| 【21世紀の河川再生】 (No.170 2007.12.18配信号) |
20世紀後半、高度経済成長期には環境汚染の象徴とも言えた日本の河川ですが、その後の民間企業の自浄努力や、河川行政の方針見直しなどにより、近頃ではひところよりも水質改善された川が多く見受けられるようになりました。 また、学問の分野では従来の枠組みを超えて、川の生態系や流域の森林環境などを統合的に研究しようとする新たな試みも増えつつあります。 今回のe-Alert Plus!では、そのような河川の自然再生や環境問題における水の役割に関連する書籍を18点ご案内致します。 |
1.自然再生の河川工学 |
【1】 | 多自然型川づくりを越えて | |
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吉川勝秀【編著】 / 妹尾優二 / 吉村伸一【著】 2007/04 ((京都)学芸出版社) 標準価格:税込\3,360 ISBN:9784761531539 |
★90年代に急速に普及した多自然型工法による川づくりは、15年を経て幾多のあらたな課題に直面している。本書は、全国での実践を踏まえた多自然型川づくりの基本をまとめ、さらに、自然と共生し、都市・地域の軸となる「空間としての川づくり」を提案する。 |
【2】 | 河川の水質と生態系―新しい河川環境創出に向けて | |
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大垣眞一郎【監修】 / 河川環境管理財団【編】 2007/05 (技報堂出版) 標準価格:税込\3,780 ISBN:9784765534185 |
★河川における生態系と水質の相互的な関係に関する研究をとりまとめた研究書。河川水質管理と健全な生態系に対する提言に向けて、できる限り新しい知見に基づき、河川環境の新しい創出への応用も考慮に入れて、研究した成果をまとめる。 |
【3】 | 河川計画論―潜在自然概念の展開 | |
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玉井信行【編】 2004/10 (東京大学出版会) 標準価格:税込\6,300 ISBN:9784130611251 |
★河川環境の保全をテーマにして、水倫理、治水、水資源、生態/流域環境などの視点から、河川計画および流域管理の体系化を試みる。すべての河川研究者、河川技術者、河川管理者にとって、これからの河川を考えるうえで重要な指針を提示する。 |
【4】 | 河川流域環境学―21世紀の河川工学 | |
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吉川勝秀【著】 2005/03 (技報堂出版) 標準価格:税込\3,675 ISBN:9784765534048 |
★従来の水理学的な河川工学や、「河川空間」内での現象等について記した河川工学に留めず、河川空間を含む「沿川空間」や、さらに範囲を広げた「流域空間」にまで視野を広げ、これからの河川工学、河川流域工学について述べた書。 |
2.森・川・海の繋がり |
【1】 | 森里海連環学―森から海までの統合的管理を目指して | |
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京都大学フィールド科学教育研究センター【編】 / 山下洋【監修】 2007/02 ((京都)京都大学学術出版会) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784876986897 |
★森を扱うのは森林学、海を扱うのは海洋学、河を扱うのは河川工学・・・。旧来の細分化された枠組を超えて、「森」「川」「海」の環境連環の総合的理解と統合的管理を目指す新しい学問を創造する。 |
【2】 | 森と里と海のつながり―京大フィールド研の挑戦 | |
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京都大学フィールド科学教育研究センター【編】 2004/08 ((大阪)大伸社;〓(えい)出版社〔発売〕) 標準価格:税込\2,000 ISBN:9784777901425 |
★森と海のつながりの再生を目指した「森里海連環学」創生への挑戦とは?2004年6月2日から8月29日に開催された京都大学総合博物館春季企画展のパネルに詳しい説明を加え、京大フィールド研の研究内容や今後の展開を紹介する。 |
【3】 | コモンズの社会学―森・川・海の資源共同管理を考える (シリーズ環境社会学〈2〉) | |
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鳥越皓之【企画・編】 / 井上真 / 宮内泰介【編】 2001/03 (新曜社) 標準価格:税込\2,520 ISBN:9784788507487 |
★コモンズと呼ばれる“森・川・海”の資源管理や利用には、人々の暮らしが深くかかわってきた。資源を大切に保ってきた地域の慣習やしくみは、どのようなものだったのか。日本と熱帯のフィールドからコモンズの熱い息吹と危機の現実を伝える。 |
【4】 | 森、里、川、海をつなぐ自然再生―全国13事例が語るもの | |
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自然再生を推進する市民団体連絡会【編】 2005/07 (中央法規出版) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784805846100 |
★全国各地の森林・山村・湖・川・海といった場で、住民やNPO、行政などが連携し、自然再生を目指して地域づくりに取り組んでいる先駆的な13事例を紹介。フィールドを異にする4つの全国組織が手をつなぎ、自然環境を守り再生していくために何ができるかを語り合った。 |
【5】 | 緑のダム―森林・河川・水循環・防災 | |
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蔵治光一郎 / 保屋野初子【編】 2004/12 (築地書館) 標準価格:税込\2,730 ISBN:9784806713005 |
★台風のあいつぐ来襲で、ますます注目される森林の保水力。これまで情緒的に語られてきた「緑のダム」について、第一線の研究者、ジャーナリスト、行政担当者、住民などが、あらゆる角度から森林(緑)のダム機能を論じた日本で初めての本。意見が対立する研究者たちの論考も同時に収載している。 |
【6】 | 森が消えれば海も死ぬ―陸と海を結ぶ生態学 (ブルーバックス〈B‐977〉) | |
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松永勝彦【著】 1993/07 (講談社) 標準価格:税込\861 ISBN:9784061329775 |
★本書では、長年、森・川・海をひとつながりの生態系としてとらえ、研究し続けてきた著者が、自身の体験談をまじえながら、陸の森と海の生物との深いつながりを語り、地球環境にはたす森林の大きな役割を紹介する。 |
3.里山学・里川学 |
【1】 | 里山学のすすめ―「文化としての自然」再生にむけて | |
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丸山徳次 / 宮浦富保【編】 2007/06 ((京都)昭和堂) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784812207383 |
★川の再生は里山から。里山的自然とは何かを明らかにし、里山維持の伝統的な技法と作法を解明してそれを現在に生かすヒントを探求、将来にわたって保全していくための里山学を提唱。自然科学と人文社会科学、専門家と市民のバリアを越えて協働する実践学。 |
【2】 | 里山の環境学 | |
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武内和彦 / 鷲谷いづみ / 恒川篤史【編】 2001/11 (東京大学出版会) 標準価格:税込\2,940 ISBN:9784130603010 |
★日本の里山。自然と人間が共存する場である里山や里地を未来に伝えるために私たちがなすべきことはなにか。科学、市民、行政などさまざまな立場から、グローバルかつローカルな視点で、これからの里山との関わり方について論じる。 |
【3】 | 里川の可能性―利水・治水・守水を共有する | |
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鳥越皓之 / 嘉田由紀子 / 陣内秀信 / 沖大幹【編】 / ミツカン水の文化センター【企画】 2006/10 (新曜社) 標準価格:税込\2,310 ISBN:9784788510241 |
★これからの私たちは水と川とどのようにつきあえばよいのか。里川とは里山をもじった造語。環境社会学・建築史・河川工学の視点から、日本中の川を三面コンクリートにした河川行政の行き過ぎを反省し、琵琶湖、東京下町など川と人の結びつきの深い地域を調査・取材。利水、治水だけでなく、川を地域の財産、愛着ある場として共有する「守水」の考え方を提案する。 |
4.水を科学する |
【1】 | 森林水文学―森林の水のゆくえを科学する | |
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森林水文学編集委員会【編】 2007/03 (森北出版) 標準価格:税込\5,040 ISBN:9784627290914 |
★森林水文学と砂防学を合わせて議論した画期的な一冊。森林に降った雨が、遮断され、土中へしみ込み、蒸発し、化学反応を伴いながら斜面を下降し、樹木から蒸散される現象について、最新の研究成果をわかりやすく解説。水の動きが環境に与える影響をモデル化し、評価していく上で、森林の水循環という分野横断的な科学的プロセスを理解するように配慮している。 |
【2】 | 地圏水循環の数理―流域水環境の解析法 | |
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登坂博行【著】 2006/12 (東京大学出版会) 標準価格:税込\5,460 ISBN:9784130628136 |
★地圏の水循環を数理的側面からとらえ、蒸発散、河川、地下水などの状況別に定量化して評価していく手法を解説する。水管理施策に役立つ理論やモデル、数式を網羅しており、水に関わる技術者や実務者必読の書。 |
【3】 | 地圏の水環境科学 | |
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登坂博行【著】 2006/11 (東京大学出版会) 標準価格:税込\5,040 ISBN:9784130628129 |
★人間の生活域である地圏に存在する水とその循環に焦点をあて、複数分野にまたがる水の知識の統合と総合的な理解を目的とした教科書。自然環境での水の働きとともに、現代社会での水利用と水循環への影響、災害など、人間と水の関わりについて学ぶことができる。 |
【4】 | 水環境ハンドブック | |
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日本水環境学会【編】 2006/10 (朝倉書店) 標準価格:税込\33,600 ISBN:9784254261493 |
★水が生命を支える基本であることは言うまでもない。生き物の生存する環境を水という視点で切り出し、一般化しようとする発想が「水環境」という概念。人間活動の拡大に伴う水の量・質に関する種々の問題解決に向けて、本書ではこれらを新たな切り口で体系化しようと試みており、第一線の水環境研究者の総知を結集したものとなっている。 |
【5】 | 陸水の事典 | |
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日本陸水学会【編】 2006/03 (講談社) 標準価格:税込\10,500 ISBN:9784061552210 |
★日本初の「陸水の事典」。湖沼、河川、地下水など陸水域の物理学、化学、生物学、地球科学、環境科学ならびに関連応用科学にわたる広範囲な分野の用語の概念と簡潔かつ詳細な解説を世のニーズに応えて提供する。日本陸水学会が総力を結集してまとめた集大成。 |
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