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Vol.14 〈自己意識〉と〈他者〉――『精神現象学』刊行200年に寄せて

企画者の辞

 「わたし」とは何なのだろう?――シンプルな問いですが、さて、考え出すとこれがなかなか難しい。

 他人を認識するのは「わたし」なのであって、「わたし」が認識してはじめて他人は存在する。大事なのは「わたし」がどう他人を認識するかであって、他人の意見などは関係ない……少々乱暴ですが、こういう言い方にはある種の真理が含まれているように思います。

 一方で、他人の目や意見を気にかける「わたし」がいることも事実。他人からよせられる「わたし」への好意的意見は実にうれしく、否定的意見は時として悲しい。

 だからといって、他人の気に入られるようにとばかり考えていると、今度は「わたし」が「わたし」でなくなってしまうような気がしてくる……。

 ここまで考えると企画者はつい、

「ひとりでは耐えられないから
ひとりでは何もできないから
ひとりであることを認めあうことは
たくさんの人と手をつなぐことだから
たくさんの人と手をつなぐことは
とても悲しいことだから」(鴻上尚史「朝日のような夕日をつれて」)

 という印象的な台詞を想起してしまいます。

 こんな堂々巡りになりそうな問いへのひとつのアプローチとして、今年刊行200年を迎えた、ヘーゲル『精神現象学』を手がかりにしてみたいと思います。難解ですが、知的興奮に満ちあふれたこの著作への批判と継承の営みの中に、何かヒントが見つけ出せるのではないかと思います。

【文責:新宿本店・大籔宏一】


◆◇ 「情況を読む」バックナンバー ◇◆

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■場所 : 紀伊國屋書店新宿本店3階
■会期 : 2007年8月18日(土)〜9月14日(金)
◆ 次回開催予定 ◆

9月15日(土)〜10月5日(金)
vol.15 社会科学概論 I :「社会」を「認識」する

 経済学や法学、あるいは社会学といった分野の入門・概説書は数多く存在します。が、「社会科学」全般の入門・概説を意図した書籍というのは思いのほか多くありません。「社会思想」という言葉も見聞する機会がめっきり減ってしまったように思います。

 これも「社会」の多様化・複雑化の反映なのでしょう。「社会科学」という枠組みそのものも、何かしらの転換が迫られているのかも知れません。
そこであえて、いや、だからこそ、「社会科学」を「原点」から、じっくり考えてみようと思うのです。

テーマ・期間等は予告なく変更することがございます。何卒ご容赦くださいませ。

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