文学の本質を解明する。
※Book Web 書誌情報より

考える皮膚 触覚文化論

考える皮膚 触覚文化論

港千尋 / 青土社
2010/03出版
ISBN : 9784791765416
¥2,520 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

「眼」 の崩壊
皮膚はやはりもっとも深いところにあって、わたしたちに進むべき道を、
内側からコツコツと知らせてくれているように思うのである。 ――港千尋
時代のうごきを先鋭的に捉えた瞠目の書、新たな書下ろしを加えて待望の新版。
※青土社HPより

五感 混合体の哲学

五感 混合体の哲学

ミッシェル・セ−ル、米山親能 / 法政大学出版局
1991/06出版
ISBN : 9784588003233
¥6,300 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

ギリシア哲学、キリスト教、デカルト的理性に通底にする言語=視覚中心主義にノンを唱え、文明によって失われた感覚世界(触覚・味覚・嗅覚・聴覚)の復興による原初の活力に溢れた文明再生への展望を語りつつ新たな〈科学〉時代の到来を予告する。
'85メディチ賞受賞。
※Book Web 書誌情報より

視覚新論 付:視覚論弁明

視覚新論 付:視覚論弁明

ジョ−ジ・バ−クリ、下条信輔 / 勁草書房
1990/11出版
ISBN : 9784326152421
¥2,940 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

18世紀初めのイギリスの哲学者バークリの主著『視覚新論』の本邦初訳。認識の主な起源は触覚にある,とする明快な議論で,哲学と心理学の古典である。
※Book Web 書誌情報より

知覚の現象学

知覚の現象学

モリス・メルロ−・ポンティ、中島盛夫 / 法政大学出版局
2009/11出版
ISBN : 9784588099168
¥8,190 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

サルトルとならび戦後思想の根底に計り知れぬ影響をもたらした著者の記念碑的大著の全訳。近代哲学の二つの代表的な立場、主知主義=観念論と経験主義=実在論の両者を、心理学・精神分析学の提供する資料の解釈を通じて内在的に批判するとともに、両義的存在としての「生きられる身体」の概念を回復し、身体=知覚野において具体的・人間的主体の再構築をめざす。
※法政大学出版局HPより

......ここでは、あまり「皮膚」などというぼくなりの補助線を引かない方がいいのかもしれない。でも、とにかく言いたいことは、政治における(という限定を抜かしてもいいが)自分と他者とのつながりというのはいかなるものなのか、一緒に考えてみたいということなのだ。というのも、通常、民主的な論理のもとでつながっているぼくと代議士は、厳重な警備のもと会うことはできないし、ともに国家を支えているハズの隣人ともそんな気軽く話せるもんじゃない。ところが、大衆運動においてはそれが肉体において体感されることになる。つまり、大衆運動は政治がいかなるものであるかを顕示させるということに面白さがあるわけだ。
 そこで、とりあえず肉体に固執した作家である三島由紀夫と、全共闘の学生たちとの対話である『美と共同体と東大闘争』を。『太陽と鉄』はその三島由紀夫の肉体論とも言うべき著。さらに皮膚について踏み込んだ論考としては港千尋の『考える皮膚』が名高い。セールの『五感』は皮膚感覚を五感の基底として置いて、その哲学を紡ぎ出した著作であるが、この根本にある皮膚感覚の賛美はバークリに遡らねばならないだろう。『視覚新論』はその代表作であり、大森荘蔵の『新視覚新論』中村雄二郎の『共通感覚論』に、日本の大哲学者たちが彼の哲学に向かい合った軌跡を見よ。ポンティは視覚と触覚という差異化は不明確ながら、自他の差異という問題に取り組んだ。

◆現代におけるつながり

マトリックス特別版.bmpマトリックスリローテッド.bmpマトリックスレボリューションズ.bmp




インセプション-thumb-w100.bmp

新編普通をだれも教えてくれない

新編普通をだれも教えてくれない

鷲田清一 / 筑摩書房
2010/02出版
ISBN : 9784480092700
¥1,260 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

「普通」とは、人が生きていく上で本当に拠りどころとなること。
ところが今、周りを見渡してみても、そんな「普通」はなかなか見出せない。
私たちが暮らす場も大きく変わり、人と人との結ばれ方も違ってきた。
自由で快適で安全な暮らし。
それが実現しているようでその実、息苦しい。
時として私たちは他人を、そして自らを傷つける。
一体、「普通」はどこにあるのか?
この社会の「いま」と哲学的思考とが切り結ばれる珠玉のエッセイ集。
※Book Web 書誌情報より

社会学入門 人間と社会の未来

社会学入門 人間と社会の未来

見田宗介 / 岩波書店
2006/04出版
ISBN : 9784004310099
¥819 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

「人間のつくる社会は、千年という単位の、巨きな曲り角にさしかかっている」―転換の時代にあって、世界の果て、歴史の果てから「現代社会」の絶望の深さと希望の巨大さとを共に見晴るかす視界は、透徹した理論によって一気にきりひらかれる。
初めて関心をもつ若い人にむけて、社会学の「魂」と理論の骨格を語る、基本テキスト。
※Book Web 書誌情報より

将来の哲学の根本命題 他二篇

将来の哲学の根本命題 他二篇

ル−ドヴィヒ・アンドレアス・フォイエルバ、松村一人 / 岩波書店
2004/07出版
ISBN : 9784003363331
¥588 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

フォイエルバッハはヘーゲル左派の最も急進的な思想家だった.彼は『将来の哲学の根本命題』によって,唯物論の立場からヘーゲル哲学を徹底的に批判し,冷たい理性の世界から,哲学を感性的な自然の人間の手にとり返したのである.彼の「人間学」は若きマルクスに大きな影響を与え,マルクス主義形成への大きな転機となった.
※Book Web 書誌情報より

宗教批判と身体論 フォイエルバッハ中・後期思想の研究

宗教批判と身体論 フォイエルバッハ中・後期思想の研究

河上睦子 / 御茶の水書房
2008/10出版
ISBN : 9784275008039
¥6,090 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

身体、それは自然と文化の交点である。
自然との共生の鍵は"身体"にある。
女性原理論による近代哲学批判、現代の身体論の先駆思想、ニーチェを先取りするエゴイズム論、宗教心理学的考察―フォイエルバッハ宗教批判哲学への新たな解読。
※Book Web 書誌情報より

......現代における最大の問題は、現実がまるで架空の空間のように感じられるという現象に由来しているように思われる。『マトリックス』はその点で、それを見事に構成しえたという点で本当に画期的な作品だったと思うが(その意味では2011年に公開された『インセプション』も同じ)、しかし、その問題関心自体はそれよりずっと前に表れていたんだってこともまた、興味深い話だと思う。鷲田清一はそのことを指摘している。しかし、『マトリックス』のすごい点は、そのような架空の世界にのみ生きる人物に、結局は人のつながり、関係によってのみしか、存在などは実感することはできないのだと語らせている点だ(当該場面は『リローデッド』 に出てくる)。
 それは、現実を架空のように感じてしまうぼくらにとっての、現実的な処方箋を示してもいる。ぼくらには「ネオ」のように目覚める機会は与えられていないのだから、他者との関係によって、つまり自分と他者を区別するというその行為によって、自分の生きているという実感を得るほかない。(現在ではほとんど自覚されているようには思われないが、社会学の本来的な関心はこうした人間同士の関係にあったハズなのであった。見田宗介参照。)そして、そのことはすでにフォイエルバッハによって指摘されていたのである。河上睦子の『宗教批判と身体論』はフォイエルバッハの中・後期の思想を取り扱ったもの。

◆ネットの真価

こうかくきどうたい.bmp



ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか

ウェブ社会の思想 〈遍在する私〉をどう生きるか

鈴木謙介 / NHK出版
2007/05出版
ISBN : 9784140910849
¥1,124 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

「ユビキタス」「ウェブ2・0」「ネットビジネス」...華々しい流行語の陰で何が起きているのか。
蓄積された個人情報をもとに、各人の選ぶべき未来が宿命的に提示される。
カスタマイズされた情報が氾濫する中で、人は自らの狭い関心に篭もり、他者との連帯も潰えていく。
共同性なき未来に、民主主義はどのような形で可能なのか。
情報社会の生のゆくえに鋭く迫り、宿命に彩られた時代の希望を探る、著者渾身の一冊。
※Book Web 書誌情報より

ウェブ×ソ−シャル×アメリカ 〈全球時代〉の構想力

ウェブ×ソ−シャル×アメリカ 〈全球時代〉の構想力

池田純一 / 講談社
2011/03出版
ISBN : 9784062880930
¥840 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

ウェブは、アメリカのプログラム(文化的伝統)をいかに継承・具現し、社会の変容にどう寄り添うのか?
歴史、社会、経済、思想、工学、建築、デザインなど分野の境を超え、その「構想力」の源流をたどり、未来を語る、斬新かつ根源的論考。
※Book Web 書誌情報より

スティ−ブ・ジョブズ The Exclusive Biography

スティ−ブ・ジョブズ The Exclusive Biography

ウォルタ−・アイザックソン、井口耕二 / 講談社
2011/10出版
ISBN : 9784062171267
¥1,995 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

最初で最後の決定版伝記。
いま明かされる、カリスマのすべて。
※Book Web 書誌情報より

スティ−ブ・ジョブズ The Exclusive Biography

スティ−ブ・ジョブズ The Exclusive Biography

ウォルタ−・アイザックソン、井口耕二 / 講談社
2011/10出版
ISBN : 9784062171274
¥1,995 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

ジョブズのiPodの中身は?
デザインスタジオで「3年先の未来を見る」、「宇宙に衝撃を与える」製品の開発秘話、禅、京都、イッセイミヤケを愛する日本通、はじめて明かされた家族との私生活、何度も命を落としかけた壮絶な闘病、終生のライバル、ビル・ゲイツとの最後の対面、政治改革から新社屋まで、亡くなる直前まで情熱を注ぎ続けていたもの、最後のカリスマ、ジョブズのすべてが明らかに。
※Book Web 書誌情報より

加藤ミリヤMベスト.bmp

趣味縁からはじまる社会参加

趣味縁からはじまる社会参加

浅野智彦 / 岩波書店
2011/06出版
ISBN : 9784000284554
¥1,575 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

「趣味縁」の可能性とは何か。
国家でも会社でも家族でもなく、私的な趣味のつきあいのなかに、若者が政治や公共性へとつながる密かな通路があるのだとしたら、それはどのようなものなのだろう。
本書は、社会関係資本論を考察の補助線にしながら、近世にまで遡る趣味縁研究の歴史を手がかりに、さらに韓国の若者との比較を含めた調査データを分析することで、この問に迫っていく。
※Book Web 書誌情報より

......しかし、現代の「つながり」というとき、やはりネットの世界を落とすことはできないだろう。ということで、すこしばかり、ネットに関わってみると、とにかく刺激的なのは『攻殻機動隊』『マトリックス』にも影響を与えた作品ながら、ネット空間に固執することで、なにか既視感を伴う映像によって、視聴者にこれまでに見たことのない刺激を与えてくれるハズである。本来ならアニメバージョンのDVD boxなど置きたいところだが、わが愛する紀伊國屋書店さんに不良在庫を抱えて欲しくないため、とりあえず再編集版を。ハマったら各自注文してください。
 この『攻殻機動隊』が特徴的なのは、ネット社会によって個性が浮遊する状況が生まれたとき、人にとって問題になるのはいかに個を特定するかだ、という問題提起にある(とぼくは思う)。このような問題に取り組もうとした本として鈴木謙介の『ウェブ社会の思想』を挙げておこう。けど、こうした問題って、すでに取り扱ったようなフィクショナルな世界における生きる実感っていうのと、実は直結している問題系でもあるのだ。たとえば、現代のITを大きく牽引したジョブズは60年代のカルチャーを色濃く体現した人物だった。池田純一の『ウェブ×ソーシャル×アメリカ』は、そうした60年代から始まるカルチャーが現在のネットのかたちを規定してきたことを描いている。
 そんななか、加藤ミリヤじゃなくてもいいんだが(ただ個人的に加藤ミリヤが好きだから加藤ミリヤを挙げただけなわけで)、青山テルマ、西野カナなど、「セツナ系」と呼ばれるような一貫の歌手たちは、ケータイのある時代にあっても、「会いたいけど会えない」ということによって若い女性たちの人気をさらってきた。それは、いつでもつながることができる(と言われてきた)ネット時代にあってこそ、むしろ皮膚を通した肉体的接触が復権していることを表しているように思える。浅野智彦の近著は、やはりネットではない側面から若者の「つながり」を見ようとした著作。

◆政治と空間

〈時と場〉の変容 「サイバ−都市」は存在するか?

〈時と場〉の変容 「サイバ−都市」は存在するか?

若林幹夫 / NTT出版
2010/02出版
ISBN : 9784757142404
¥2,730 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

環境はメディアであり、メディアは環境である。
人類史的な深度と広がりをもった視点から、メディアと情報化を捉え、その現在のあり方、そこから見えてくる現代社会の特質を、明らかにする。
※Book Web 書誌情報より

サイバ−シティ

サイバ−シティ

M.クリスティ−ヌ・ボイヤ−、田畑暁生 / NTT出版
2009/08出版
ISBN : 9784757101975
¥3,360 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

電脳空間に「都市」は存在しうるのか? 都市を隠喩として語られる関係の場、それらをめぐる言説やイメージが構成される「場」。それらのイメージの集合体こそ「サイバーシティ」なのだ。
※NTT出版HPより

犬の記憶

犬の記憶

森山大道 / 河出書房新社
2001/05出版
ISBN : 9784309474144
¥777 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

「いったん逃げた風景のかずかずは、僕の内部でもうひとつの風景となってある日とつぜん立ち現われてくる。
それは、まったく時空を超えた視覚のなかと脈絡を絶った意識のなかに、ふと再生されてくるのである」。
写真は現在と記憶とが交差する時点に生ずる思考と衝動によるもの、という作者の、自伝的写真論。
巻末に横尾忠則による森山大道論を付す。
※Book Web 書誌情報より

ずばり東京

ずばり東京

開高健 / 光文社
2007/09出版
ISBN : 9784334743093
¥720 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

近代化、国際化、急速な人口流入...。
1960年代前半、東京オリンピックに沸き立つ首都は日々、変容を遂げていった。
その一方で、いまだ残る戦後の混乱、急激な膨張に耐えられずに生じる歪みも内包していた。
開高健は、都内各所を隈無く巡り、素描し、混沌さなかの東京を描き上げる。
各章ごとに様々な文体を駆使するなど、実験的手法も取り入れた著者渾身のルポ。
※Book Web 書誌情報より

権力の館を歩く

権力の館を歩く

御厨貴 / 毎日新聞社
2010/07出版
ISBN : 9784620320083
¥2,625 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

建築が政治を決め、政治が建築を決める。
吉田茂から小沢一郎まで権力者たちの住み処や国家機関の建物、政党本部ビルなど「権力の館」で交錯する時空へ身を投じ、かつてそこで営まれた政治の意思と権力者たちの本音を逆照射する。
新たな視座を打ち立てる、画期的な日本政治論。
※Book Web 書誌情報より

夢と魅惑の全体主義

夢と魅惑の全体主義

井上章一 / 文藝春秋
2006/09出版
ISBN : 9784166605262
¥1,365 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

ムソリーニはベネチア宮殿とコロッセウムを結び、自らの姿を古代ローマの栄光に重ね合わせた。ヒトラーはベルリンの巨大な都市改造を志した――。独裁者たちが「建築」に託した夢を世界的な視野で辿る。一方、戦時下の日本に現れたのはバラックの群れだった。日本は"ファシズム"だったのか?
建築からファシズムの正体が明らかになる!
※Book Web 書誌情報より

......このように視点を変えてみれば、結局「つながり」をメタファーではなく、あくまで皮膚感覚で捉えることの意味も見えてきそうなものである。そして、そうした議論を再び政治と接続してみるならば、結局現代の政治学に求められているのが、皮膚感覚なのではないかというのも、あながち外れた議論ではないだろう。つまり、政治の近さ、政治の実感、そういったことが重要な論点になっているわけだ。
 こうして、あくまで皮膚感覚にこだわるならば、その「いま・ここ」感にこだわるならば、若林幹夫の著作は非常に示唆的である。都市論から出発した彼の議論は、「いま・ここ」の意義へと立ち返る。それは結局のところ「サイバー都市」の可能性に踏み込むことになるのだ。サイバー都市の議論については、同じシリーズに所収されたボイヤーの『サイバーシティ』も参照。
 かくして、皮膚感覚へと取り戻された政治的感覚(つまり他者との摩擦によって公を生成するということ)とは、結局のところ「歩く」というところに帰着される。自分から行動しなくては他者との出会いは生まれ得ないが、同時に結果が予測されうるような行動をしたのでは他者の存在を確認することはできないからだ(自分の予想外の反応を得て初めて、自分には制御不可能な存在を認識することができる)。「歩く」という行為とは、言ってみれば偶然性に出会う行為であり、まさに他者性を認識し、個を特定するための一つの作業なのである。その歩くという行為を描いたものとして、森山大道の『犬の記憶』と開高健の『ずばり東京』を挙げておいた。
 もっとも、ここで重要なのは、政治家もまた同じように空間を生きているということなのだ。御厨貴『権力の館を歩く』はぼくも参加した企画だが、そのことを明瞭に教えてくれる。彼らはぼくらと同じように空間を生きているのだが、ぼくらとは違う空間を生きている。権力を持った瞬間、人が変わるということ、なんだか定番のストーリーがあるけれど、それは何も不思議なことではなく、空間にやどった権力性などがそれに寄与しているに違いないのだ。このような空間の生きられ方について論じたものとして多木浩二の『生きられた家』(岩波現代文庫、2001年)があり、また建築のありようと文化との連関について扱った新刊として浜本隆志『「窓」の思想史』(筑摩書房、2011年)がある。挙げた井上章一の著書は、むしろ視覚的な側面から空間と政治の関係を扱ったものである。

◆政治と美学再考

定本柄谷行人集

定本柄谷行人集

柄谷行人 / 岩波書店
2004/01出版
ISBN : 9784000264877
¥2,730 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

70年代以降のディコンストラクションの運動が切り開いた地平を社会哲学へと架橋した,記念碑的著作(原著,MIT Press,1995).英語でしか読めなかったテクストを著者自身が日本語とし,今回あらたに長文の後記を付す.
※Book Web 書誌情報より

鏡と皮膚 芸術のミュトロギア

鏡と皮膚 芸術のミュトロギア

谷川渥 / 筑摩書房
2001/04出版
ISBN : 9784480086341
¥1,365 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

深みに「真実」を求めてはならない。
なぜなら「生はいかなる深さも要求しない。
その逆である」(ヴァレリー)からである。
オルフェウスがエウリディケーと見つめ合った瞳に、アテナの盾を飾ったメドゥーサの首に、マルシュアスの剥がされた皮に、キリストの血と汗を拭ったヴェロニカの布に―神話の根拠を古今の画家たちの作品からたどり、鏡と皮膚の織りなす華麗かつ官能的な物語を読み解く。
美と醜、表層と深層、外面と内面、仮象と現実という二元論を失効させるまったく新しい芸術論。
鷲田清一との対談「表層のエロス」収録。
※Book Web 書誌情報より

神聖受胎

神聖受胎

澁澤龍彦 / 河出書房新社
1987/11出版
ISBN : 9784309402055
¥550 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

サド裁判の渦中にあった弱冠33歳の著者によるラジカルなエッセイ集。
著書としては3作目にあたるこの書物が発表されたのは、安保闘争直後の騒然たる時期であった。
往年の簡潔、明晰な軽みさえたたえた文体とは異なり、硬質でやや晦渋なスタイルで書かれた本書は、時代と対峙する精神の緊張感をはらみつつ、後半深まりをみせる数々の関心を論理的に展開し、強烈な衝激力にみちている。
※Book Web 書誌情報より

政治の美学 権力と表象

政治の美学 権力と表象

田中純 / 東京大学出版会
2008/12出版
ISBN : 9784130101097
¥5,250 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

第63回毎日出版文化賞受賞。政治的暴力が美化される情動の論理を探る、表象文化論のスリリングな実践。好評を博した『都市の詩学』につづく意欲作。
※Book Web 書誌情報より

......しかし、考えてみれば、こうして政治と建築との連関を捉えようという試みは柄谷行人の『隠喩としての建築』において始まったものであった(もっとも、それは幸か不幸か、ぼくは不幸だと思っているが、皮膚感覚に基づいたものというより、その題の通り隠喩としてであったが)。建築とは言うまでもなくアーキテクチャそのものであるわけだが、見方によっては、冒頭で取り上げたようなアーキテクチャ論とは、実は、柄谷が定式化した隠喩をそのまま育ててきたようなものなのかもしれない。
 だとすれば、いまのぼくらに求められているのは、そうして切り捨てられてしまった五感を政治学に取り戻すことに他ならない。セールが言っていたように、皮膚感覚とはあらゆる五感の基底にあるものであり、性、音楽、アロマ、美術、なんでもいいが、そういったこれまでの論理的な言語によっては切り捨てられてきてしまってきた皮膚感覚に訴えかけるものをこそ、ぼくらは取り戻さなければならないのだ、きっと。それは、言ってみれば、澁澤が60年代に問題にしていたような政治と美学との連結という巨大な問題系を取り戻すことでもあるはずだ。

大衆運動

大衆運動

エリック・ホッファ−、高根正昭 / 紀伊国屋書店
2003/02出版
ISBN : 9784314009355
¥2,520 (税込)

本棚に登録 カートに入れる 店頭在庫検索 電子書籍はこちら

宗教運動、ナチズム、共産主義、ナショナリズム...なぜ人は何かを信じこみ、運動へとのめりこんでいくのか?
古今東西の大衆運動に共通する性質をあぶり出し、そのダイナミックスを描ききる―。
社会の底辺を渡り歩きつつ、独学で自らの思想を磨きあげた「沖仲仕の哲学者」ホッファーの処女作にして主著。
※Book Web 書誌情報より

 ということで、最後は紀伊國屋書店に敬意(と再刊の希望)を込めながら、ホッファーの『大衆運動』論で。あらゆる著者が大衆運動を中心において語っていた時代があった......現代にもその「アツさ」は取り戻すことができるだろうか......。



「じんぶんや」とは?

jinbunya.gifこんにちは。じんぶんやです。
2004年9月、紀伊國屋書店新宿本店5階売場に「じんぶんや」という棚が生まれました。

「じんぶんや」アイデンティティ1
★ 月 が わ り の 選 者
「じんぶんや」に並ぶ本を選ぶのは、編集者、学者、評論家など、その月のテーマに精通したプロの本読みたちです。「世に溢れかえる書物の山から厳選した本を、お客様にお薦めできるようなコーナーを作ろう」と考えて立ち上げました。数多の本を読み込んだ選者たちのおすすめ本は、掛け値なしに「じんぶんや」推薦印つき。
「じんぶんや」アイデンティティ2
★ 月 が わ り の テ ー マ
人文科学およびその周辺の主題をふらふらと巡っています。ここまでのテーマは、子どもが大きくなったら読ませたい本、身体論、詩、女性学...など。人文科学って日々の生活から縁遠いことではなくて、生きていくのに案外役に立ったりするのです。

ご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いします。
「じんぶんや」バックナンバー
こちらのページから今までの「じんぶんや」をご覧いただけます。


2012.01.31 特集[TOP]  人文 社会 旬な人 東京 佐藤信 政治学 60年代のリアル

<