| 【ことばと社会・政治・歴史・文化】 (No.78 2006.10.11配信号) |
「美しい日本語」「日本語の乱れ」「若者言葉」・・・ 書店の日本語コーナーは相変わらずの盛況で、「日本語本」の刊行もまだまだ続いているようです。 けれど言葉はその時代その場所に生きる人々に使われてこその言葉であり、時代を超えて或いは社会を超えて「あるべき姿」や「美しいカタチ」などありうるのでしょうか。 なにげなく使っている現在の日本語は、今どのような社会状況の中にあり、現在に至るまでにどのような歴史を辿ったのか。言語と政治や社会の関わりは、世界のさまざまな地域/さまざまな時代においてどのようであったのか、近年の社会言語学および周辺領域の国内の研究書を集めてみました。 ※BookWeb Pro からご注文ができます。まとめてご注文なさりたい場合、ISBNコードをコピーして、BookWeb Pro のISBN一括検索機能を使って、ご注文下さい。新規のご利用申込みは以下から承っております。 http://bookwebpro.kinokuniya.co.jp/files/bookwebpro_annai.html |
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1.日本語の今 |
【1】 | 事典日本の多言語社会 | |
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![]() | 真田信治 / 庄司博史 2005/10 (岩波書店) 標準価格:税込\3,780 ISBN:9784000803052 |
★近年日本では,外国人住民や観光客の増加によって街角の言語表示や、メディア・情報サービスが大きく様変わりしている。一方、日本固有の言語や方言を見直す動きも強まっている。これら多様な日本語と外国語が織り成す現代日本の社会状況を、151のキーワードを通して浮き彫りにし、豊かな多文化共生社会への道筋を展望する。 |
【2】 | 「共生」の内実 批判的社会言語学からの問いかけ | |
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![]() | 植田晃次 / 山下仁 2006/05 (三元社(文京区)) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784883031634 |
★多文化「共生」が唱えられてすでに久しい。しかし「共生」の名のもとに、なにが行われているのか。マジョリティのいう「共生」はマイノリティにどう受けとめられているのか? ことばの問題を通して、「共生」の内実を問い、図式化され、消費される「共生」を救い出す試み。 |
【3】 | 多言語社会と外国人の学習支援 (G-SEC design) | |
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![]() | 日比谷潤子 / 平高史也 2005/10 (慶応義塾大学出版会) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784766412055 |
★日本に在住する外国人が200万人になろうとしている現在、宮城県、神奈川県藤沢市における教育、保険・医療に起こるさまざまな事例から課題を見出し、具体的な提言を行う。 |
【4】 | 外来語の社会学 (広島修道大学学術選書) 隠語化するコミュニケ−ション | |
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![]() | 山田雄一郎 2005/09 (春風社) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784861100505 |
★現代の日本語は、〈隠語化〉と〈大衆化〉という逆向きの力がせめぎ合っている。次々に現れ、日本に氾濫する意味のはっきりしないカタカナ語に、私たちはどう対処すればよいのか。森鴎外から綿矢りさ・金原ひとみまで、小説の会話文から外来語の姿を追う。国立国語研究所「外来語言い換え案」一覧も併録。 |
【5】 | 在日コリアンの言語相 (和泉選書) | |
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![]() | 真田信治 / 生越直樹 2005/01 (和泉書院) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784757602830 |
★母語によって自らを表現する権利と地域社会にアクセスする権利―。 この二つの側面から、異言語間の相互理解の問題に取り組んでいる気鋭の研究者たちによって、在日コリアンの言語生活をめぐる最近の様相が生々しく描き出される。 |
【6】 | 関西方言の広がりとコミュニケ−ションの行方 (研究叢書) | |
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![]() | 陣内正敬 / 友定賢治 2005/12 (和泉書院) 標準価格:税込\9,450 ISBN:9784757603424 |
★若者世代を中心に全国規模で人気を博している関西方言の存在は何を意味しているか。現代のポストモダン社会において、方言がコミュニケーション生活においてますます重要な役割を果たしていくことは確かである。 |
【7】 | 韓国人による日本社会言語学研究 | |
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![]() | 任栄哲 / 真田信治 2006/05 (おうふう) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784273034320 |
★社会言語学の見地から、日本人と韓国人の言語運用に焦点を当て分析。言語運用の背景にある要因を、それぞれの社会・文化に位置づけて明らかにする。 |
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2.ことばと政治 |
【1】 | 英語支配とことばの平等 英語が世界標準語でいいのか? | |
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![]() | 津田幸男 2006/09 (慶応義塾大学出版会) 標準価格:税込\2,520 ISBN:9784766413045 |
★英語の「一言語独裁」により、非英語話者は「不平等」と「言語権の侵害」を被っているという観点を提供し、「コミュニケーションの平等」を実現するために、「ことばの平等」を確立することが必要であることを主張する。 |
【2】 | 多民族社会の言語政治学 英語をモノにしたシンガポ−ル人のゆらぐアイデンティ | |
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![]() | 奥村みさ / 郭俊海 2006/11 (ひつじ書房) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784894762848 |
★英語中心のバイリンガル教育先進国であるシンガポールを事例として、多民族社会の中での言語と文化的アイデンティティの問題を追求する。 |
【3】 | 言語学と植民地主義 ことば喰い小論 | |
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![]() | ルイ・ジャン・カルヴェ / 砂野幸稔 2006/07 (三元社(文京区)) 標準価格:税込\3,360 ISBN:9784883031825 |
★“言語は人間に役立つためにあるのであって、その逆ではない” 本書は、 没政治的多言語主義者や危機言語擁護派の対極にたち、言語問題への徹底して政治的な視点を提示する。 |
【4】 | 民族と言語 多民族国家ソ連の興亡1 | |
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![]() | 塩川伸明 2004/07 (岩波書店) 標準価格:税込\7,350 ISBN:9784000022071 |
★図式的なソ連糾弾論・弁護論を離れるとき、民族解放の理念を掲げた「特異な帝国」の歴史は何を語るのだろうか。民族言語の問題を中心として、ペレストロイカから連邦解体に至る、連邦中央と共和国権力、そして少数民族の間の錯綜する権力関係を記述する。 |
【5】 | 漢字圏の近代 ことばと国家 | |
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![]() | 村田雄二郎 / クリスティ−ン・ラマ−ル 2005/09 (東京大学出版会) 標準価格:税込\2,520 ISBN:9784130830423 |
★ことばと国家・民族の結びつきは「近代」にいたり国民国家形成にともない「各国語」を形成した。東アジアでは、公的には漢字を共有しながらも古典からの離脱をはかる過程に近代があった。言語のなりたちを歴史の中に位置づけ、漢字圏という広い時空の中で比較する。 |
【6】 | 近現代中国における言語政策 文字改革を中心に | |
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![]() | 藤井久美子 2003/02 (三元社(文京区)) 標準価格:税込\3,780 ISBN:9784883031122 |
★アヘン戦争から現在までの、中国大陸、台湾における言語政策をクロノロジカルに追いながら、中華民国、中華人共和国という相反する国家の言語認識を跡付けていくと同時に、文学とどう向き合い、いかに対処しようとしていたかを、明らかにしていく。 |
【7】 | 「言語」の統合と分離 1920-1940年代のモンゴル・ブリヤ−ト・カル | |
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![]() | 荒井幸康 2006/03 (三元社(文京区)) 標準価格:税込\3,675 ISBN:9784883031757 |
★モンゴル文字によって緩やかに束ねられていたモンゴル諸族が、ソヴィエト連邦とその衛星国であったモンゴル人民共和国でなされた民族・言語政策により、別々の民族に分かれていくプロセスを描く。 |
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3.近代日本の言語政策 |
【1】 | 統合原理としての国語 近代日本言語史再考3 | |
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![]() | 安田敏朗 2006/06 (三元社(文京区)) 標準価格:税込\2,835 ISBN:9784883031788 |
★繰り返し立ち上げられる「ナショナリズム」を胚胎する「国語」「日本語」へのポピュリズム的言説。それらをいまいちど、「近代日本言語史」―近代国民国家日本の形成過程とその帝国的展開のなかで言語がはたした役割―に配置し、その前提を明らかにするとともに、それらを支えてきた「学」のありよう、「研究者」のありようを問い直していく。 |
【2】 | 日本語教育と近代日本 | |
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![]() | 多仁安代(1950−) 2006/04 (岩田書院) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784872944211 |
★近代日本における日本語教育に関する初めての通史―。 明治以降の日本語教育の歴史を、文化面だけではなく、日本と相手国との政治的・軍事的・経済的関係も視野に入れて、多角的な視点から考察。 |
【3】 | 日本の植民地言語政策研究 | |
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![]() | 石剛 2005/03 (明石書店) 標準価格:税込\7,140 ISBN:9784750320748 |
★大日本帝国時代、海外植民地ですすめられた言語政策はどのように機能し、どのような問題を残したのか。「多文化、多民族状況下での日本語」という今日的問題関心をも刺激する論考。 |
【4】 | 植民地朝鮮の日本語教育 日本語による「同化」教育の成立過程 | |
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![]() | 久保田優子 2005/12 (九州大学出版会) 標準価格:税込\6,720 ISBN:9784873788883 |
★戦前に日本が植民地朝鮮で行った教育は、朝鮮人の日本への同化を特色とし、日本語がその主要な手段とされた。日本語が同化の主な手段に位置づけられた論理と、日本語による同化教育の成立過程を解明する。 |
【5】 | 植民地朝鮮における朝鮮語奨励政策 朝鮮語を学んだ日本人 | |
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![]() | 山田寛人 2004/06 (不二出版) 標準価格:税込\5,040 ISBN:9784835041551 |
★植民地下の朝鮮で、日本人を対象としたさまざまな朝鮮語試験が行われていた。朝鮮総督府による、教師や警察官などを対象とした朝鮮語奨励政策の実態を、幅広い資料群の分析を通して考察する。 |
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4.ことばと文化・歴史 |
【1】 | ヨ−ロッパの言語と国民 | |
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![]() | ダニエル・バッジオ−ニ / 今井勉 2006/10 (筑摩書房) 標準価格:税込\7,350 ISBN:9784480867094 |
★近代ヨーロッパの言語史を、<国民国家>の形成史と捉え、大西洋からウラル山脈にいたる広大な地域の国家間ネットワークの再編を見透かした歴史社会言語学の金字塔。 |
【2】 | もうひとつのインド、ゴアからのながめ 文化・ことば・社会 | |
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![]() | 鈴木義里 2006/06 (三元社(文京区)) 標準価格:税込\2,730 ISBN:9784883031849 |
★アラビア海に面した美しい海岸の町ゴアは、451年間もの長きにわたってポルトガルの植民地支配のもとにあった。解放後もヨーロッパの文化が深く根をはり、インドの中で異質な光を放つ「もうひとつのインド」ゴアの文化・ことば・社会をつうじて、多言語多文化社会インドの現在をみつめなおし、言語とナショナリズムの行方を占う。 |
【3】 | 江戸異言語接触 蘭語・唐話と近代日本語 | |
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![]() | 岡田袈裟男 2006/03 (笠間書院) 標準価格:税込\14,700 ISBN:9784305703088 |
★異文化との出会いは日本と日本人をどう変えたのか。そこに何がもたらされたのか。江戸の異言語獲得のもたらした文化的諸相を、ことばの分析を通して解読する。キリシタン語学・蘭語学・唐話学・日本語学の江戸言語学年表付き。 |
【4】 | 方言が明かす日本語の歴史 (もっと知りたい!日本語) | |
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![]() | 小林隆(1957−) 2006/02 (岩波書店) 標準価格:税込\1,680 ISBN:9784000068383 |
★枕草子や源氏物語は当時のみやこの知識人の日本語で書かれているのであって、日本各地のさまざまな階層の人々が、みな同じようなことばを話していたわけではない。 現代の各地の方言を手がかりに、それぞれに独自の進化を遂げて今も息づいている古い日本語を探りあてて、日本語の歴史を重層的かつダイナミックにとらえなおす。 |
【5】 | 聖書の日本語 翻訳の歴史 | |
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![]() | 鈴木範久 2006/02 (岩波書店) 標準価格:税込\3,360 ISBN:9784000236645 |
★「神」も「愛」も日本語ではなかった─現在の語義を生み出した聖書日本語訳の歴史を人と出来事でたどる。 中国語訳を継承したギュツラフ、ヘボンらの努力、明治元訳・大正改訳などの共同訳の成立、そして新共同訳へ。その苦渋に満ちた過程に、中国経由のキリスト教という軽視されてきた一面をはじめ、現代日本語のもう1つの源と埋もれた系譜とを発掘する。 |
【6】 | 漢文脈の近代 清末=明治の文学圏 | |
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![]() | 齋藤希史 2005/03 (名古屋大学出版会) 標準価格:税込\5,775 ISBN:9784815805104 |
★19世紀後半から20世紀にかけて、かつてないほど相互に交通しあった日本と中国―そこに生じた「漢文脈」の新たな展開と可能性を、書くことと読むことの場に即して捉え、文学史・小説・翻訳・作文等などを巡る様々な試み・思考・葛藤を通し、近代の再考を促す画期的論考。 第27回サントリー学芸賞受賞。 |
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5.≪近刊≫日本語関連事典 |
【1】 | レトリック事典 | |
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![]() | 佐藤信夫 / 佐藤信夫 2006/11 (大修館書店) 標準価格:税込\6,825 ISBN:9784469012781 |
★省略、反復、比喩、誇張、対比、暗示、仮説論法・・・。古代ギリシャ以来2000年以上にわたって西洋で研究され続けてきた“レトリック”の概念・技法を46パターンにまとめ、明治から現代まで各時代を代表する日本の文章を例に解説。西洋のレトリック論と日本文学をつなぐ、初めての本格的レトリック事典。明治以来多数の訳語が使われた日本のレトリック研究における用語変遷も辿れる。 |
【2】 | 日本語学研究事典 | |
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![]() | 飛田良文 2007/01 (明治書院) 標準価格:税込\29,400 ISBN:9784625603068 |
★1977年に刊行された「国語学研究事典」を全面的に内容改訂。「世界の中の日本語」を標榜し、最新の研究成果・テーマはもとより外国人による日本語研究も取り入れる。<明治書院創業110周年記念出版> |
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