紀伊國屋書店
HOMEENGLISH
紀伊國屋書店新宿本店
店頭在庫検索 

情況を読む
Vol.21 「物語・<私>・ナショナリズム〜「私」というポジションから思想をつくる試み

企画者の辞

 「ナショナリズム」という言葉は、幾分、やっかいなものです。過剰な反響を引き起こすか、あるいは無関係な単語として聞き流されてしまう。いずれにせよ、そこに中立的・客観的印象を感じ取ることが困難であるという意味において、やっかいであると言えます。

 「かつてサルトルは、アフリカで子供が飢えているときに文学に何ができるかと問うたが、米軍包囲下のファッルージャで(中略)、イラク人やパレスチナ人の命など虫けらほどの価値もないかのように日々、人々が殺されているこのとき、いったい文学に何ができるのかという問いは、アラブ文学に携わる私自身の痛切な思いでもある」(岡真理 青土社『棗椰子の木陰で』P8)。


 岡氏が述べるように、国家あるいは「ナショナリズム」を考えるとき、誰しも、「私」の存在を抜きにして中立・客観性を装うことはできません。「先進国」と呼ばれる日本の、東京に住む、日本国籍を有する成人男性としての「私」。あるいは書店に勤める「私」として「ナショナリズム」と題したフェアを企画すること。少なくとも「私」の「ナショナリズム」体験は、ここから始めなければなりません。


 「ナショナリズム」を考えるにあたり、『思想地図』(NHK出版)を手がかりに、古典から現代の問題まで、なるべく幅広く集めました。

 皆様の思索の契機となれば幸いです。

【文責:新宿本店・福永玄弥】


◆◇ 「情況を読む」バックナンバー ◇◆



■場所 : 紀伊國屋書店新宿本店3階 Aカウンタ前柱台
■会期 : 2008年4月26日(土)〜5月30日(金)

※ 各書籍のリンクをクリックするとKinokuniya BookWebの詳細画面にジャンプします。

back
Copyright by KINOKUNIYA COMPANY LTD.