おばけ、昔話、学校の怪談...こどもが大好きなこわい本、あつめました。
先日、「日本の夏は文庫の夏!」と題した特集を掲載しましたが、もう一つ書店に関わりが深い夏の風物詩に
怪談本があります。
その名もまさしく「日本の夏、ホラーの夏」というミニフェアを開催している笹塚店をはじめ、書店の店頭では夏になると、しばしば怪談やホラーを集めたフェアを行います。
ところで、私にとって怪談や怖い話がもっとも恐ろしくも面白く、身近なものとして感じられた時代は、こどもの頃でした。学校の先生が話してくれた「実際にあった怖い話」にクラス中、息をつめて聞きいったり、ひとり留守番をしている家で物音がする度におびえたり、たとえおはなしのなかでもそれは、日常と地続きにつながった世界でした。
今回ご紹介するのは、こどもに人気のこわい本。現在、子供向けのこわい本を集めてブックフェアを開催中(8月25日まで)の玉川高島屋店児童書担当の協力のもと、フェアのラインナップから、子ども向けのこわい本を、「おばけが出てくる絵本もの」、「昔ながらの怪談もの」、「学校の怪談もの」の3つに分けてご紹介します。
玉川高島屋店スタッフの話でも、とにかくこどもはこわい話の本が大好き。売場でも、お父さん、お母さんが買ってあげるよりも、お子様のほうから本をねだって買ってもらうことが多いそうです。残りわずかの夏休み、お子様にぴったりのこわい本をみつけて、プレゼントされてみてはいかがでしょうか。
その1 おばけが出てくる絵本もの
おばけが登場する絵本、と聞いて『おばけのバーバパパ』がまっ先に浮かんでしまった私でしたが、調べてみると、国内でもコンスタントに新作 が登場しているジャンルのようです。必ずしも怖いおばけばかりではないのが特徴で、かわいいおばけ、情けないおばけ、おかしなおばけ、やさしいおばけ...と、作品ごと、ユニークなおばけを楽しむことができます。
スーパーでみつけた「ゆうれいなっとう」はしでぐるぐるかきまぜて、ねばーっといとをひいたら...こわくておいしいなっとうどうぞめしあがれ。
[BookWeb書誌より]
まちのうらみちにあるひぽつんとたてられた『めしやかいてん』のたてかんばん。
ふらりとひとりのおきゃくがやってきた。
「これはかくれためいてんか?」そっとあおいのれんをくぐってみると...。
[BookWeb書誌より]
死んじゃったはずのおじいちゃんが夜になって、エリックのところへやってきました。
だけど、なんだかちょっとヘン...。
大切だけど、ちいさな子には少しむずかしいことを、じいじとのユーモアたっぷりの会話から理解していくエリックの姿が心に沁みるデンマークの絵本。
[BookWeb書誌より]
その2 昔ながらの怪談もの
日本の怪談は、古くは平安時代の古典文学から存在し、江戸時代になると日本三大怪談と呼ばれる四谷怪談、皿屋敷、牡丹燈籠が誕生。歌舞伎の題材にも取り上げられる人気ジャンルでした。
「とざい、とうざい。かるわざしのそうべえ」の語りだしが有名な『じごくのそうべえ』をはじめ、昔の落語や怪談を元に、可笑しみのあるアレンジを加えた作品も多く、楽しく、日本の古典に親しむことができます。
「おいてけぼり」「あしあらいやしき」「おくりちょうちん」...ほか、江戸時代からつたわるきみょうで不思議な怪談七話。
[BookWeb書誌より]
上方落語『地獄八景亡者戯』―古来、東西で千に近い落語がありますが、これはそのスケールの大きさといい、奇想天外な発想といい、まずあまり類のない大型落語です。
これを絵本に...という企画を聞いた時、これは楽しいものになると思いましたが、えんま大王、赤鬼青鬼、奪衣婆、亡者...いずれも予想に違わぬおもしろさです。
上方落語「地獄八景」を題材とした全編これギャグの連射砲!軽業師そうべえが地獄を笑い飛ばす、瞬間芸ばかりの現代「お笑い」には無い、ヘヴィな笑い。迫力の型絵染めと関西弁のテンポが快感。ピンク鬼がおちゃめ。
[BookWeb書誌より]
ぱっちりとみひらかれた目が,ひざがしらからすねにかけてずらっと......。こ~んなこわい話が13編も収められています。
[BookWeb書誌より]
その3 学校の怪談もの
トイレの花子さん、目が動く音楽室のベートーヴェン、走る二宮金次郎...と、昔から学校は怖い話があふれていました。こどもの世界に近い学校を舞台にした怖い話は、リアリティたっぷり。怖いもの好きのこどもなら喜ぶことまちがいなしです。
放課後、だれもいない学校のあちこちで、ほら、コトコトと音がきこえるよ。
理科室のガイコツがうごきだし、トイレには、「花子さん」があらわれる。
そのほか、「人面魚」など、こわ~い話がいっぱい。
学校にうごめく妖怪たちのこわ~い話を満載トイレの「花子さん」美術室の「モナリザの手」など、子供たちの間で噂されている多彩な学校の怪談に加えて「人面犬」「口さけ女」他現代の妖怪の話を多数紹介。
[BookWeb書誌より]
こわ~いけどおもしろい、大人気シリーズ7年ぶりの最新刊。
お話も写真もイラストも、ますますバージョンアップ。
きみはひとりで全部、読めるかな?マンガも載ってるよ。
[BookWeb書誌より]
学校の怪談ものではありませんが、主人公のケータイから恐怖体験がはじまる、現代のこどもたちの日常にも通じて怖さが倍増しそうな2010年の比較的新しい作品。挿絵の描写がリアルなのも不気味さを増しています。
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少年のところへかかってきたケータイ。
あやしげなノイズが混じっている。
...もしもし...このケータイ、どこにつながっているの?かかってくるはずのない電話、呼びだし音が...きみをよぶ...。
[BookWeb書誌より]
児童書担当のイチオシ本
最後に、今回玉川高島屋店のこわい本フェアを企画した児童書担当・村山に、特にイチオシの本を4冊、対象年齢別に挙げてもらいました。
赤ちゃんから幼稚園低学年向け、お化けの絵本でいちばんの定番としておすすめしてもらったのは『ねないこだれだ』。1969年刊行の作品のロングセラー商品。イラストが味わい深く、いま見ても古びて見えません。
こんな時間におきてるのだれだ? ふくろうにどらねこにどろぼう......。そうら、もうおばけの時間なのに??。
[BookWeb書誌より]
幼稚園年中以上向けというおすすめは『こびとづかん』。登場するのはおばけではなくこびと...ですが、独特すぎるタッチのこびとたちがとにかくこわい!きもちわるい! ここ数年、最も勢いがある「こわい本」。大人の方でも、イラストがツボに入る方、多数です。
みんなはコビトを見たことがありますか?昆虫でも植物でもない不思議な生きもののこと。
僕もそんなもの見たことなかったけれど、ある日知ることになったんだ。
[BookWeb書誌より]
小学生へのオススメは昨年、アニメ化で爆発的に売れた「怪談レストラン」シリーズ。1冊のなかには複数の作家さんによる怖い話がつまっていて、それがなんと、50巻まで続いています。オムニバス形式でさまざまなテイストの怖い話がたくさん読めるのがポイント。お話によっては結構怖いので、親子で楽しめます。
テープレコーダーを持って幽霊屋敷に入ったら、幽霊の声が入ってた! 13編の怖い話を収録。
[BookWeb書誌より]
最後は小学校高学年から大人まで楽しめる作品。発表以来繰り返し読まれてきた小川未明の名作童話と、酒井駒子さんのイラストがハーモニーを奏でる『赤い蝋燭と人魚』。美しい絵とは裏腹に、蝋燭屋の夫婦と、ふたりに育てられる人魚の子どもの物語は恐ろしくも悲しく、衝撃的なラストを迎えます。
「よるくま」の酒井駒子が贈る、小川未明童話。新しい「赤い蝋燭と人魚」。
小川未明の代表作に、「よるくま」で人気の酒井駒子が絵をつけました。新しい未明童話が味わえます。
[BookWeb書誌より]
スタッフによれば、今回のフェアではあえてお化けに縛られず、怖い本を幅広くあつめることを意識したそう。その結果、通常ならこわい本として扱われない『こびとづかん』や、名作『モチモチの木』(木版画の独特の表情、今も脳裏に焼き付いています)、そして、まだ評価の定まっていない新作もラインナップに入っています。
勇気のある子には、夜中にモチモチの木の灯がみえると、じさまは弱虫の豆太にいった・・・。 [BookWeb書誌紹介より]
「ボクもワタシも大好き!お化け&怖い話フェア」(子ども向け)
会 期 2011年7月30日(日)~8月25日(木)
場 所 紀伊國屋書店玉川高島屋店
取材協力 玉川高島屋店児童書担当 村山 康隆
紀伊國屋書店に入って3年半、入社以来玉川高島屋店の児童書担当。好きな本は伊坂幸太郎の『チルドレン』。エンタメ中心に、ミステリーから、ノンフィクション、新書、たまには宗教色のあるものまで幅広く読んでいます。
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【おまけ&予告編】玉川高島屋店、8月26日からは怖い話フェア《大人版》!
玉川高島屋店では、こども向けのフェアが終わるとすぐ、今度は大人向けのこわい本フェアを開催します。大人向けこわい本フェアでは、スタッフがお気に入りの怪談本、ミステリー、ホラー、怪奇小説を出しあってつくる予定。一体どんなラインナップになるのでしょうか。本日は、フェアに並ぶ予定の本から3点だけ、選んだスタッフのコメントともにご紹介します。
死ぬことよりも生き残ることの方が怖い。動物も植物も、そして文明も消滅した世界では、生き残った人間が略奪や殺人を犯す。
タイトルの「道」は、荒廃した世界を父と子がひたすら南へ逃れる旅路だ。派手な逃走劇もサバイバルゲームもない。
父が幼い息子に静かに語りかけるシーンが多い。その言葉から、人が最後まで失ってはならないものが見えてくる。
(玉川高島屋店 R.A.)
この作品は未来のある「街」を舞台にしたSF小説です。
街に住むものは皆、「塔」という巨大なコンピュータに管理され、道ばたの石ころ一つにいたるまで監視されています。
しかし、合理性の固まりのような超管理社会でありながら街では悪夢めいた奇妙なできごとが起こるのです。
一つ一つのお話は4~5ページのショートショートなのですが、そのどれもがぞわりと不安をかきたてる威力を持っています。
幽霊も妖怪も出てきませんが、都市伝説的な怖さを求める方におすすめです。
(玉川高島屋店 A.S.)
「私は家族を焼き殺された。」
『でろでろ』(ヤンマガKCデラックス)の作者押切蓮介氏の衝撃作。前作のギャグ漫画とはうって変わった作風にはまず驚きます。多才だなぁ。愛情と狂気は紙一重。真っ白な雪原に飛び散る鮮血が印象的です
※精神が元気な時に読むことをお勧めします。
(玉川高島屋店 髙橋浩樹)
紀伊國屋書店玉川高島屋スタッフが選ぶ怖い話フェア《大人版》(仮)
会 期 2011年8月26日(金)~9月21日(水)
場 所 紀伊國屋書店玉川高島屋店
こちらのフェアにもぜひ、お立ち寄りください!
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紀伊國屋書店玉川高島屋店はこんなお店!
今年で42年目を迎える玉川高島屋店は、紀伊國屋書店の中でも老舗の部類に入るお店ですが、店内はぬくもりある落ち着いた色調でまとめられていて、ゆったり本を選べる空間です。(現在の店長・丸山も、玉川高島屋店に着任した際、高級感ある店内に驚いたとか。)
そのほか詳しくは 【玉川高島屋店】店長からのごあいさつ をご覧ください。
(編集部 須賀喬巳)





















