| 【テレビを学ぶ、テレビと遊ぶ】 (No.197 2008. 4. 8配信号) |
テレビについて、これまで学問的に捉えられる機会は少なかったかもしれませんが、テレビが私たちの生活深く根付いており、絶対に無視できないメディアだということは、疑いようもありません。 最近のアメリカ大統領選などで分かるように、政治に対するメディアの力は既に広く認識されており、娯楽面でも、インターネットがその役割を成り代わろうして見えますが、まだなおテレビ/インターネットと語られること自体に、私たち生活が、どれだけテレビに沿ったものだったかを、うかがい知れましょう。 今回のe-Alert Plus!では、テレビがどのような手つきで大衆を捕らえたか、綿密なテクスト分析を行っているタイトルから、メディア論として考える”テレビ”まで、広くご紹介いたします。テレビ文化を通してしか分からない、新たな社会像が浮かび上がることでしょう。 ◇◆INDEX◆◇ 1.報道・政治 2.娯楽・番組研究 3.メディア論からのアプローチ 4.洋書 |
1.報道・政治 |
【1】 | メディアが変える政治 (政治空間の変容と政策革新〈5〉) | |
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ポプキン,サミュエル〈Popkin,Samuel L.〉 / 蒲島郁夫 / 谷口将紀【編】 2008/03 (東京大学出版会) 標準価格:税込\4,725 ISBN:9784130342650 |
★メディア環境の変化が『メタ政策システム』ひいては個別領域毎に定義される『政策システム』まで変えていく様子を丁寧に追った論集。21世紀COEプログラム「先進国における《政策システム》の創出」の研究成果をまとめる「政治空間の変容と政策革新」シリーズ。 |
【2】 | 「民主主義」を疑え! | |
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徳岡孝夫【著】 2008/02 (新潮社) 標準価格:税込\1,575 ISBN:9784103804031 |
★「歴史」を鵜呑みにするな、現場へ行け、人は何のために生きるか常に考えよ…。最先端の現場に立ち続けたジャーナリストが教える、メディアを通して「真実」を見抜くための条件を探る。 |
【3】 | テレビニュースの解剖学―映像時代のメディア・リテラシー | |
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小玉美意子【著】 2008/03 (新曜社) 標準価格:税込\1,995 ISBN:9784788510937 |
★圧倒的影響力にも関わらず、論じられることの少ないテレビニュースについて、映像データの録画から内容分析の仕方まで、懇切ていねいに解き明かした、初めての入門書。 |
【4】 | テレビニュースの社会学―マルチモダリティ分析の実践 | |
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伊藤守【編】 2006/04 ((京都)世界思想社) 標準価格:税込\2,415 ISBN:9784790711810 |
★テロップ、画像、音声、音響、キャスターをとらえるカメラ・アングルなど、多様なモードから作られたテレビのニュース番組。従来のニュース分析やジャーナリズム研究の視点とは一線を画するものとして、批判的ディスコース分析/マルチモダリティ分析によるニュース分析手法を実践する。 |
【5】 | ご臨終メディア―質問しないマスコミと一人で考えない日本人 (集英社新書) | |
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森達也 / 森巣博【著】 2005/10 (集英社) 標準価格:税込\714 ISBN:9784087203141 |
★NHKの腐敗、フジVSライブ、日本テレビの視聴率操作、悪名高い記者クラブ。私たちが知らない間に巻き込まれているテレビの機能不全を、徹底的に解明する。 |
【6】 | テレビは戦争をどう描いてきたか―映像と記憶のアーカイブス | |
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桜井均【著】 2005/09 (岩波書店) 標準価格:税込\4,200 ISBN:9784000240154 |
★テレビ・ドキュメンタリーは、近代以降の日本の戦争をどう描き、あるいは描いてこなかったのかを総覧しつつまとめる体験的ドキュメンタリー論。戦争関連テレビ・ドキュメンタリー番組年表を付す。 |
2.娯楽・番組研究 |
【1】 | テレビ番組事始―創生期のテレビ番組25年史 | |
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志賀信夫【著】 2008/02 (日本放送出版協会) 標準価格:税込\3,150 ISBN:9784140812778 |
★今に至るテレビ番組の原型を求めてみると、それはテレビ放送開始からの四半世紀の間に確立しなかったか。テレビ創世記からテレビの手法が確立された25年に限ってヒットしたテレビ番組をまとめた、重厚なテレビ番組研究保存版クロニクル。 |
【2】 | テレビだョ!全員集合―自作自演の1970年代 | |
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長谷正人 / 太田省一【編著】 2007/11 (青弓社) 標準価格:税込\2,520 ISBN:9784787232809 |
★誰かの意図や戦略に回収されない不透明な出来事としての”自作自演性”が70年代テレビにはなかったか。それこそがテレビがテレビであることのなまなましさであり、楽しさではなかったか。 「歴史」として語られる対象になりつつある1970年代のテレビを、またそれを通してテレビそのものを本格的に論じた記念すべき論集。 |
【3】 | グロ−バル・プリズム 〈アジアン・ドリ−ム〉としての日本のテレビドラマ | |
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岩渕功一 / イエン・アン 2003/08 (平凡社) 標準価格:税込\2,730 ISBN:9784582452259 |
★日本のトレンディドラマが、いかにアジアで浸透したのか。日本の編者を始め、韓国、台湾、香港、そして中国人の執筆者によって書かれている新たなメディア文化分析。 |
【4】 | 文化としてのテレビ・コマーシャル | |
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山田奨治【編】 2007/03 ((京都)世界思想社) 標準価格:税込\3,150 ISBN:9784790712541 |
★名作至上主義のCM研究に一石を投ずると同時に、CM表現の多角的分析を通して文化や社会の変動をとらえようとする試み。CMという数十秒の世界から広がる文化研究の可能性を提示する。 |
【5】 | 天地無用―テレビ消灯時間〈6〉 (文春文庫) | |
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ナンシー関【著】 2004/09 (文芸春秋) 標準価格:税込\470 ISBN:9784167622091 |
★タレントたちがどのようにテレビの中で生きているのか、ひたすらテレビを見ることによって解明していく。気鋭のコラムニストによる、1990年代のテレビ番組評論集。 |
3.メディア論からのアプローチ |
【1】 | マクルーハンの光景 メディア論がみえる (理想の教室) | |
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宮澤淳一【著】 2008/02 (みすず書房) 標準価格:税込\1,680 ISBN:9784622083283 |
★メディア論の元祖にして不可解な思想家、マーシャルマクルーハン。ジョン・ケージが絶賛した本邦初訳の『外心の呵責』の精読、『メディアはメッセージである』の新解釈、聴覚空間論などを含む、吉田秀和賞のグルード研究者による、斬新なマクルーハン入門書。 |
【2】 | ニューメディア「誤算」の構造 | |
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川本裕司【著】 2007/11 (リベルタ出版) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784903724089 |
★華々しく登場したにも関わらずその多くのシナリオが崩れ、幻想に終わったニューメディアの”失敗”の原因を解き明かし、その失敗を通じて、今後のメディアの有り方を探る。 |
【3】 | 記憶・暴力・システム―メディア文化の政治学 (思想・多島海シリーズ) | |
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伊藤守【著】 2005/07 (法政大学出版局) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784588100055 |
★極めて重要な政治過程を定義するのに、それ以外の認識を許さない仕組みを構造化する強力な権力装置、メディア。権力のテクノロジー、闘争・葛藤の過程としてのコミュニケーションを分析し、メディア文化の意味および可能性を問う。 |
【4】 | テレビを「読む」 | |
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フィスク,ジョン〈Fiske,John〉 / ハートレー,ジョン【著】〈Hartley,John〉 / 池村六郎【訳】 2000/12 (未来社) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784624011055 |
★何気ない場面にも暗示された階級・人種・ジェンダーとは?TV黄金時代の各番組の数々を俎上に乗せて、すぐれて政治的なテレビの社会的機能を分析する。 |
【5】 | 情報化爆弾 | |
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ヴィリリオ,ポール【著】〈Virilio,Paul〉 / 丸岡高弘【訳】 1999/11 (産業図書) 標準価格:税込\2,205 ISBN:9784782801284 |
★現代の最先端の思想家ヴィリリオが、メディアの変容に伴って起こる、「時間」と「速度」による「旧世界の解体」、また「知覚空間」の破壊など、現実社会がどのように再編成されるのかを解明する。 |
【6】 | メディア・スタディーズ (serica archives) | |
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吉見俊哉【編】 2000/04 (せりか書房) 標準価格:税込\2,625 ISBN:9784796702249 |
★メディアの氾濫と研究の貧困に向けて、カルチュラル・スタディーズの実り多い研究成果を紹介し横断的な知としてのメディア論を独自に構想することでマクルーハン以後のメディア論の核心に迫る。 |
4.洋書 |
【1】 | 政治的コミュニケーション(全4巻) Political Communication (Sage Benchmarks in Communication Series) | |
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Seib, Philip (EDT) 2008/02 (Sage) カード決済価格:税込\124,372 / 標準価格:税込\186,558 ISBN:9781412947381 |
★1927年から21世紀の初頭までの約80年間に書かれた政治的コミュニケーションに関連する論文を、その概念から政治的影響、ニューメディア台頭までテーマ毎に集成。政治とメディアの関係性についての重要論文集。 |
【2】 | J.ハートレー著/テレビの真実 Television Truths | |
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Hartley, John 2008/02 (Blackwell Pub) カード決済価格:税込\3,375 / 標準価格:税込\5,614 ISBN:9781405169790 |
★テレビの文化的効用から、グローバルな世界政治への影響まで、”テレビ市民”の概念を使いながら最新のテレビ分析を行う。 |
【3】 | フランスの哲学者とテレビ Turning on the Mind : French Philosophers on Television | |
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Chaplin, Tamara 2007/12 (Univ of Chicago Pr) カード決済価格:税込\2,570 / 標準価格:税込\3,855 ISBN:9780226509914 |
★戦後フランス国家アイデンティティを理解するのに、テレビ哲学の歴史が非常に重要だと、かつてチャップリンが言った・・。戦後フランスで、テレビがどのように受け止められたかを時代毎に丁寧に追う。 |
【4】 | ロシアにおけるテレビ、権力と公衆 Television, Power and the Public in Russia | |
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Mickiewicz, Ellen 2008/04 (Cambridge Univ Pr) カード決済価格:税込\3,210 / 標準価格:税込\4,817 ISBN:9780521716758 |
★ロシアの人々は、テレビニュースをどのように捉えているのか。その独自なプロセスを描く初めての研究書。 |
【5】 | リアリティ・テレビとライフスタイル・テレビ Better Living through Reality TV : Television and Post-Welfare Citizenship | |
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Ouellette, Laurie / Hay, James 2008/02 (Blackwell Pub) カード決済価格:税込\3,206 / 標準価格:税込\4,811 ISBN:9781405134415 |
★私たちの日常やライフスタイルに、テレビがどのようなインパクトを与えているのかを、社会・政治・文化に至るまで幅広い範囲で考える基本テキスト。 |
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