【じんぶんや第58講】 シノドス選「現代社会を読み解く「知」」
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シノドス主宰・芹沢一也さんからのメッセージ
シノドスの世界にようこそ! わたしたちが生きる現代社会を、複数の視角から立体的に浮かび上がらせる、それが「知」のプラットフォーム・シノドスの活動です。
今回のブック・フェアでは、ウェブ、経済、政治、法、社会思想、消費社会、教育、歴史思想、東アジア、世界システム、メディア、言論人、右翼など、現代社会を読み解く上で不可欠な視角のもと、それぞれの領域で最前線に立つ言論人たちに必読の10冊をあげていただいています。
現在の言論シーンにあっては、さまざまに有効性をもつ思考法があるにもかかわらず、並存する領域を鳥瞰し、横断していく眼差しがかつてなく貧弱であるために、無用な混迷が深まるばかりの状況だといえます。
ところが実際は、ひとつのある領域の困難が、ただ隣接する領域の知を一瞥するだけで乗り越え可能となることが、数多あるのです。 領域の閉鎖性を打ち破り、〈現在性〉の分析という本来の役割へと、「知」を解き放つこと。ここにシノドスの使命があります。
ここに集った「知」の体験は、必ずやみなさんの〈生〉の道標となることを確信しています。
<芹沢一也さんの本>
『〈法〉から解放される権力』『狂気と犯罪』『犯罪不安社会』『暴走するセキュリティ』
<シノドス発の本>
『革命待望!』『日本を変える「知」』『経済成長って何で必要なんだろう』『日本思想という病』
シノドスについて
シノドスとは、現代社会を多角的に検討する「知」の交流スペース。 知の生産と流通を大学という特権的な場から解放して、 現代人の生活にもっと身近なかたちで展開していきたい。 そんな思いから立ち上げました。
セミナーとレクチャーの開催、メールマガジン配信、そして出版活動。 アカデミック・ジャーナリズムを旗印に、 第一線の論者たちが集うプラットフォームを創造し、 専門知に裏打ちされた社会的な言論を発信しています。
シノドスでぜひ、知の最前線を体験してください。
芹沢一也(せりざわ・かずや)さんプロフィール
1968年生。慶應義塾大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。慶應義塾大学非常勤講師。専門は近代日本思想史、現代社会論。犯罪や狂気をめぐる歴史と現代社会との関わりを思想史的、社会学的に読み解いている。 2007年にシノドスをスタート、2009年に法人化する。 著書に『〈法〉から解放される権力』(新曜社)、『狂気と犯罪』『ホラーハウス社会』(ともに講談社+α新書)、『暴走するセキュリティ』(洋泉社新書)。浜井浩一との共著に『犯罪不安社会』(光文社新書)。編著に『時代がつくる「狂気」』(朝日選書)。高桑和巳との共編著に『フーコーの後で』(慶應大学出版会)。
【メディア】 荻上チキさんが選ぶ10冊
「ウェブにはどのような可能性があるのか」「どのような危険性があるのか」こうしたテーマを語っていれば済んだ時期は、とっくの昔に終わっている。具体的な現実について語るための能力は、(もちろん僕の本を読んだ上で)次の10冊を読んで身につけよう!
荻上チキ(おぎうえ・ちき)さんプロフィール
1981年生。成城大学文芸学部卒業。東京大学大学院情報学環・学際情報学環修士課程修了。テクスト論、メディア論を中心に、評論、編集、メディアプロデュースなどの活動を行う。人文系ニュースサイト「トラカレ!」主宰。社会学者・芹沢一也と共に思想系メールマガジン「αシノドス」を創刊、編集。 著書に『ウェブ炎上──ネット群集の暴走と可能性』(ちくま新書、2007)、『ネットいじめ』(PHP新書、2008)、『社会的な身体』(講談社現代新書、2009)など。共著に『バックラッシュ!──なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?』(上野千鶴子、宮台真司ほか、双風舎、2006)、『革命待望!──1968年がくれる未来』(スガ秀実、橋本努ほか、ポプラ社、2009)など。
<荻上チキさんの本>
『ウェブ炎上』『ネットいじめ』『12歳からのインターネット』『社会的な身体―振る舞い・運動・お笑い・ゲーム』
グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグロ−バル経済の大転換
ニコラス・P.サリバン、東方雅美 / 英治出版
2007/07出版
ISBN : 9784862760135
¥1,995 (税込)
【経済】 飯田泰之さんが選ぶ10冊
現代の社会や政策を読み解く上で、経済学は欠かすことのできない知識になりつつあります。その一方で,経済学ほど「とっかかり」にくい分野もないでしょう。そこで、以下では「方法」「経済危機」「日常やビジネスに役立つtips」をテーマに平易な本をリストアップしてみました。
飯田泰之(いいだ・やすゆき)さんプロフィール
1975年東京生まれ。エコノミスト。東京大学経済学部卒業、同大学院博士課程単位取得退学。現在駒澤大学経済学部准教授。内閣府経済社会総合研究所、財務省財務総合研究所客員研究員。専門は経済政策、マクロ経済学。 主著に『経済学思考の技術――論理・経済理論・データを使って考える』(ダイヤモンド社、2003)、『考える技術としての統計学―生活・ビジネス・投資に生かす』(NHKブックス、2007)、『昭和恐慌の研究』(共著、東洋経済新報社、2007、第47回日経・経済図書文化賞受賞)、『脱貧困の経済学』(共著、自由国民社、2009)など。
<飯田泰之さんの本>
『ダメな議論』『考える技術としての統計学』『歴史が教えるマネーの理論』『経済学思考の技術』『脱貧困の政治学』
危機突破の経済学 日本は「失われた10年」の教訓を活かせるか
ポ−ル・R.クル−グマン、大野和基 / PHP研究所
2009/06出版
ISBN : 9784569709604
¥1,000 (税込)
ティム・ハ−フォ−ド、遠藤真美 / 武田ランダムハウスジャパン
2008/11出版
ISBN : 9784270004364
¥1,890 (税込)
【政治】 吉田徹さんが選ぶ10冊
「政治」は縁遠い。でも、政治はこの世からなくならない。「政治学」は縁遠い。でも、政治を読み解くために必要な知的ツールだ。この硬いようで柔らかい、柔らかいようで硬い「政治学」は、「権力=支配」と「想像力=抵抗」をめぐるドラマツルギーから構成される。世界認識のための精神力と生命への感受性こそが「政治的なもの」を開く扉の鍵なのだ。
吉田徹さんプロフィール
比較政治学。北海道大学法学研究科准教授。
<吉田徹さんの本>
『ミッテラン社会党の転換』『二大政党制批判論』
【法】 大屋雄裕さんが選ぶ10冊
変化の激しい時代だからこそ、制度の根源や本質にさかのぼって考える必要があると考えます。たとえば裁判員制度の負担について不満を言う前に、そもそも裁判とは何のためのもので、誰が誰に強制する制度だったのか。あるいは、法を通じて人民が自らを支配するという制度は必然なのかどうか。最初から読み直すための本を、お勧めしてみました。
大屋雄裕さんプロフィール
法学。名古屋大学准教授
<大屋雄裕さんの本>
『自由とは何か―監視社会と「個人」の消滅』『法解釈の言語哲学―クリプキから根元的規約主義へ』
【社会思想】 橋本努さんが選ぶ10冊
現代社会を「理解」したり「説明」することよりも、「よい社会を提案する」規範理論のほうが、熱く語られるようになってきた。社会が複雑になりすぎて、他でもありうる可能性が増してきたからだ。適応不全でいいから、自分が本当に望んでいる世界を探したい。そのための妄想力(?)を、SFチックに鍛えたい。
橋本努さんプロフィール
社会哲学。北海道大学経済学部准教授。
<橋本努さんの本>
『自由に生きるとはどういうことか』『経済倫理=あなたは、なに主義?』『帝国の条件』
【消費社会】 鈴木謙介さんが選ぶ10冊
現代社会を考える上で避けて通ることのできないテーマに「消費社会」がある。それは単にビジネスや市場の問題ではなく、近代の初期から後期へと積み上げられてきたいくつかの現象の果てに表れたものであり、いまの私たちが立っている場所について理解するための重要なフラグでもある。今回は、消費社会に関わる本を幅広くピックアップした。
鈴木謙介さんプロフィール
社会学。関西学院大学社会学部助教。
<鈴木謙介さんの本>
『カーニヴァル化する社会』『サブカル・ニッポンの新自由主義』『ウェブ社会の思想――"偏在する私"をどう生きるか』『"反転"するグローバリゼーション』
【教育】 本田由紀さんが選ぶ10冊
教育・仕事・家族をめぐる諸問題は、社会の中で資源と承認を調達・配分するしくみがうまく作動しなくなっていることから生じています。個々人の意欲・努力・能力が足りないからではありません。しくみをどう設計しなおしていくか、そのためのヒントを与えてくれる本を選んでみました。
本田由紀さんプロフィール
教育社会学。東京大学教授。
<本田由紀さんの本>
『軋む社会――教育・仕事・若者の現在』『多元化する「能力」と日本社会』『「ニート」って言うな!』『教育の職業的意義』
【歴史思想】 萱野稔人さんが選ぶ10冊
私が選んだのは、現代社会を世界史的な、あるいは人類史的な視野で読み解くために不可欠な本です。いまの思想論壇では、少し残念なことに、サブカル批評から格差論まで「時代の枠内」にとどまった現代社会論が主流です。せっかくいま私たちは世界史的な転換期にいるのですから、現代社会を大きな歴史的スケールのもとでも考察してみましょう。
萱野稔人さんプロフィール
哲学。津田塾大学学芸学部国際関係学科准教授。
<萱野稔人さんの本>
『国家とはなにか』『カネと暴力の系譜学』『権力の読み方』『金融危機の資本論』
【東アジア】 高原基彰さんが選ぶ10冊
東アジアの日本・韓国・中国(台湾を加えても良い)が直接に交流を始めたのは、つい最近のことで、我々はまだ互いに恐ろしく無知である。必要なのは、特定分野の微細な知識や、正義感の振りかざし合いではなく、他国の特徴ある知的文脈の総体を認識することと、そうした文脈が生じざるを得なかった背景を知ることだ。日本語の出版物は豊富で、充分にそれを可能にする。
高原基彰さんプロフィール
社会学。日本学術振興会特別研究員。
<高原基彰さんの本>
『不安型ナショナリズムの時代』『現代日本の転機』
【世界システム】 山下範久さんが選ぶ10冊
世界システムの帝国化をテーマに、人類史的な視野を鍛えるための10冊を選びました。平滑空間への溶解に陥ることなく、長期的な現実の条件をつかむこと、これが世界システム論の本質的態度であり、また世界システム論への今日的要請でもあると考えています。
山下範久さんプロフィール
歴史社会学。立命館大学国際関係学部准教授。
<山下範久さんの本>
『世界システム論で読む日本』『現代帝国論 人類史の中のグローバリゼーション』
ヨ−ロッパ的普遍主義 近代世界システムにおける構造的暴力と権力の修辞学
イマニュエル・ウォ−ラ−ステイン、山下範久 / 明石書店
2008/08出版
ISBN : 9784750328256
¥2,310 (税込)
【メディア】 林香里さんが選ぶ10冊
テレビや新聞の報道に満足できない方。個人情報やプライバシーについて不安を覚える方。そういう方はぜひ、メディア研究の本を手にとってみてください。身近なメディアの問題を、歴史的時間軸や国際的文脈に置くことによって、さらに世界が広がります。
林香里さんプロフィール
社会学、東京大学大学院情報学環准教授。
<林香里さんの本>
『マスメディアの周縁、ジャーナリズムの核心』
【言論人】 高田里惠子さんが選ぶ10冊
「知識人」とは何かなど、わたしにはわかりません。ただ、この社会のなかで孤立や悲哀を感じ、そして同時に、ある種の決意をもつにいたる人間が書いた作品を挙げます。大衆社会が最終局面を迎えている現在、新たな視点で読み直されてよい作品だと信じているからです。すべて文庫で手に入る作品を選びました。
高田里惠子さんプロフィール
ドイツ文学。桃山学院大学経営学部教授。
<高田里惠子さんの本>
『学歴・階級・軍隊―高学歴兵士たちの憂鬱な日常』『文学部をめぐる病』
【右翼】 片山杜秀さんが選ぶ10冊
伝統、国家、天皇、アジア、帝国、多国家協同体、農業、家族、コミュニティ、孤独、貧困、慰霊、宗教、反グローバリズム......。今日に覆い被さるおよそすべての問題を論じようとするとき、明治以来の「右翼」思想の蓄積は、とても役立つはずです。「右翼」についての研究書よりも、「右翼」思想家本人のテキストに的を絞って選びました。
片山杜秀さんプロフィール
政治思想史。慶應義塾大学法学部准教授。
<片山杜秀さんの本>
『近代日本の右翼思想』『音盤考現学』
シノドス発の本
「じんぶんや」とは?
こんにちは。じんぶんやです。
2004年9月、紀伊國屋書店新宿本店に「じんぶんや」という棚が生まれました。
「じんぶんや」アイデンティティ1
★ 月 が わ り の 選 者
「じんぶんや」に並ぶ本を選ぶのは、編集者、学者、評論家など、その月のテーマに精通したプロの本読みたちです。「世に溢れかえる書物の山から厳選した本を、お客様にお薦めできるようなコーナーを作ろう」と考えて立ち上げました。数多の本を読み込んだ選者たちのおすすめ本は、掛け値なしに「じんぶんや」推薦印つき。
「じんぶんや」アイデンティティ2
★ 月 が わ り の テ ー マ
人文科学およびその周辺の主題をふらふらと巡っています。ここまでのテーマは、子どもが大きくなったら読ませたい本、身体論、詩、女性学...など。人文科学って日々の生活から縁遠いことではなくて、生きていくのに案外役に立ったりするのです。
ご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いします。
「じんぶんや」バックナンバー
こちらのページから今までの「じんぶんや」をご覧いただけます。
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【じんぶんや第58講】 シノドス選「現代社会を読み解く「知」」
■場所 紀伊國屋書店新宿本店 5Fカウンター前
■会期 2010年2月8日(月)~3月14日(日)
■お問合せ 紀伊國屋書店新宿本店 03-3354-0131























































































































