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【『利己的な遺伝子』初版刊行30周年記念版 世界同時刊行!】

(No.56 2006. 5.16配信号)



英国のエソロジスト(動物行動学者)ドーキンスの処女作にして、全世界で100万部を超えるベストセラーとなった代表作『利己的な遺伝子』の「初版刊行30周年記念版」の全訳が、今月刊行されました。

『利己的な遺伝子』とは一体なんなのか、「遺伝子が利己的である」ということはどういうことなのか、刊行当初、その見方をめぐってさまざまに誤解したり、あるいは心情的に反発したりする人も多かったのです。

しかし、その後、DNAの二重らせん構造の発見者のひとりクリックらによって、タンパク質に翻訳されないDNAを「利己的DNA」と呼ぶ考えが提唱され、今日においては「遺伝子同士が協力して個体をつくり上げているだけではなく、葛藤と競争の中に遺伝子が置かれていて、相互に矛盾したことを行なわせる遺伝子」が多数見つかっており、「利己的遺伝子」は観念の産物ではなく、普遍的に存在することが確認されています。(たとえば、Burt & Trivers, Genes in Conflict,(Harvard University Press) 2006 など。(※2.関連書のコーナーでご紹介))

はじめは異端に思われたドーキンスの『利己的な遺伝子』は、いまや生命観・人間観を考える上で避けて通れない、いわば古典として高い評価を与えられています。

書名だけを見て「食わず嫌いの方」も、一度は手にした方も、改めてじっくり読み直すと、非常に示唆に富む刺激的な議論を各所で展開していることに、今さらながら驚かされることでしょう。

※詳細ページからご注文できない場合は、末尾に記載されている紀伊國屋書店 e-Alert事務局宛にご連絡下さい。ご注文方法をご案内します。また、以下から、BookWeb Pro の利用申し込みができます。
  http://bookwebpro.kinokuniya.co.jp/files/bookwebpro_annai.html


Books
1.紀伊國屋書店出版部新刊『利己的な遺伝子』<増補新装版>

【1】利己的な遺伝子 (増補新装版)
4314010037の画像ドーキンス,リチャード【著】〈Dawkins,Richard〉 / 日高敏隆 / 岸由二 / 羽田節子 / 垂水雄二【訳】
2006/05 (紀伊國屋書店)

標準価格:税込\2,940    ISBN:9784314010030
★動物や人間社会で見られる親子の対立と保護、雄と雌の争い、攻撃やなわばり行動などの社会行動の進化を遺伝子の利己性から説明し、世界で100万部を超える大ベストセラーとなった同書の原書刊行30年を記念したスペシャルエディション。

原著での変更点は、@ドーキンス自身による新しい序文追加、Aピーター・メダワー卿、ハミルトン、メイナード=スミスの計3本の書評追加、B初版にあって第二版ではなくなっていたトリヴァースの序文の復活の3点。

訳本では、上記3点の追加の他に、この機会に訳の一部手直しを行い、もともと原著にあった索引をすべて翻訳、装丁も一新しました。
ドーキンス著『利己的な遺伝子(第3版)』原書
The Selfish Gene 3RD Edition
0199291152の画像Dawkins, Richard
2006/05 (Oxford Univ Pr)

カード決済価格:税込\1,859 / 標準価格:税込\3,502    ISBN:9780199291151

Books
2.関連書

【1】利己的な遺伝的要素の生物学
Genes in Conflict : The Biology of Selfish Genetic Elements
0674017137の画像Burt, Austin / Trivers, Robert
2006/01 (Belknap Pr)

カード決済価格:税込\4,557 / 標準価格:税込\6,799    ISBN:9780674017139
★巻頭文中でご紹介した、「利己的遺伝子」の存在を確認する一冊。

【2】人間は遺伝か環境か?遺伝的プログラム論 (文春新書)
4166604856の画像日高敏隆【著】
2006/01 (文藝春秋)

標準価格:税込\746    ISBN:9784166604852
★遺伝という漠然としたものを、遺伝的プログラムとその具体化という視点から捉え直した、動物行動学の第一人者による試論。遺伝か環境か。最新の研究成果がここに。

【3】クジャクの雄はなぜ美しい? (増補改訂版)
4314009942の画像長谷川眞理子【著】
2005/09 (紀伊國屋書店)

標準価格:税込\1,890    ISBN:9784314009942
★「自然淘汰ではどうしても説明できぬ」進化論者ダーウィンの悩みの種が、美しい羽を目いっぱい広げるクジャクの雄。一般に雄は美しく派手なのに、雌は地味で目立たない。なぜか。

「雄間競争」と「雌による選り好み」が答えとされていたこのテーマについて、第一人者が興味深くその最前線の内容を紹介する、13年ぶりの大幅改定版。

【4】進化生物学への道―ドリトル先生から利己的遺伝子へ (グーテンベルクの森)
4000269895の画像長谷川眞理子【著】
2006/01 (岩波書店)

標準価格:税込\1,890    ISBN:9784000269896
★図鑑とドリトル先生シリーズによって動物の世界に誘われた少女は、生物学研究者の道に進み、いま進化の視点から「人間の本性」に迫ろうとしている。

この道に至るには、『ソロモンの指環』や『利己的な遺伝子』などの本、大学の恩師やチンパンジー研究者グドールなどとの決定的な出会いがあった。
一研究者のドラマティックな成長の記録であり、興味津々たる読書の履歴書でもある、動物と進化に関する名作・名著へのガイダンス。

【5】ソロモンの指環―動物行動学入門 (ハヤカワ文庫NF)
4150502226の画像ローレンツ,コンラート【著】〈Lorenz,Konrad〉 / 日高敏隆【訳】
1998/03 (早川書房)

標準価格:税込\735    ISBN:9784150502225
★“刷り込み”などの理論で著名なノーベル賞受賞の動物行動学者ローレンツが、けものや鳥、魚たちの生態をユーモアとシンパシーあふれる筆致で描いた永遠の名作。著者による「第2版へのまえがき」初収録。

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