| 【丸山眞男と“戦後”という歴史】 (No.64 2006. 7.11配信号) |
“戦後民主主義”を思想的にリードしたとされる政治学者丸山眞男の没後10年にあたって、さまざまな“丸山本”の刊行が続いています。 今月末には、半世紀にわたって159刷(!)という驚異的な増刷を重ねてきた「現代政治の思想と行動」が、オリジナルの出版社である未來社から新組新装版で再発売されます。(今現在まで新組みでなく読まれ続けてきたこと自体、かなり驚きですが...。)また、ほぼ同時にみすず書房からは、“丸山学派”代表藤田省三の対話集成が新たに刊行開始されます。 再評価、再批判、視点も思い入れ具合も千差万別ですが、昨年から今年にかけての丸山および“戦後”関連本からめぼしいものをピックアップしてみました。 “戦後”という長くややこしく生々し過ぎた時間が、少しずつさまざまな人たちの手で咀嚼され検証され再構成されて、いつのまにか“歴史”になり始めているのかもしれません。 ※詳細ページからご注文できない場合は、末尾に記載されている紀伊國屋書店 e-Alert事務局宛にご連絡下さい。ご注文方法をご案内します。また、以下から、BookWeb Pro の利用申し込みができます。 http://bookwebpro.kinokuniya.co.jp/files/bookwebpro_annai.html |
和書 |
【1】 | 現代政治の思想と行動 (新装版) | |
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丸山真男 2006/08 (未来社) 標準価格:税込\3,990 ISBN:9784624301033 |
★“戦後民主主義”はここから始まった。日本ファシズム、天皇制の分析、コミュニズムのイデオロギーをめぐる問題等を論じた諸論考を所収、「抑圧の移譲」(「超国家主義の論理と心理」)、「無責任の体系」(「軍国支配者の精神形態」)などの重要概念を提出し、発表より半世紀たった現在にいたるまで繰り返し読まれ、言及され、論じられる、戦後最深・最長のロングセラー。 |
【2】 | 藤田省三対話集成 1 | |
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藤田省三 2006/07 (みすず書房) 標準価格:税込\3,990 ISBN:9784622072058 |
★“丸山学派”を代表する政治学者にして“戦後文化世代の最終走者”藤田省三の対話集成が刊行開始されます。全3巻、隔月刊。 第1巻は安保闘争時代の行動と発言を収録。 |
【3】 | 丸山眞男 (岩波新書) リベラリストの肖像 | |
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苅部直 2006/05 (岩波書店) 標準価格:税込\777 ISBN:9784004310129 |
★丸山につきまとうできあいの像を取り払い、丸山の残した言葉とじかに対話しながら、その思索と人間にせまる評伝風思想案内。丸山本人と面識のない若手研究者である著者にドロドロした思い入れは一切無く、丹念な読解に基づく慎重な分析・解釈は読み応えがあります。 |
【4】 | 丸山眞男 (Kawade道の手帖) 没後10年、民主主義の〈神話〉を超えて | |
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2006/04 (河出書房新社) 標準価格:税込\1,575 ISBN:9784309740096 |
★インタヴュー=小熊英二 対談=米谷匡史×道場親信 再録=鶴見俊輔、藤田省三、埴谷雄高、橋川文三他 等々収録する重宝なムック。 |
【5】 | 戦後精神の光芒 丸山眞男と藤田省三を読むために | |
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飯田泰三 2006/03 (みすず書房) 標準価格:税込\6,090 ISBN:9784622072027 |
★丸山思想史学における鎌倉仏教論の位置、「武士のエートス」論、ナショナリズム論、藤田省三の「転向」論、「戦後精神の経験」など、類を見ない詳細な解読が、丸山・藤田の思想の核心を浮き彫りにしていきます。 |
【6】 | 丸山眞男の時代 (中公新書) 大学・知識人・ジャ−ナリズム | |
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竹内洋 2005/11 (中央公論新社) 標準価格:税込\903 ISBN:9784121018205 |
★60年安保を思想的に指導したものの、60年代後半には学生から背を向けられる栄光と挫折の遍歴をたどった丸山。その後のアカデミズムとジャーナリズムに与えた影響も含めて検証していきます。 |
【7】 | 丸山眞男とマルクスのはざまで | |
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田口富久治 2005/08 (日本経済評論社) 標準価格:税込\3,675 ISBN:9784818817784 |
★世界と日本のコミュニズム運動やマルクス主義への認識や判断に、研究者として、どういう点で誤りがあったのか。丸山眞男から教えられたことと丸山研究を通じて理論的に総括。 |
【8】 | 日本史講座 (戦後日本論) 第10巻 | |
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歴史学研究会 / 日本史研究会 2005/07 (東京大学出版会) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784130251105 |
★“戦後”日本を特徴づける要素を析出し、高度成長の形成およびその後の大衆消費社会の成立、情報化社会の到来に至る現代社会の変化をトータルに描き出す。 「戦後国民統合の変容と象徴天皇制」(渡辺治)等収録。 |
【9】 | 戦後日本の社会と市民意識 (叢書21COE-CCC多文化世界における市民意識の動態) | |
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有末賢 / 関根政美 2005/03 (慶応義塾大学出版会) 標準価格:税込\3,675 ISBN:9784766411416 |
★戦後日本の市民意識の土台となっている価値意識やアイデンティティ、社会意識の構造や社会の変化の考察を通して、戦後の日本の市民意識をとらえなおします。「戦後日本の市民意識と社会科学」(有末賢)、「鶴見俊輔と「思想の科学」の1950年代―戦後啓蒙の思想的転回に関する一考察」(和田悠)等収録。 |
【10】 | 丸山眞男との対話 | |
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石田雄 2005/01 (みすず書房) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784622071235 |
★丸山眞男の最初の弟子として、1947年の第一回丸山ゼミに参加して以来、常に丸山のそばで距離をとりつつ自らの政治学を実践してきた著者が、はじめてまとめる論集。 |
【11】 | 戦争が遺したもの 鶴見俊輔に戦後世代が聞く | |
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鶴見俊輔 / 上野千鶴子 2004/03 (新曜社) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784788508873 |
★(小熊英二「まえがき」より)考えてみれば、かれこれ六〇年も「戦後」が続くというのは、奇妙なことだ。しかし「戦後」を相対化するためには「戦争が遺したもの」と向きあい、「戦後」を理解するべく努めるほかないであろう。 ・・・・・・本書の読者が、鶴見俊輔という一人の知識人の足跡について、また戦争と戦後の歴史について、知り、考え、そして座談の場の知的高揚を共有していただければ幸いである。 |
【12】 | 安田講堂 (中公新書) 1968−1969 | |
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島泰三 2005/11 (中央公論新社) 標準価格:税込\1,029 ISBN:9784121018212 |
★丸山が既に時事的問題から距離を置いていた60年代末、学生運動は“戦後民主主義”を“否定”し苛烈な闘争を展開していく。 その象徴的な帰結といえる全共闘と機動隊との東大安田講堂攻防戦について、立てこもった当事者が37年の月日を経て初めて語る勇気ある証言。 |
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