はじめての「岡本太郎」~生誕100年を迎えて
大阪万博のシンボル「太陽の塔」や、メキシコで奇跡的に再発見された「明日の神話」などの強烈な美術作品はもちろん、「芸術は爆発だ!」をはじめとする刺激的な発言でも知られた芸術家・岡本太郎。その生誕100年を記念して、東京国立近代美術館では、2011年3月8日から5月8日にかけて「生誕100年 岡本太郎展」が行われます。
展覧会をはじめ、「TARO100祭」(岡本太郎生誕100年記念事業公式サイト)という統一名称のもとで記念イベントがいくつも開催され、このロゴマークがついた本も、出版社の壁を越えて刊行されています。これらを含む岡本太郎をめぐる本を、「作品を見る」「文庫本で読む」「生涯を知る」という三つの切り口からご紹介します。
(編集部 A.N.)
■「岡本太郎」の作品を見る
芸術家・岡本太郎の作品を一から知りたい人には、さまざまな雑誌の「岡本太郎」特集号が近道。多岐にわたる彼の活動の「全貌」を知りたいという人には、ボリュームたっぷりの作品集も刊行されています。
「岡本太郎の全貌を網羅する最大の作品集!!」と銘打った生誕100年記念出版企画。絵画、彫刻、写真、ドローイングなど約200点の主要作品を大画面で収録し、圧倒的ボリュームで迫ります。監修と巻末解説は椹木野衣、デザインは祖父江慎+佐藤亜沙美(コズフィッシュ)。2011年7月31日までは刊行記念特別定価です。
1979年に刊行された岡本太郎の作品集が、現在の高画質のカラー印刷によって鮮やかに甦りました。初期から晩年までの傑作85点が大画面で見ることができるほか、インダストリアルデザイン、パフォーマンス、モニュメントなど192点と、岡本太郎による序文「対極」が収録されています。
いくつもの雑誌が岡本太郎の特集号を組んでいます。ここで紹介するのは『別冊太陽』の「岡本太郎 新世紀」ですが、このほか『美術手帖』(2011年3月号)、『芸術新潮』(同)、『Casa BRUTUS』(2011年4月号)も見逃せません。
岡本太郎の代表作といえば、何と言っても1970年の大阪万博のシンボルマークとなった「太陽の塔」。その全貌を、初公開となる初期スケッチや写真、説計図などから徹底的に解き明かしたビジュアルブックです。
■「岡本太郎」を文庫本で読む
岡本太郎の著作の多くは、文庫本で読むことができます。展覧会や記念館へ作品を見に行くときは、お気に入りの一冊をもって行きましょう。
文庫版による決定版著作集「岡本太郎の宇宙」(全五巻)の第一弾。ベストセラーとなった「今日の芸術」全篇のほか、詩や評論、座談会や対談など多様な文章が収録されています。岡本太郎の芸術を理解する重要なキーワードである「対極と爆発」を理解するのにうってつけの一冊。
あまりにも有名な「芸術は爆発だ!」をはじめ、岡本太郎は数々の名フレーズでも知られ、彼の「語録」はいくつも刊行されています。芸術について、恋愛について、そして自分自身について太郎が語った言葉の背景を、パートナーだった岡本敏子さんが丁寧に解説したこの本もその一つ。岡本太郎の伝記としても読むことができます。
岡本太郎は縄文時代の美を見出したことでも知られています。本人の撮影した写真多数を収録したこの本は、岡本太郎による日本美術論の決定版。同じ光文社知恵の森文庫では、他に『今日の芸術』、『芸術と青春』もロングセラーになっています。
■「岡本太郎」の生涯を知る
漫画家の岡本一平と作家の岡本かの子の間に生まれた太郎少年は、特異な子供時代を送りました。岡本太郎の作品を理解するためには、波乱にみちた彼の生涯を知ることも大事です。
岡本太郎の終生にわたる良きパートナーであり、太郎の没後は岡本太郎記念館長としてその偉業を伝えてきた岡本敏子さんが、二人の関係を題材に77歳で初めて書いた、瑞々しくも激しい恋愛小説。巻末によしもとばななさんとの対談「岡本太郎は生きている」も収録されています。
終生のパートナーだった岡本敏子さんの「最後の語り下ろし」となったこの本は、岡本太郎伝の決定版。子供時代から、戦前のパリでの生活、戦争時の従軍体験、戦後の華やかな活躍と二人の出会い、代表作「太陽の塔」「明日の神話」をめぐるエピソードにいたるまでが、岡本太郎伝説の語り部ならではの生々しさで伝わってきます。
『日本・現代・美術』という著作で知られる美術評論家による長編評論であるこの本は、岡本家の三人(一平・かの子・太郎)のお墓の話から始まります。笑った子供のように見える太郎の墓は、何を伝えようとしているのか。この問いから生涯にわたる作家の苦闘を読み解き、現代における芸術の役割を説くスリリングな岡本太郎論です。














