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【オリエンタリズム再考】

(No.223 2008. 9.17配信号)



本年は、現代の古典ともいうべき書物『オリエンタリズム』の原書初版(Routledge & Kegan Paul, 1978)刊行から30周年、そして著者エドワード・サイードの死去(2003.9.25)から5年という節目の年です。

ここでは、人文・社会科学において圧倒的な反響を呼んだ知識人サイードの遺産を振り返るとともに、「オリエンタリズムの現在」を照射すべく、サイード没後に刊行された書物を中心に特集いたします。

※弊社では洋書カタログ「オリエンタリズム再考」(SB-2147)を作成しております。
  ご希望の方は、末尾に記載されている紀伊國屋書店 e-Alert事務局までご請求ください。

Books
1.『オリエンタリズム』を読む

【1】オリエンタリズム〈上〉 (平凡社ライブラリー〈11〉)
4582760112の画像サイード,エドワード・W.【著】〈Said,Edward W.〉 / 今沢紀子【訳】
1993/06 (平凡社)

標準価格:税込\1,630    ISBN:9784582760118
オリエンタリズム〈下〉 (平凡社ライブラリー〈12〉)
4582760120の画像サイード,エドワード・W.【著】〈Said,Edward W.〉 / 今沢紀子【訳】
1993/06 (平凡社)

標準価格:税込\1,630    ISBN:9784582760125
エドワード・サイード『オリエンタリズム』(原書)※刊行25周年記念版
Orientalism : Western Conceptions of the Orient (Penguin Modern Classics) -- Paperback 25TH ANNIV Edition
0141187425の画像Said, Edward W.
2003/08 (Penguin Books Ltd)

カード決済価格:税込\2,192 / 標準価格:税込\3,658    ISBN:9780141187426
★原著初版刊行30周年を迎える人文・社会科学の古典。
オリエンタリズムとは、東洋に対する西洋の思考と支配の様式をいう。
オリエントに関わる厖大なテクストの犀利な分析を通して、近代ヨーロッパの思想の構造を根底から批判する。ヨーロッパ近代の知と支配の構造を撃つ問題の書。
原書は、サイード死去直前、古典の殿堂ペンギン・クラシックス入り。

サイードは、本版のために書き下ろした序文で、初版刊行以来の批判に応えるとともに、近年のパレスチナ、アフガン、イラクの情勢に、西洋帝国主義の止まない影響を見ていた。

【2】オリエンタリズムの彼方へ―近代文化批判 (岩波現代文庫)
4006001193の画像姜尚中【著】《カンサンジュン》
2004/04 (岩波書店)

標準価格:税込\1,155    ISBN:9784006001193
★メディアで活躍する政治学者の初期の著作。
ウェーバー、フーコー、サイードらの思想的な水脈によりながら、近代ヨーロッパに確立した支配のシステムを明らかにし、同時に、近代日本の知識人がどのようなアジア観を持ってナショナル・アイデンティティを創出していったかを論じる。

【3】幻想の東洋〈上〉―オリエンタリズムの系譜 (ちくま学芸文庫)
4480089446の画像彌永信美【著】
2005/10 (筑摩書房)

標準価格:税込\1,260    ISBN:9784480089441
幻想の東洋〈下〉―オリエンタリズムの系譜 (ちくま学芸文庫)
4480089454の画像彌永信美【著】
2005/10 (筑摩書房)

標準価格:税込\1,260    ISBN:9784480089458
★1987年度渋沢=クローデル賞受賞。

「“西欧文化”を批判するために、たとえば“東洋”的価値に依拠しようとすること自体が、それこそ“オリエンタリズム”の典型である、ということを言うためにこの本を書いた…」。

オリエンタリズム批判を単なる知的意匠にとどめないための論理と倫理を展望する真の野心作。オウム真理教事件、9・11以後の世界を考えるうえで示唆に富む付論「近代世界と「東洋/西洋」世界観」を収録。

【4】文化の窮状―二十世紀の民族誌、文学、芸術 (叢書・文化研究)
440903068Xの画像クリフォード,ジェイムズ【著】〈Clifford,James〉 / 太田好信 / 慶田勝彦 / 清水展 / 浜本満 / 古谷嘉章【ほか訳】
2003/01 ((京都)人文書院)

標準価格:税込\4,725    ISBN:9784409030684
★『オリエンタリズム』への著名な反論を含む人類学者クリフォードの代表著作の復刊。

【5】『オリエンタリズム』を読む:サイードを超えて進むために
Reading Orientalism : Said and the Unsaid (Publications on the Near East) Reprint Edition
0295987529の画像Varisco, Daniel Martin
2007/11 (Univ of Washington Pr)

カード決済価格:税込\3,811 / 標準価格:税込\5,197    ISBN:9780295987521
★書評掲載:「タイムズ」文芸付録2008年5月9日。

『オリエンタリズム』の立論については、中東研究者などからの鋭い異論も提出されている。本書は、刊行以来、四半世紀以上の論争の歴史を、600点もの文献から跡づける力作。その上で、東洋・西洋の二項対立を超えて思考する方法を模索する(副題のSaidをモジったUnsaidの機知にも注目)。

【6】サイード『オリエンタリズム』批判
Defending the West : A Critique of Edward Said's Orientalism
1591024846の画像Warraq, Ibn
2007/08 (Prometheus Books)

カード決済価格:税込\3,113 / 標準価格:税込\5,188    ISBN:9781591024842
★書評掲載:「タイムズ」文芸付録2008年5月9日。

サイードのフランス語などの文献読解における恣意的な「誤読」を多数指摘し、それによって組み立てられた西洋の東洋理解の図式の歪みを鋭く批判する。書評掲載後、サイードの教え子の研究者が反論の投書を寄せるなどの反響が。著者は、西洋は古代以来、東洋の文化に対して寛容であったという立場に立つ。

【7】オリエンタリズムの系譜学
Genealogies of Orientalism : History, Theory, Politics
0803213425の画像Burke, Edmund, III (EDT) / Prochaska, David (EDT)
2008/07 (Univ of Nebraska Pr)

カード決済価格:税込\3,804 / 標準価格:税込\5,188    ISBN:9780803213425
★オリエンタリズムは近代文化そのものに深く根ざしたものであり、その批判は尽くされたどころか、より徹底的に続行されなくてはならないという意識のもとに書かれた12の論文集。中東・インドだけでなく他のアジア諸国におけるコロニアルな主体、その文学・美術表象を訪ねて、オリエンタリズムの視野を押し広げる。

Books
2.最後の知識人サイードを悼む

【1】エドワード・サイード (シリーズ現代思想ガイドブック)
4791762215の画像アシュクロフト,ビル〈Ashcroft,Bill〉 / アルワリア,パル【著】〈Ahluwalia,Pal〉 / 大橋洋一【訳】
2005/10 (青土社)

標準価格:税込\2,520    ISBN:9784791762217
エドワード・サイード(第3版)
Edward Said 3RD Edition
0415476895の画像Ahluwalia, Pal
2008/12 (Routledge)

カード決済価格:税込\2,877 / 標準価格:税込\4,323    ISBN:9780415476898
★『オリエンタリズム』で現代の批評理論の様相を一変させたポストコロニアル研究の巨星サイード。
パレスチナの窮状を全世界に示し、植民地以降の世界のアイデンティティ形成に勇気を与えた、その仕事の核心とはなにか。権力に対して真実を語り続けた知識人の全貌。

【2】人文学と批評の使命―デモクラシーのために
4000234234の画像サイード,エドワード・W.【著】〈Said,Edward W.〉 / 村山敏勝 / 三宅敦子【訳】
2006/08 (岩波書店)

標準価格:税込\1,995    ISBN:9784000234238
サイード遺著『人文学と批評の使命―デモクラシーのために』(原書)
Humanism and Democratic Criticism (Columbia Themes in Philosophy)
0231122640の画像Said, Edward W.
2004/05 (Columbia Univ Pr)

カード決済価格:税込\2,385 / 標準価格:税込\3,976    ISBN:9780231122641
★生前に完成した最後の著書であり、まさにサイードの遺言となった本書は、最後の人文主義者サイードの面目躍如たる、人文学の危機と再生に向けた衷心のメッセージとして胸を打つ。

【3】知識人とは何か (平凡社ライブラリー)
4582762360の画像サイード,エドワード・W.【著】〈Said,Edward W.〉 / 大橋洋一【訳】
1998/03 (平凡社)

標準価格:税込\882    ISBN:9784582762365
サイード『知識人とは何か』(原書)
Representations of the Intellectual : The 1933 Reith Lectures (The Reith Lectures, 1993) Reprint Edition
0679761276の画像Said, Edward W.
1996/04 (Vintage Books)

カード決済価格:税込\1,346 / 標準価格:税込\2,243    ISBN:9780679761273
★「知識人とは亡命者にして周辺的存在であり、またアマチュアであり、さらには権力に対して真実を語ろうとする言葉の使い手である。」
著者独自の知識人論を縦横に語った講演。

【4】サイード自身が語るサイード
4314010134の画像サイード,エドワード・W.〈Said,Edward W.〉 / アリ,タリク【著】〈Ali,Tariq〉 / 大橋洋一【訳】
2006/12 (紀伊國屋書店)

標準価格:税込\1,575    ISBN:9784314010139
『サイード自身が語るサイード』(原書)
Conversations with Edward Said
1905422040の画像Ali, Tariq
2006/04 (Seagull Books London Ltd)

カード決済価格:税込\2,281 / 標準価格:税込\4,323    ISBN:9781905422043
★生い立ち、アメリカ移住までの経緯、影響を受けた音楽・文学、『オリエンタリズム』への思い、政治活動の舞台裏、白血病のこと、知識人の使命…。不屈の知識人が自らの軌跡をたどる―。
活字を通して肉声に触れるサイード入門。

【5】エドワード・サイードOUT OF PLACE
4622072114の画像シグロ【編】 / 佐藤真 / 中野真紀子【著】
2006/04 (みすず書房)

標準価格:税込\2,100    ISBN:9784622072119
★日本屈指のドキュメンタリー映画作家・佐藤真(故人)による渾身のロードムービー『エドワード・サイードOUT OF PLACE』シナリオ全編、ロケハンから編集までを綴った監督の制作ノート、チョムスキー、バレンボイムほか本編でカットされた膨大なインタビューを復元収録。
パレスチナ周辺で何が起こり、何が考えられているかについて明快なメンタルマップを提示する最良のサイード入門書。

【6】ペンと剣 (ちくま学芸文庫)
4480089519の画像サイード,エドワード・W.〈Said,Edward W.〉 / バーサミアン,デーヴィッド【著】〈Barsamian,David〉 / 中野真紀子【訳】
2005/12 (筑摩書房)

標準価格:税込\1,260    ISBN:9784480089519
★闘う知識人が、思想界に新潮流を生んだ古典的名著『オリエンタリズム』や『文化と帝国主義』などの自著を語り、パレスチナ問題とのかかわりを広い視野から検討する。

異色のコミュニティ・ラジオ番組で長期に重ねられたインタビューをもとに、平易な語り口のなかにルネサンス的教養人サイードの批評の真髄と情熱を凝縮させた一冊。

【7】権力、政治、文化〈上〉―エドワード・W.サイード発言集成 (homo commercans)
4778310535の画像サイード,エドワード・W.【著】〈Said,Edward W.〉 / ヴィスワナタン,ゴーリ【編】〈Viswanathan,Gauri〉 / 大橋洋一 / 三浦玲一 / 坂野由紀子 / 河野真太郎 / 田村理香【ほか共訳】
2007/02 (太田出版)

標準価格:税込\4,095    ISBN:9784778310530
権力、政治、文化〈下〉―エドワード・W.サイード発言集成 (homo commercans)
4778310543の画像サイード,エドワード・W.【著】〈Said,Edward W.〉 / ヴィスワナタン,ゴーリ【編】〈Viswanathan,Gauri〉 / 大橋洋一 / 三浦玲一 / 坂野由紀子 / 河野真太郎 / 田村理香【ほか共訳】
2007/02 (太田出版)

標準価格:税込\3,780    ISBN:9784778310547
★最初期から晩年までの発言のなかから、最良のものを収集・収録した決定版発言集。
自著に込めた真意の解説、メディア論、音楽/オペラ/パフォーマンス批評、政治と文化、現代社会における知識人の役割―。20世紀を代表する批評家の知られざる姿がここに。『オリエンタリズム』とそれ以後の思考への言及を含む。

【8】野蛮人を待ちながら:サイード論集
Waiting for the Barbarians : A Tribute to Edward W. Said
1844672468の画像Sokmen, Muge Gursoy (EDT) / Ertur, Basak (EDT)
2008/09 (Verso Books)

カード決済価格:税込\3,113 / 標準価格:税込\5,188    ISBN:9781844672462
★マサオ・ミヨシ、ハリー・ハルトゥーニアン、ジャクリーヌ・ローズらの寄稿を得て、サイードの知的遺産を胸に、集合的・雑種的・複数的経験としての文化の経験を取り戻す方途を模索する。

Books
3.欧米のオリエンタリズム

【1】大英帝国のオリエンタリズム―歴史・理論・諸芸術 (MINERVA西洋史ライブラリー)
4623034968の画像マッケンジー,ジョン・M.【著】〈MacKenzie,John M.〉 / 平田雅博【訳】
2001/10 ((京都)ミネルヴァ書房)

標準価格:税込\5,040    ISBN:9784623034963
★文化史・社会史の観点から帝国主義研究を一新して今日もっとも注目されるイギリス帝国史家によるサイードのオリエンタリズム論に対する体系的な批判。まず歴史と理論の面からサイードとサイード以後のこの論争を批判的に検討し、次いで、文化史の素材としてイギリスを中心とした絵画、建築、デザイン、音楽、演劇を選んで、順次検討する。

【2】美学とジェンダー―女性の旅行記と美の言説
4756604846の画像ボールズ,エリザベス・A.【著】〈Bohls,Elizabeth A.〉 / 長野順子【訳】
2004/08 (ありな書房)

標準価格:税込\5,040    ISBN:9784756604842
★オリエンタリズム、ピクチャレスク、崇高美を縦糸に、階級、人種、ジェンダーを横糸に、女性の言説/表象が織り紡ぐ美学的光景が、トルコ、西インド諸島、ピクチャレスク庭園、革命期のパリ、北欧、スコットランドを舞台に、“近代‐美学”を形成する政治的、社会的論理を浮き彫りにする。

【3】王政復古〜18世紀イングランドのオリエント小説:「オリエンタリズム」論への挑戦と発展
Fabulous Orients : Fictions of the East in England 1662-1785
0199234299の画像Ballaster, Ros
2008/02 (Oxford Univ Pr)

カード決済価格:税込\3,763 / 標準価格:税込\5,655    ISBN:9780199234295
★イギリス帝国形成期の東洋についての物語を蘇らせ、西洋的アイデンティティとオリエンタリズムの関係に新たな理解を促した研究。

【4】王政復古〜18世紀イングランドのオリエント小説:作品アンソロジー
Fables of the East : Selected Tales 1662-1785
0199267359の画像Ballaster, Ros (EDT) / Ballaster, Rosalind (EDT)
2005/12 (Oxford Univ Pr)

カード決済価格:税込\4,427 / 標準価格:税込\6,653    ISBN:9780199267354
★上記の研究の論旨を裏づける実際の作品テクストを集成。

【5】アイルランドのオリエンタリズム:文学・思想史
Irish Orientalism : A Literary and Intellectual History (Irish Studies)
0815631642の画像Lennon, Joseph
2008/08 (Syracuse Univ Pr)

カード決済価格:税込\2,801 / 標準価格:税込\4,669    ISBN:9780815631644
★「西洋の中の東洋」であるアイルランドの知られざるオリエンタリズム文学・美術の系譜を紹介する。

【6】アジアの幻影:アメリカ・モダニズムと東アジア
Apparitions of Asia : Modernist Form and Asian American Poetics
0195332733の画像Park, Josephine Nock-hee
2008/02 (Oxford Univ Pr)

カード決済価格:税込\6,352 / 標準価格:税込\9,528    ISBN:9780195332735
★20世紀のアジアとアメリカを結ぶ文学的親密圏をたどる。

【7】ドイツのオリエンタリズム:中東・イスラーム研究1800-1945年
German Orientalism : The Study of the Middle East and Islam from 1800 to 1945
0415464900の画像Wokoeck, Ursula
2009/05 (Routledge)

標準価格:税込\24,963    ISBN:9780415464901
★19世紀から20世紀の前半まで、ドイツの大学が世界の東洋学をリードしていた。
新たな文献を駆使してこの時代の東洋学の進展をたどる。

【8】パリ植民地博覧会―オリエンタリズムの欲望と表象
4434022032の画像モルトン,パトリシア【著】〈Morton,Patricia A.〉 / 長谷川章【訳】
2002/07 ((国立)ブリュッケ;星雲社〔発売〕)

標準価格:税込\3,990    ISBN:9784434022036
★1931年のパリ植民地博覧会は、西洋文明の優位性が可視化された進化論のランドスケープだった。パリ植民地博覧会の成立過程を仔細にたどり、西欧帝国主義に潜在する「文明」と「野蛮」の視線を植民地パヴィリオンから検証する。

【9】ゴビノーとオリエンタリズム:東洋著作選集(英訳)
Comte De Gobineau and Orientalism : Selected Eastern Writings
041544019Xの画像Nash, Geoffrey
2008/11 (Routledge)

カード決済価格:税込\15,508 / 標準価格:税込\23,299    ISBN:9780415440196
★世界の知識人に広範な影響を与えた東洋学者ゴビノーの著作を初めて英訳で紹介する。

【10】明代中国の庭園文化―みのりの場所/場所のみのり
4791764269の画像クルナス,クレイグ【著】〈Clunas,Craig〉 / 中野美代子 / 中島健【訳】
2008/08 (青土社)

標準価格:税込\3,990    ISBN:9784791764266
★幽玄、瞑想的、平安そして広大な宇宙観が投影された悠久の空間とは、中国庭園に抱いてきた根強いオリエンタリズムの幻想。されば実際の庭園とは如何なる場所だったのか。
さまざまな相貌を持つ庭園の実像を、絵画・文学から園芸・植物学、風水そして政治・経済的側面まで踏まえ自在に論じつくし、固定観念を粉砕する第一級の空間論・文化史。

Books
4.西洋から見た日本

【1】表象としての日本 (放送大学教材) 西洋人の見た日本文化
4595237839の画像山内久明 / 柏倉康夫
2004/03 (放送大学教育振興会)

標準価格:税込\2,940    ISBN:9784595237836
★明治以来、西洋人が見て読み解いた日本文化の表象は、日本人が自らの文化について抱く表象とは異なることが多く、しばしば新しい価値を打ち出してきた。日本に滞在した外国人や欧米における日本研究をもとに、西洋人の「目差し」を通して形作られた表象としての日本を分析、考察している。

【2】「上品な日本人」それとも「黄禍」か:欧米の絵葉書に見る日本人像
'Dainty Japanese' or Yellow Peril? : Westliche Kriegspostkarten 1900-1945; Western War-Postcards 1900-1945. Text dtsch.-engl. (Visuell) 2005. II, 164 S. m. zahlr. meist farb. Bildtaf. 23,5 cm Edition
3825886557の画像Linhart, Sepp
2005 (LIT)

カード決済価格:税込\5,187 / 標準価格:税込\6,496    ISBN:9783825886554
★世界理解のメディアとしての絵葉書に映る日本人像の変遷―敵か味方か、劣っているか優れているか―図版多数で読み解く(独英二ヶ国語テクスト)。

【3】ジャポニスム:日本と西洋の文化交流
Japonisme : Cultural Crossings between Japan and the West
0714841056の画像Lambourne, Lionel
2005/05 (Phaidon Inc Ltd)

カード決済価格:税込\9,694 / 標準価格:税込\12,118    ISBN:9780714841052
★1851年のロンドン万博に始まる、日本と西洋の相互影響と文化的輸出入関係の物語を、数々の興味深いエピソードを交えて、視覚芸術全ジャンルをカバーする、カラー図版250点の最新豪華ヴィジュアル書(290×250mm)。

【4】美の交流―イギリスのジャポニスム
4765542408の画像小野文子【著】
2008/06 (技報堂出版)

標準価格:税込\2,940    ISBN:9784765542401
★ランカンブルによって定義されたジャポニスム受容の推移、つまり異文化受容の段階的な発展を念頭に、ホイッスラーとメンペスというロンドンで活躍した2人の画家の日本や日本美術との関わりについて概観する。

【5】ジャポニスム―幻想の日本 (新装版)
4434044613の画像馬渕明子【著】
2004/07 ((国立)ブリュッケ;星雲社〔発売〕)

標準価格:税込\3,570    ISBN:9784434044618
★第19回ジャポニスム学会賞受賞作の新装版。

【6】グレイト・ウェイヴ―日本とアメリカの求めたもの
409356681Xの画像ベンフィー,クリストファー【著】〈Benfey,Christopher〉 / 大橋悦子【訳】
2007/11 (小学館)

標準価格:税込\3,570    ISBN:9784093566810
『グレイト・ウェイヴ ―日本とアメリカの求めたもの』(原書)
The Great Wave : Gilded Age Misfits, Japanese Eccentrics, and the Opening of Old Japan Reprint Edition
0375754555の画像Benfey, Christopher
2004/08 (Random House Inc)

カード決済価格:税込\1,554 / 標準価格:税込\2,590    ISBN:9780375754555
★黒船来航から明治の終焉まで、太平洋の両岸に寄せて返した文明と精神の大きな波、グレイト・ウェイヴを読み解く。オールド日本に見せられた金ぴか時代のアメリカ人の華麗な人物群像―メルヴィルからルーズヴェルトまで―を描いて、全米の話題をさらった刮目の書。

【7】ギルバート&サリバン:サヴォイ・オペラ全集
The Complete Gilbert and Sullivan
0141441291の画像Gilbert, W. S. / Sullivan, Arthur / Glinert, Ed (EDT)
2008/11 (Penguin Classics)

カード決済価格:税込\4,512 / 標準価格:税込\5,655    ISBN:9780141441290
★ヴィクトリア朝英国で大衆的な人気を誇ったサヴォイ・オペラの名作を完全収録。中でも『ミカド』は時の明治政府を震撼させた。

【8】『蝶々夫人』:世紀末のオリエンタリズム、プッチーニのアプローチ、その受容
Madama Butterfly : L'orientalismo di fine secolo, l'approccio pucciniano, la ricezione
8822257804の画像[Puccini] / Groos, di Artur / Bernardoni, Virgilio (cur.)
2008/07 (Olschki)

カード決済価格:税込\9,147 / 標準価格:税込\11,457    ISBN:9788822257802
★日本の長崎を舞台に、「蝶々さん」とアメリカ軍人ピンカートンとの恋を描いたプッチーニの名作歌劇『蝶々夫人』。2004年、初演100周年を記念してプッチーニ研究センターが主催した国際シンポジウムから生まれた論文集が、このほど刊行された。「なぜ長崎か?」などイタリア語と英語の論文が収録されている。

【9】オリエンタリズムとジェンダー―「蝶々夫人」の系譜
458867207Xの画像小川さくえ【著】
2007/10 (法政大学出版局)

標準価格:税込\2,310    ISBN:9784588672071
★西欧における日本女性のイメージはいかにして形成されたか―。
ロティの『お菊さん』、ロング、ベラスコ、プッチーニの『蝶々夫人』を、サイードが指摘する「再構成と繰り返し」の過程として読み直し、レーヴェン『バタフライ』における自己相対化の手法、ウォン『M・バタフライ』における異性装のパフォーマンスにジェンダーの本質と模倣の構造を探る。

【10】ロシア史の中の日本学 (ユーラシア・ブックレット〈No.124〉)
4885957796の画像加藤百合【著】 / ユーラシア研究所・ブックレット編集委員会【企画・編】
2008/06 (東洋書店)

標準価格:税込\630    ISBN:9784885957796
★ピョートル大帝以来の「ロシアにおける日本学」発展の歴史を辿る。スターリン時代には粛清の憂き目にもあった日本学の学者たちの悲劇も紹介。

【11】逝きし世の面影 (平凡社ライブラリー)
4582765521の画像渡辺京二【著】
2005/09 (平凡社)

標準価格:税込\1,995    ISBN:9784582765526
★1999年和辻哲郎文化賞賞受賞作。近代思想史家として知られる著者は、ノスタルジーや愛国心と距離を置きつつ、近代によって失われたものを見極めるべく、いまや永久に失われた江戸文明の幻影を追い求める。

その際に、著者がよすがとするのは、日本に来た異邦人が書き残した、膨大な文献の数々である。近年のオリエンタリズム批判にもかかわらず、異国を見つめる彼らの観察は、各々きめ細やかで、組み合わせることで、複眼的な真実に迫ることができると考えられる。いわば、方法としての異国趣味を選ぶ取った本書は、見事にその狙いを達し、著者の文章力と相俟って、各紙誌で絶賛の声が絶えないロングセラーである。

Books
5.反転するオリエンタリズム/オクシデンタリズム

【1】反西洋思想 (新潮新書)
4106101823の画像ブルマ,イアン〈Buruma,Ian〉 / マルガリート,アヴィシャイ【著】〈Margalit,Avishai〉 / 堀田江理【訳】
2006/09 (新潮社)

標準価格:税込\756    ISBN:9784106101823
イアン・ブルマ共著/オクシデンタリズム:敵の眼に映る西洋
Occidentalism : The West in the Eyes of its Enemies Reprint Edition
0143034871の画像Buruma, Ian / Margalit, Avishai
2005/03 (Penguin Group USA)

カード決済価格:税込\1,455 / 標準価格:税込\2,425    ISBN:9780143034872
★東洋が西洋にとっての他者なら、西洋は東洋にとっての他者である。エドワード・サイードの『オリエンタリズム』とは逆に、時代、地域を越えて反復、増幅されてきた東洋の西洋観を、「近代の超克」からイスラーム原理主義にいたるまで検証。

【2】日本と中国における「西洋」の発見―19世紀日中知識人の世界像の形成
4634649608の画像銭国紅【著】
2004/10 (山川出版社)

標準価格:税込\3,360    ISBN:9784634649606
★1842年、アヘン戦争で清がイギリスに敗北したあと、黒船来航までわずか11年。この間、欧米列強のアジア進出、南下するロシアという危機的情況に、日本と中国の知識人は、どう対処しようとしたのか。

【3】アジアの反西洋主義の政治学:汎イスラーム・汎アジア思想に見る世界秩序観
The Politics of Anti-Westernism in Asia : Visions of World Order in Pan-Islamic and Pan-Asian Thought
0231137788の画像Aydin, Cemil
2007/06 (Columbia Univ Pr)

カード決済価格:税込\4,255 / 標準価格:税込\5,803    ISBN:9780231137782
★オスマン・トルコの汎イスラーム主義と日本の汎アジア主義を比較することによって、反西洋主義のグローバルな展開を描き出す。

【4】アジアは“アジア的”か
4779500311の画像植村邦彦【著】
2006/03 ((京都)ナカニシヤ出版)

標準価格:税込\2,730    ISBN:9784779500312
★<アジア>とはどこのことか? <アジア>とは何か?――
アジアをめぐる言説の歴史とイメージの来歴を問い糾し、アジアの<思想>に迫る。16世紀以降の近代ヨーロッパの「ヨーロッパ/アジア」認識と、「アジア」イメージの複雑な来歴を詳述し、一見自明な既存のアジア像を揺さぶり、アジアとはどこかを刺激的に問うた待望の書。

【5】イエロー・ペリルの神話―帝国日本と「黄禍」の逆説
4882029057の画像飯倉章【著】
2004/07 (彩流社)

標準価格:税込\2,625    ISBN:9784882029052
★「帝国主義」と「人種国家」の時代にあって、「黄禍」は日本外交に自制を促す逆説的役割を果たしながら、一方で日本のみが世界史で特別な役割を担っているという日本例外主義の源泉ともなった。
複雑で魅力的な「黄禍」の通説と論争を読み解く試み。

【6】平川祐弘著/日本と西洋の愛憎関係
Japan's Love-hate Relationship with the West
1901903818の画像Hirakawa, Sukehiro
2004/10 (Global Oriental)

カード決済価格:税込\14,610 / 標準価格:税込\18,306    ISBN:9781901903812
★東京大学の比較文学の教授として長年後進の育成にあたり、ラフカディオ・ハーン研究で知られる著者の渾身の著書は、早くも日本に関する英文書の名著とされている。

【7】西洋人たちの語ったラフカディオ・ハーン:初期英文伝記集成(復刻集成・全4巻+別冊解説)
Early Biographical Sources of Lafcadio Hearn
4861661021の画像2008/11 (Edition Synapse)

カード決済価格:税込\73,920 / 標準価格:税込\92,400    ISBN:9784861661020
★監修・解説(日本語・英語):梅本順子(日本大学国際関係学部教授)。
西洋人から見たハーンとは何者であったのか―今日では入手困難になっている、英文で出版された戦前のハーンの伝記や人物研究10点を集成したコレクション。

※詳細は末尾に記載されている紀伊國屋書店 e-Alert事務局までご請求ください。

【8】西岸のシレーン:近代日本文学における西洋的ファムファタル、翻訳と土着的文体
Sirens of the Western Shore : The Westernesque Femme Fatale, Translation, and Vernacular Style in Modern Japanese Literature
0231137869の画像Levy, Indra A.
2006/10 (Columbia Univ Pr)

カード決済価格:税込\5,717 / 標準価格:税込\7,796    ISBN:9780231137867
★明治から大正にかけての日本近代文学の形成期における新たな原型として「西洋的ファムファタル(運命の女)」を提示。日本人でありながら、容姿、言葉遣いなどが「西洋」を連想させるエキゾチックな女性登場人物を通して、東洋と西洋の間における、ジェンダー、翻訳、パフォーマンスの問題が浮き彫りにされる。

【9】西洋絵画の到来―日本人を魅了したモネ、ルノワール、セザンヌなど
4532124123の画像宮崎克己【著】
2007/11 (日本経済新聞出版社)

標準価格:税込\3,990    ISBN:9784532124120
★西洋絵画、なかでもモネやルノワールが、どのように日本人に親しまれるようになったか。「印象派」絵画が初めは画家にやがて憧れの対象として両大戦間に出現した富裕層のコレクターに収集された過程を興味深く考察。

【10】ヨネ・ノグチ(野口米次郎)英文著作集・第2集:『浮世絵および日本美術評論集』(復刻集成版・全3巻)
Books on Ukiyoe and Japanese Arts in English by Yone Noguchi
4861660955の画像Yone, Noguchi
2008/10 (Edition Synapse)

カード決済価格:税込\75,432 / 標準価格:税込\94,290    ISBN:9784861660955
★監修・解説:稲賀繁美(国際日本文化研究センター教授)。
「アメリカ産の日本詩人」ヨネ・ノグチにとって日本美術とは何だったか。浮世絵作家論に加え、『広重と日本の風景』『初期浮世絵論』『聖武天皇と正倉院』など、ノグチが単行本で出版した海外向け日本美術論をすべて復刻。

※詳細は末尾に記載されている紀伊國屋書店 e-Alert事務局までご請求ください。

【11】イアン・ブルマ著/小説・李香蘭=山口淑子
The China Lover
1594201943の画像Buruma, Ian
2008/09 (Penguin Pr)

カード決済価格:税込\2,801 / 標準価格:税込\4,669    ISBN:9781594201943
★『戦争の記憶』などの名著で知られるイアン・ブルマが筆を執った、李香蘭=山口淑子を主人公とする小説。近代日本の転回とねじれを体現する存在として、彼女の生涯を想像を交えて描く。

【12】イサム・ノグチ〈上〉―宿命の越境者 (講談社文庫)
406273690Xの画像ドウス昌代【著】
2003/07 (講談社)

標準価格:税込\789    ISBN:9784062736909
イサム・ノグチ〈下〉―宿明の越境者 (講談社文庫)
4062736918の画像ドウス昌代【著】
2003/07 (講談社)

標準価格:税込\789    ISBN:9784062736916
★母の国、アメリカ、父の国、日本。二つの国のはざまでアイデンティティを引き裂かれ、歴史の激流に翻弄された芸術家の一生。父(ヨネ・ノグチ)との葛藤、山口淑子(李香蘭)との国際結婚…。
「ミケランジェロの再来」と謳われた巨匠の波瀾に富んだ生涯を描ききった傑作。

第22回講談社ノンフィクション賞受賞作。

【13】バーナード・リーチの生涯と芸術―「東と西の結婚」のヴィジョン (シリーズ・人と文化の探究〈1〉)
4623043045の画像鈴木禎宏【著】
2006/03 ((京都)ミネルヴァ書房)

標準価格:税込\7,350    ISBN:9784623043040
★「東と西の結婚」という言葉で知られる陶芸家、バーナード・リーチ。「現代性」と「伝統」、「東洋」と「西洋」をそれぞれ橋渡しするという理想のもと、いかなる活動を展開し、独自の作品世界を作り上げたかについての総合的研究。第27回ジャポニスム学会賞受賞作。
※洋書カタログ「オリエンタリズム再考」(20ページ/SB-2147)、続編「コロニアル・モダン」(SB-2150)、「日本の<モダン>U:近代との格闘」(SB-2153)もございます。
ご希望の方は、末尾に記載されている紀伊國屋書店 e-Alert事務局までご請求ください。

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