2011年本屋大賞、受賞式に行ってきました!
日本全国津々浦々、アルバイトでもパートでも、書店員であれば誰でも投票できる「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」の本屋大賞。今回の特集では、2011年本屋大賞受賞作、ノミネート作を、一挙にご紹介。さらに今回は、4月12日に行われた本屋大賞授賞式の様子も一緒に、お楽しみください!
本屋大賞公式サイト 本屋大賞とは?
■本屋大賞受賞! 『謎解きはディナーのあとで』東川篤哉さんインタビュー
8回目を迎えた2011年本屋大賞は東川篤哉さんの『謎解きはディナーのあとで』! 東川さんは2002年のデビュー後、一貫してユーモアミステリーを書かれてきた方ですが、『謎解きはディナーのあとで』がじわじわと話題を読んで大ヒット。本屋大賞には初ノミネートで、見事、大賞を獲得。東川篤哉さんには今回なんと! 授賞式の開催直前に直接お話を伺うことが出来ました。
――本屋大賞受賞、おめでとうございます! 受賞された本屋大賞ですが、これまでどんなイメージをお持ちでしたか?
『謎解きはディナーのあとで』は、書店員の方がとても好意的に販売してくださって、作者としては思いもよらない大きな賞をいただくことができました。なにかまちがってるんじゃないかな...と(笑)。本屋大賞はまったく別世界の賞と思っていましたし、本屋大賞に限らず、ユーモアミステリーを書いてなにか賞をいただけるなんて、考えもしませんでしたから。
――『謎解きはディナーのあとで』、お嬢様の麗子と執事の影山の掛け合いが軽妙で、とても引きこまれます。あのあたりは楽しまれて書かれたのですか。苦労されることもあったのでしょうか。
サラッと書けることもあるのですが、苦労するときは苦労します。連載第1話でああいうキャラクターで書いたので、2話目以降もそれで続けることにしたのですが...、書いているうちに暴言のパターンがなくなってきてしまって大変でした(笑)。
――本屋大賞受賞作は今まで多くの作品が映画化されています。2002年のデビュー作『密室の鍵貸します』も映画を連想させるタイトルですが、東川さんはどういった映画が好きですか? 『謎解きはディナーのあとで』はお嬢様と執事が主人公ということで、一部では早くも役者さんに注目が集まっていますが、イメージされた女優さん、俳優さんがいたりするのでしょうか。
「冒険者たち」(ロベール・アンリコ監督作品、アラン・ドロン、リノ・ヴァンチュラ主演、1967年フランス映画)という映画が好きです。あのテーマ曲もいいですし。それから、これはお嬢様の麗子、執事の影山、上司の風祭警部が活躍する『謎解きはディナーのあとで』と共通するところでもあるのですが、男ふたりと女ひとりが活躍する話が好きなんですね。とはいえ『謎解きはディナーのあとで』については具体的な映像化のイメージを持って描いたわけではないので、まぁ...、美男美女にやってもらいたいなぁ、と思っています(笑)。
――実はぼく自身もそうなのですが、『謎解きはディナーのあとで』ではじめて東川さんの作品に出会った読者も多いと思います。次にオススメするなら、どの作品を薦めますか? それから、今までの作品の中で、特に苦労された作品、思い入れのある作品があれば教えてください。
『謎解き~』の次はぜひ、新作の『放課後はミステリーとともに』を読んでいただければ嬉しいです。作者としても自信を持っておすすめできる作品です。
これまでの作品で特に苦労したのは『ここに死体を捨てないでください!』ですね。ドタバタコメディが繰り広げられて、最後まで読んでいただくとありえないトリックが待っている、という作品ですが、そのラストまでたどり着くのが大変で......。何度も書きなおしてやっと完成したので、その分思い入れがあって、ぜひ読んでもらいたい作品です。今度、表紙を変えることになって、先日それを見たのですが、すごくいいんです。その表紙が気に入ったら、ぜひ手にとっていただきたいと思います。
*『ここに死体を捨てないでください!』は2011年4月13日現在、品切れ中です。
――本屋大賞受賞ということで、これからますます『謎解きはディナーのあとで』をはじめ、東川さんの作品が書店の店頭に並ぶことが増えると思います。書店にむけて、なにかメッセージやリクエストがあればお願いします。
じつは、「東川篤哉コーナー」みたいな棚をつくってもらいたいなぁ、とずっと思っていたのですが、『謎解き~』が売れたのを機に、最近はコーナーを作ってもらえることも増えて、とても嬉しいです。やって欲しかったことはもうやってもらえるようになったので、これで十分。望むものはありません (笑)。
デビュー時から大好きな東川さんが本屋大賞に! 祝杯だ! ドSな執事とお嬢様刑事が事件を解決するユーモアミステリ。自分をアホ呼ばわりする執事をクビにしたいが推理力は手放せないお嬢様のジレンマと、二人の会話が爆笑を誘います。
(新宿本店 M・T)
私立鯉ケ窪学園高等部副部長・霧ケ峰涼の周辺にはなぜか事件が多発する。校舎から消えた泥棒、クラスメ-トと毒入り珈琲一族との関わり、校外学習のUFO騒動―はたして解決できるのか...。鯉ヶ窪学園高等部の放課後は謎の事件でいっぱい。探偵部副部長・霧ヶ峰涼のギャグは冴えるが推理は五里霧中。果たして謎を解くのは誰?
授賞式のスピーチでは、「『謎解きはディナーのあとで』がヒットしてから、「ユーモアミステリー」というジャンルも少し注目してもらえるようになったように感じます。その意味で、本格ミステリーであり、ユーモアミステリーである『謎解きはディナーのあとで』でこういった賞をいただけて、ほんとうによかった」と挨拶された東川篤哉さん。これからも「ネタ切れにならない限りはユーモアミステリーを続けたい」と語ってくださいました。近々刊行される予定の作品では、「お嬢様と執事」に代わる、新しいキャラクター設定にも挑戦したとのこと。新しい謎とユーモア、たのしみにお待ちください!
■本屋大賞第2位『ふがいない僕は空を見た』窪美澄さんにも!
本屋大賞発表のセレモニーを終えて会場をふらふらしていたら、デビュー作にして2010年刊行の単行本『ふがいない僕は空を見た』が堂々の第2位に入賞された窪美澄さんの姿を発見! 新宿本店のスタッフとのお話中におじゃまして、直接お話を伺ってみました。
――本屋大賞第2位、おめでとうございます。どんなふうに感じられていますか?
ど新人、名もない作家の本がノミネートされた時点でありえないことですから、とても感謝しています。当初から、目利きの方にすごく推薦していただいたり、書店員の皆さんの追い風がとてもあたたかくて、その追い風にあおられるままに、というかんじでしょうか。書店員の方から「やっぱり大賞とってほしかった」、という声を聞くと、やっぱりとりたかったな、と思ったりしますが、自分としては十分過ぎるくらいで、ほんとうにうれしいことです。
――『ふがいない僕は空を見た』は性がテーマの中心に据えられていますが、今後もこういったテーマで書き続けていかれますか?
実は、いま書き下ろしで書いている長編があります。「生きづらさ」を感じている人のための話、というのはやっぱり共通しているのですが、その作品ではセックスや妊娠、出産は触れていないんです。妊娠・出産は得意なフィールドなので、それはそれで武器として残しつつ、違う切り口のものも、書いていきたいと思っています。
2011年本屋大賞第2位!
「新人だし」「この書き出しだし」なんて躊躇してたら、もったいない! いい小説です。保証します。
(新宿本店 今井麻夕美)
デビュー作とはいえ、『ふがいない僕は空を見た』はずしりと心に残る、読み応えのある作品。窪美澄さん、次回作がどんなものになるのか、とても楽しみです。
■面白い作品はまだまだたくさん。本屋大賞ノミネート作品
賞というのはえてして大賞ばかりに注目が集まりがちなものですが、本屋大賞は、なんといっても"本の目利き"である書店員が面白い本を見つける企画。大賞だけ読んでおしまい、ではもったいない。第2位の『ふがいない僕は空を見た』のみならず、ノミネート作品の中には面白い本がまだまだたくさん。「ノミネート作品を全て読んでいることが条件」の2次投票まで本屋大賞に参加している新宿本店のスタッフのコメントもあわせて、ぜひチェックしてみてください!
2011年本屋大賞第3位!
(新宿本店 小出和代)
2011年本屋大賞第4位!
作田又三───この主人公の名は、日本小説史上語り継がれるに違いない。
又三を見よ。自分に正直に生きるとは、こんなにも危険で下品で破天荒で、そしてずぶとく傷だらけになること。でも、とてつもなく魅力的だ。
いまだかつてない怪物的青春小説!
(新宿本店 今井麻夕美)
2011年本屋大賞第5位!
(新宿本店 平野高丸)
2011年本屋大賞第6位!
(新宿本店 平野高丸)
2011年本屋大賞第7位!
徹頭徹尾「悪」のエンタテイメント!
蓮見聖司の所業に目を背けつつも、湧き上がるこの興奮はなんなんだ。
カタルシスの後に現れるのは、予想だにしなかったラスト1ページ。きっと総毛立つはず。
(新宿本店 今井麻夕美)
2011年本屋大賞第8位!
泣くよ、と言われて構えていたのにまんまと泣かされました。きれいごとかもしれないけれど、できればそうあってほしいとどこかで願っている、医療現場のひとつの理想が描かれています。イチ先生たちの軽妙な会話を楽しみつつ......後半は人前で読まないようにご注意を!2巻から読んでも大丈夫ですが、1巻を先に読むと人間関係分かりやすいです。
(新宿本店 小出和代)
2011年本屋大賞第9位!
(新宿本店 小出和代)
2011年本屋大賞第10位!
(新宿本店 小出和代)
■特別企画「中2男子に読ませたい! 中2賞」
さて、今回の本屋大賞で個人的に「これは!」と注目していたのがこの企画。
中2男子におすすめしたい本を書店員が推薦。実在の中2男子3名が、投稿したコメントをすべて読んだうえで、彼らが最も読みたいと思った本を2冊選んでもらい、中2賞としました。
「本の雑誌増刊号 本屋大賞2011」によれば、「もっとも多感な時期でありながら本とは縁遠い中学2年生男子のために、いまのうちに読んでおいたほうがいいと思う本を全国の書店員がおすすめするチュウボウ応援企画」というやたらにおせっかいなこの企画、書店員のただごとでない中2愛を感じます。「中2病」な大人たちのことも大好きですよね、きっと。
ちなみに、右の写真が今回「中2賞」の選考をした中学2年生の三人。「本の雑誌増刊号 本屋大賞2011」には3人の選考過程も座談会形式で収録されています。
というわけで、注目の受賞作はこちら!!
・・・とのことですが、「ネタ本」のようでいてけっこう侮れない、毎日を輝かせるヒントが詰まっています。ありふれた日常もちょっと視点をずらせばドキドキが止まりません。
■実は、「発掘部門」も目が離せません。
本屋大賞には実は、「発掘部門」があったのをご存知でしょうか?
こちらは「既刊書籍の中から、埋れているけどもっと売りたい!」というコンセプトで、2009年11月以前に出た本の中からノンジャンルで選ばれています。本屋大賞ノミネート作品はどうしても、書店店頭で売れているものが中心になりますが、こちらはまさに「埋れている」名作たち。でもたくさんありすぎて、この場では紹介しきれません。「本の雑誌増刊号 本屋大賞2011」にすべて掲載されていますので、ぜひチェックしてみてください!
■全国の紀伊國屋書店...のみならず、全国書店店頭で! ただ今「本屋大賞」フェアを実施中!
本屋大賞の受賞作『謎解きはディナーのあとで』をはじめ、ノミネート作品もあわせ「2011年本屋大賞」フェアを実施中です! 紀伊國屋書店の新宿本店では本日4月13日から少なくとも4月末まで、もしかしたら5月中旬まで展開するそう。気になる本が見つかったら、ぜひ書店店頭までお越しください!
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(編集部 須賀喬巳)




















