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【じんぶんや第61講】 高原基彰選「『現代日本の転機――「自由」と「安定」のジレンマ』を読むための34冊」

高原基彰さんエッセイ「『現代日本の転機――「自由」と「安定」のジレンマ』を読むための34冊」

takahara.jpg 昨年、政権交代直前のタイミングで『現代日本の転機』という本を上梓させて頂いた。執筆中の大半は、韓国および中国に滞在中で、いわば外から日本を見つめ直した本だった。  この本を書いた目的の一つは、「ここ30年の日本の出来事を『歴史化』して認識し直す」ということだった。主旨を要約すれば以下のようになる。 日本における支配的な自画像というのは「歴史(の変化)なき超安定社会」を目指す「右ヴァージョンの反近代主義」にあった。それに反対する議論は「超安定社会は気持ちが良くない」と言いつつ、労働や国家すべてを否定して「見果てぬ夢」を語る「左ヴァージョンの反近代主義」に収斂していった。これら両極端な立場に二元化した思想状況の中で、先進国全般に生じた70年代以後の社会変動――福祉削減、格差拡大、雇用環境悪化といったこと――に対する、有効な思想が左右双方から提示されなかったのではないか。

 その間に、誰からも異議が申し立てられないままパート・アルバイトといった不安定低賃金雇用が増大し、下請け構造への適応を進めていた中小企業がハシゴを外される形で苦境に陥り、さらにまた中央からの配分に最適化を進めていた「地方」もハシゴを外されることとなった。これらの問題は、70~80年代の時点で日本を主導した社会構想――つまり「右ヴァージョンの反近代主義」――が中途で放棄されたことによるものであり、それを代替する構想が実質的には何もなかったことによるものである。  この構図が基本的に変わらないまま、思想とも民意とも関係のなく、経済団体の方針転換を主なきっかけとして日本における新自由主義が進行していく。この過程は、思想的言説も反省的に捉えることができなかったし、一般の国民にとっては単なる「天災」と同じ、自分の主体的な意思選択とは何も関係のないものだったのではないか。

 以上のようなことを、いろいろな文献資料を用いながら述べたのが拙著『現代日本の転機』である。過去を批判しただけだというお叱りも受けるのだが、過去にまつわる資料を読みながら私自身がいつも感じていたのは、日本においては何の話題についても、いつのまにか黒か白かを争う党派が形成され、いずれかの陣営の味方をすることが自己目的化されていく。その中で、批判されるべきことが批判されないまま、問題が単に忘れ去られていき、同じ問題についてまた別角度の党派が形成されて無駄な論争を繰り広げる、ということが繰り返されていったことである。私自身は現在でも同じようなことが続いていると思っていて、だからこそ党派性の中で論じられずに来た「問題そのもの」がどこにあったのかを、抽出しようと試みたつもりである。

 今回のフェアでは、主に拙著を書く際に大いに参考にし、また引用もさせてもらった本が中心になっている。どれも、それぞれの角度から戦後日本を考える際に有用な本ばかりである。他に、最近私自身が興味を持っている、「党派性を超えた所で物事を考える際の指針」とでもいうべき社会規範に関する議論もいくつか入れさせて頂いた。

 民主党政権は、自民党政権では対処できなかった諸問題の解決を期待されつつ成立したが、現在では「結局以前と同じ」という失望が蔓延している。しかしそもそも、我々は政府や国家といったものに何を期待すべきであり、何については国家から自由な個人が対処すべきなことなのだろうか。こうした議論が深まらないまま抱かれる期待も失望も、生産的な結果をもたらす可能性は低い。こうした閉塞感からの突破口をもたらすものが思想の力であるはずで、そうした思想が練り上げられるためには表面的な利害や党派性を超えた、批判を恐れぬ構想力が必要なはずである。そうした構想のために「使える」本を、ピックアップした。

【高原 基彰】


高原基彰(たかはら・もとあき)さんプロフィール

1976年神奈川県生。東京大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。 日本・韓国・中国の開発体制の変容とグローバリゼーションにともなう社会変動を研究。 著書に『現代日本の転機』(NHKブックス)、『不安型ナショナリズムの時代』(洋泉社新書y)。 共著に『自由への問い 第六巻 労働』(岩波書店)、『思想地図Vol.1』(NHK出版)、『若者の労働と生活世界』(大月書店)など。

現代日本の転機 「自由」と「安定」のジレンマ

現代日本の転機 「自由」と「安定」のジレンマ

高原基彰 / NHK出版
2009/08出版
ISBN : 9784140911402
¥1,124 (税込)

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今日、すべての人が被害者意識を抱え、打ちひしがれている。 現代日本を覆うこの無力感・閉塞感はどこから来たのか。 石油危機に端を発する「七三年の転機」を越えて「超安定社会」というイメージが完成した七〇年代から、バブル景気を謳歌した八〇年代を経て、日本型新自由主義が本格化する九〇年代、二〇〇〇年代まで。 政治・経済システムの世界的変動を踏まえながら、ねじれつつ進む日本社会の自画像と理想像の転変に迫る。 社会学の若き俊英が描き出す渾身の現代史、登場。


高原基彰さん選書リスト

新・日本の経営

新・日本の経営

ジェ−ムズ・C.アベグレン、山岡洋一 / 日本経済新聞出版社
2004/12出版
ISBN : 9784532311889
¥1,890 (税込)

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高原基彰さんコメント 異説はあるが、「日本的経営」という概念を最初に作ったとされる本。イメージと異なり、日本的経営に対して肯定的な評価より批判的な記述が目立つ。なかでも、そもそも最初からそれが「平等」をもたらすものではなかったという指摘に注目。

開発主義の暴走と保身 金融システムと平成経済

開発主義の暴走と保身 金融システムと平成経済

池尾和人 / NTT出版
2006/06出版
ISBN : 9784757140981
¥2,520 (税込)

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高原基彰さんコメント 戦後日本なるものを形成した最大のインフラである金融システムと、その上に形成された「護送船団方式」とは何であったかを、包括的に解説した本。類似の新書などを何十冊読むより、腰を据えてこの本を読む方がいい。

アメリカ大都市の貧困と差別 仕事がなくなるとき

アメリカ大都市の貧困と差別 仕事がなくなるとき

ウィリアム・ジュリアス・ウィルソン、川島正樹 / 明石書店
1999/03出版
ISBN : 9784750311418
¥5,040 (税込)

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高原基彰さんコメント 貧困層研究で有名なアメリカの社会学者の本。「人種」「弱者」のみにこだわるリベラルも、自己責任ばかり強調する保守も、どちらも根源的に間違っていると喝破し、包括的な「包摂」を訴えている。

現代日本の中小企業

現代日本の中小企業

植田浩史 / 岩波書店
2004/03出版
ISBN : 9784000270434
¥2,520 (税込)

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高原基彰さんコメント 戦後日本における中小企業とは何か、その来歴を概観できる好著。下請け構造が完成していく以前と以後、その間の幾重もの中間段階、各段階における問題点が、分かりやすく整理されている。

家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平

家父長制と資本制 マルクス主義フェミニズムの地平

上野千鶴子 / 岩波書店
2009/05出版
ISBN : 9784006002169
¥1,365 (税込)

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高原基彰さんコメント 現代に続く、日本のフェミニズムの論調を決定づけた本の一つだと思う。その賞賛や批判を自己目的化するのではなく、その洞察の深さと、それがえぐり出す歴史的文脈を認識するために、読まなければならない。

日本政治の対立軸 93年以降の政界再編の中で

日本政治の対立軸 93年以降の政界再編の中で

大嶽秀夫 / 中央公論新社
1999/10出版
ISBN : 9784121015013
¥798 (税込)

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高原基彰さんコメント 『現代日本の転機』執筆にあたり最も影響を受けた(そして引用も多い)本の一つ。自民党下野から構造改革路線が登場する過程において、政治が現代的課題を取りこぼしていく様が鮮烈に描写されている。

〈民主〉と〈愛国〉 戦後日本のナショナリズムと公共性

〈民主〉と〈愛国〉 戦後日本のナショナリズムと公共性

小熊英二 / 新曜社
2002/10出版
ISBN : 9784788508194
¥6,615 (税込)

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高原基彰さんコメント 文献資料を基にした記述で日本史を覆い尽くそうとする小熊英二が、足取りを戦後に踏み出した本。著者と私の戦後日本に対する認識は、かなりの程度通底していると、私は勝手に思っている。

社会学の思想

社会学の思想

長谷川公一(1954−)、藤田弘夫 / 青木書店
1999/06出版
ISBN : 9784250990076
¥5,880 (税込)

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〈2〉
高原基彰さんコメント 「流動化」、「社会分断」とは何かを考える時にはずせない、世界で最も著名な社会学者の一人。これはその、日本オリジナル編集の論文集。マルクス経済学の影響が強かった著者のキャリア初期から、思考が発展していく様子が分かる。

「小泉改革」とは何だったのか 政策イノベ−ションへの次なる指針

「小泉改革」とは何だったのか 政策イノベ−ションへの次なる指針

上村敏之、田中宏樹 / 日本評論社
2006/06出版
ISBN : 9784535584747
¥1,995 (税込)

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高原基彰さんコメント 一般向けの本として、最もよく「小泉改革」の背景と内容を整理した本だと思う。基本的にその推進を目指した側の視点で書かれているが、何を反省すべきなのか考えるためにも、今こそ読むべき。

財界とは何か

財界とは何か

菊池信輝 / 平凡社
2005/10出版
ISBN : 9784582832853
¥1,785 (税込)

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高原基彰さんコメント 戦後日本において最も重要なアクターの一つでありながら、あまり正面から取り上げられることのなかった経営者団体、「財界」の通史と変遷を描いた本。

左派右派を超えて ラディカルな政治の未来像

左派右派を超えて ラディカルな政治の未来像

アンソニ・ギデンズ、松尾精文 / 而立書房
2002/12出版
ISBN : 9784880592961
¥3,990 (税込)

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高原基彰さんコメント 現代の代表的社会学者である著者の、数多い著作の中で個人的に一押しの本。こういう抽象度の高い議論、そして目先の党派など超えた次元の議論が、(ブレア)政権のブレーンによって書かれている。

日本のバブル

日本のバブル

衣川恵 / 日本経済評論社
2009/06出版
ISBN : 9784818820654
¥2,625 (税込)

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高原基彰さんコメント その名もずばり、日本のバブルの背景と経緯を、膨大なデータを整理しつつ、新聞記事のように客観的に記述した本。それを後から「歴史」として学ぶ時には、こうした文体の本は大変有用である。

雇用の未来

雇用の未来

ピ−タ−・キャペリ、若山由美 / 日本経済新聞出版社
2001/08出版
ISBN : 9784532149253
¥2,625 (税込)

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高原基彰さんコメント 「1973年の転機」以後に生じた雇用面での変化を、明確に新自由主義の立場から分析した本。英語圏でも左派知識人から強く批判されたようだが、そもそもこういう状況認識が共有されなければ批判も成立しない。

政治学は何を考えてきたか

政治学は何を考えてきたか

佐々木毅 / 筑摩書房
2006/12出版
ISBN : 9784480863744
¥2,940 (税込)

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高原基彰さんコメント 著者の本は絶版が多いのでこれを選んだ。リベラリズムやリバタリアニズムといった思想を、カタログ化するのとは真反対に、その複雑な深みに潜り、歴史的文脈の中に位置づけながら紹介してくれる。

雇用官僚制 アメリカの内部労働市場と“良い仕事”の生成史

雇用官僚制 アメリカの内部労働市場と“良い仕事”の生成史

サンフォ−ド・M.ジャコ−ビィ、荒又重雄 / 北海道大学出版会
2005/01出版
ISBN : 9784832953420
¥6,300 (税込)

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高原基彰さんコメント 労働社会学の泰斗が、企業の長期雇用がいかにして立ち上がってきたかを、19世紀から説き起こした本。長期雇用を全部やめて競争型社会にすれば良い、などという議論にどこか共感する人にこそおすすめ。

戦後日本経済を検証する

戦後日本経済を検証する

橘木俊詔 / 東京大学出版会
2003/01出版
ISBN : 9784130401968
¥5,880 (税込)

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高原基彰さんコメント 書名の通り、多様な経済学者が戦後日本経済を多角的に分析した大著。経済学の重鎮・吉川洋によるマクロな整理が特に有用。

日本経済 その成長と構造

日本経済 その成長と構造

中村隆英 / 東京大学出版会
1993/06出版
ISBN : 9784130420426
¥3,675 (税込)

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高原基彰さんコメント 教科書として、戦前から出版時までの日本経済が通史的に概観されている。腰を据えて読めば、基本的なファクトを押さえることができる。『戦後日本経済を検証する』とセットで読むとより視野が広がる。

一九五五年体制の成立

一九五五年体制の成立

中北浩爾 / 東京大学出版会
2002/12出版
ISBN : 9784130362122
¥6,825 (税込)

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高原基彰さんコメント 政治学における「政党史」の研究で有名な著者。この本では戦後の混乱期から「1955年体制」が立ち上がっていく様を、膨大な資料をコルクのようにびっちりと配置しながら記述していく。

新自由主義 その歴史的展開と現在

新自由主義 その歴史的展開と現在

デ−ヴィド・ハ−ヴィ、渡辺治 / 作品社
2007/03出版
ISBN : 9784861821066
¥2,730 (税込)

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高原基彰さんコメント 新自由主義批判の書として、すでに準古典的な位置づけにある。問題のありかを探る際には非常に有用。しかし日本が抱える問題の多くは、ここでハーヴェイが批判したもの「以前」の問題だと私は思う。

リキッド・モダニティ 液状化する社会

リキッド・モダニティ 液状化する社会

ジグムント・バウマン、森田典正 / 大月書店
2001/06出版
ISBN : 9784272430574
¥3,990 (税込)

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高原基彰さんコメント 「個人化」「流動化」を批判的に分析した、準古典的著作。著者は刊行当時すでに80歳近いのだが、現代の最新の状況と直面し、どこまでもネガティヴな視線で絶望のありかを掘り起こしていく。

20世紀システム

20世紀システム

東京大学社会科学研究所 / 東京大学出版会
1998/01出版
ISBN : 9784130341110
¥3,990 (税込)

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〈1〉
高原基彰さんコメント 東大・社会科学研究所による、98年刊の叢書の初巻。この叢書では、冷戦・フォーディズム・グローリゼーション等々を包括する概念として「20世紀システム」という枠組みが提唱され、個別分野の研究が配置されている。

現代政治の思想と行動

現代政治の思想と行動

丸山真男 / 未来社
2006/08出版
ISBN : 9784624301033
¥3,990 (税込)

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高原基彰さんコメント 60年代までの日本思想を「戦後民主主義」と一括りにして、その要点を「自虐史観」に求めるような思考回路がいかに短絡的か、この本を熟読するだけで十分に分かる。現代の文系学問に絶望している若者こそ読むべき。

反古典の政治経済学

反古典の政治経済学

村上泰亮 / 中央公論新社
1992/08出版
ISBN : 9784120021367
¥2,520 (税込)

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〈上〉
高原基彰さんコメント 行動する保守派知識人でもあった著者の遺作というべき大著。戦後日本思想の臨界点の一つ。その後の「右」は、彼の真意を理解しないまま表層的に追従し、「左」は、同じく表層的な彼への批判を自己目的化していった。

反古典の政治経済学

反古典の政治経済学

村上泰亮 / 中央公論新社
1992/08出版
ISBN : 9784120021374
¥3,045 (税込)

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〈下〉

ポスト戦後政治への対抗軸

ポスト戦後政治への対抗軸

山口二郎 / 岩波書店
2007/12出版
ISBN : 9784000247610
¥2,100 (税込)

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高原基彰さんコメント 本書の末尾近くまで、既存の「革新」陣営に足りなかったものを突き詰めて自己批判する作業が続く。最終章で、新自由主義に対する反撃の狼煙を上げるための条件が提示されている。

田中角栄と国土建設 「列島改造論」を越えて

田中角栄と国土建設 「列島改造論」を越えて

米田雅子 / 中央公論新社
2003/11出版
ISBN : 9784120034732
¥1,575 (税込)

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高原基彰さんコメント しばしば「土建国家」と呼ばれる日本の来歴を整理した上で、地方公共事業などの何が問題なのかを平易な文体で説き起こした本。「構造改革」が、「新自由主義の良し悪し」以前の課題であることが分かる。

ザ・ワ−ク・オブ・ネ−ションズ 21世紀資本主義のイメ−ジ

ザ・ワ−ク・オブ・ネ−ションズ 21世紀資本主義のイメ−ジ

ロバ−ト・B.ライシュ、中谷巌 / ダイヤモンド社
1991/10出版
ISBN : 9784478210185
¥2,243 (税込)

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高原基彰さんコメント 思想としての新自由主義のマニフェスト。新自由主義とは、単なる整理解雇のことではなく、新しい成長産業への資源の振り向けだった。原理的にこれを否定できる人がいるのだろうか。

セイヴィングキャピタリズム

セイヴィングキャピタリズム

ラグラム・G.ラジャン、ルイジ・ジンガレス / 慶応義塾大学出版会
2006/01出版
ISBN : 9784766411683
¥3,675 (税込)

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高原基彰さんコメント 自由な市場が途上国にまで拡大することは、搾取や破壊どころか公正な社会の実現にもつながるはずであると主張し、同時にそれが実現していない理由にも考察を加えた本。ハーヴェイ『新自由主義』と併読すると良い。

多文化時代の市民権 マイノリティの権利と自由主義

多文化時代の市民権 マイノリティの権利と自由主義

ウィル・キムリッカ、角田猛之 / 晃洋書房
1998/12出版
ISBN : 9784771010628
¥5,565 (税込)

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高原基彰さんコメント 「国民統合と多文化主義の規範」を議論する際の叩き台となる本。朝鮮学校を高校無償化に含めるかなど、現代日本でも関係のある議題は多いが、党派性ばかりが前面に出て規範が論じられることがないのはなぜか。

リベラリズムとは何か ロ−ルズと正義の論理

リベラリズムとは何か ロ−ルズと正義の論理

盛山和夫 / 勁草書房
2006/06出版
ISBN : 9784326653164
¥3,465 (税込)

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高原基彰さんコメント 日本社会学界の重鎮が、日本ではあまり馴染みがないリベラリズムの諸潮流を整理・概観した本。私自身は「1968年」の位置づけについて批判したことがあるが、それ以前に有用な情報が詰まっているので読むべき。

資本主義と自由

資本主義と自由

ミルトン・フリ−ドマン、村井章子 / 日経BP社
2008/04出版
ISBN : 9784822246419
¥2,520 (税込)

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高原基彰さんコメント 現代につながるリバタリアンの代表者。単に全部市場化すれば良いとか、社会福祉はいらないとかいう話ではない。「国家からの個人の自由」という思想的系譜の上で、より効率的な社会を目指す哲学。

公正としての正義再説

公正としての正義再説

ジョン・ロ−ルズ、エリン・ケリ− / 岩波書店
2004/07出版
ISBN : 9784000228466
¥3,885 (税込)

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高原基彰さんコメント 戦後最大の影響力を持つ政治哲学者。現代の政治哲学はロールズに対する位置取りでほぼ決まっている。時期により主張に変動があるが、この本は後期に属する本で最も分かりやすい。

自由論

自由論

アイザイア・バ−リン、小川晃一 / みすず書房
2000/06出版
ISBN : 9784622049746
¥5,880 (税込)

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高原基彰さんコメント 戦後リベラリズムの古典の一つ。「積極的/消極的自由」の区別が有名。そのキモは、国家の直接分配や弱者保護などが、倫理的に正当化できないと述べたことにあった。現代の社民主義は元来これを出発点としている。

アジアのなかの日本

アジアのなかの日本

田中明彦 / NTT出版
2007/11出版
ISBN : 9784757140936
¥2,520 (税込)

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高原基彰さんコメント アジアの周辺国と日本との、外交関係の通史を押さえる際に大変有用な本。著者が政治的活動も行う著名人であるためか、一見日本政府の公式見解を説明しているかに見えるが、巨視的な動きを概観できる数少ない本。


「じんぶんや」とは?

jinbunya.gifこんにちは。じんぶんやです。
2004年9月、紀伊國屋書店新宿本店に「じんぶんや」という棚が生まれました。

「じんぶんや」アイデンティティ1
★ 月 が わ り の 選 者
「じんぶんや」に並ぶ本を選ぶのは、編集者、学者、評論家など、その月のテーマに精通したプロの本読みたちです。「世に溢れかえる書物の山から厳選した本を、お客様にお薦めできるようなコーナーを作ろう」と考えて立ち上げました。数多の本を読み込んだ選者たちのおすすめ本は、掛け値なしに「じんぶんや」推薦印つき。
「じんぶんや」アイデンティティ2
★ 月 が わ り の テ ー マ
人文科学およびその周辺の主題をふらふらと巡っています。ここまでのテーマは、子どもが大きくなったら読ませたい本、身体論、詩、女性学...など。人文科学って日々の生活から縁遠いことではなくて、生きていくのに案外役に立ったりするのです。

ご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いします。
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■場所 紀伊國屋書店新宿本店 5Fカウンター前
■会期 2010年5月27日(木)~6月28日(月)
■お問合せ 紀伊國屋書店新宿本店 03-3354-0131

2010.05.27 特集[TOP]  人文 社会 じんぶんや

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