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【身体文化と変容の可能性―『踊る身体の詩学』を中心に】 (No.93 2007.1.16配信号) |
身体が変れば自分も変る? ―私たちの「変身」願望を映してか、現代はありとあらゆる身体改変の実践/サービスが蔓延しています。 前世紀初頭にもそうであったように、時代の危機が「身体」を呼び出すのだとすれば、昨今の「身体」ブームは、 どこに行き着くのでしょうか? ここでは、最近上梓された『踊る身体の詩学』を中心に、私たちが「身体」に賭ける変容の可能性とその帰結を 考えてみましょう。 |
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※価格は1月時点のものです。為替レートの変動などにより変更されることがありますので、最新価格はBookWeb Proをご参照下さい。 |
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【1】
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踊る身体の詩学―モデルネの舞踊表象 | |||
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山口庸子 2006/12 (名古屋大学出版会) |
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標準価格:税込\5,200 ISBN:9784815805500 |
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前世紀初頭の爆発的な舞踊ブームとは何であったのか―その宇宙論的な表象の広がりを、同時代の文学的
実践との関わりの中で読み解く画期的な著。 ヨーロッパの精神的危機と再建運動、諸種の小コミュニティの成立といった、それ自体興味深いドイツ語圏の モデルネ(近代)の多彩な知的コンテクストを辿りながら、著者はそのジェンダー論的な読み直しを試みてい る。そして、ニーチェに由来する踊る身体の両極の負の側面を代表するナチズムに対して、3人のユダヤ系女性 芸術家の実践を対置する。 |
【2】
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ビル・ヴィオラ はつゆめ | |||
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木下哲夫 近藤健一 2006/11 (淡交社) |
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標準価格:税込\2,940 ISBN:9784473033482 |
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森美術館で2006年に開催されていた同名展のカタログ。兵庫県立美術館に巡回(2007年1月23日〜3月21日) ※展示会の詳細はこちら ビル・ヴィオラは、1951年ニューヨーク生まれ。現代アートの手法として定着した、ヴィデオ・アートの第一人者 として知られる。1980年代に日本に滞在し、禅思想や能などの伝統芸能に親しむなかで、独特の創作世界を構築した。 本書は、アジア初となる大規模な展覧会の出品作を核としながら、ヴィオラ芸術の全容を回顧できる内容。 論文は海外の研究者が執筆、資料編も充実。 |
【3】
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身体をめぐるレッスン(全4巻シリーズ/2点刊行済み) | |||
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鷲田清一 荻野美穂 石川准 市野川容孝 <編集委員>(岩波書店) |
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1.夢みる身体 | ||
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鷲田清一 2006/11 | |
標準価格:税込\2,835 ISBN:9784000267274 | ||||
身体の「幻想」とは、私たちが抱える自己イメージであり、それを通して初めて私たちは自らや他者に出会うこと ができる。身体の「幻想」が、当の身体をいかに硬直させ/解き放ち、他者を引き入れ/排除するのかを探る。 |
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2.資源としての身体 | ||
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荻野美穂 2006/12 | |
標準価格:税込\2,835 ISBN:9784000267281 | ||||
現代社会の中では、身体は、労働力として、さらには移植用臓器や医療品の原材料の供給源などとして、価値 や有用性を値踏みされる対象となっている。社会が身体を資源と見なし統制しようとするメカニズムと、そのよう な統制への抵抗の契機を探る。 |
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3.脈打つ身体 | ||
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石川准 2007/1刊行予定 <未刊・ご予約受付中> | |
標準価格:税込\2,835 ISBN:9784000267298 | ||||
身体は絶え間なく統御・酷使され、物質としての有限性に苦しむ一方で、「持ち主」に対する自律性を持って いる。身体の有限性/自律性という視点から、私たちと身体との折り合いのつけ方を探る。 |
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4.交錯する身体 | ||
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市野川容孝 2007/2刊行予定 <未刊・ご予約受付中> | |
標準価格:税込\2,835 ISBN:9784000267304 | ||||
人間の生は、感情に強く規定された親密性にくるまれながら、安らぎと苛立ち、尊厳と恥辱、優しさと暴力の間を 揺れ動く。この両義的な親密性を生きる身体の実相を描きだしつつ、新たな親密圏の可能性について考える。 |
【4】
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ニーチェ『ツァラトゥストラはこう語った』(原書) Also sprach Zarathustra I-IV : Hrsg. v. Giorgio Colli u. Mazzino Montinari (dtv Taschenbucher Bd.30154) | |||
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Nietzsche, Friedrich 2000 (DTV; de Gruyter) |
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カード決済価格: 税込\1,474 / 標準価格: 税込\2,221 ISBN:9783423301541 |
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ニーチェの代表著にして、その舞踊の哲学が文体上の遊戯としても実地に展開されるドイツ語散文の傑作 『ツァラトゥストラ』。かのコッリとモンティナーリによる批判校訂版の文庫で読めるテクスト。 |
【5】
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ニーチェの踊り手たち:イサドラ・ダンカン、マーサ・グラハムとキリスト教的価値の価値転換 Nietzsche's Dancers : Isadora Duncan, Martha Graham, and the Revaluation of Christian Values | |||
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LaMothe, Kimerer L. 2006/02 (Palgrave Macmillan) |
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カード決済価格: 税込\8,873 / 標準価格: 税込\14,784 ISBN:9781403968258 |
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ニーチェの舞踊論に大きな影響を受けたダンカンとグラハムの舞踊の実践が、ニーチェの「あらゆる価値の価値 転換」のプロジェクトの中でどのような意味を持っていたかを示す。 |
【6】
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「我らとともに新しい時代が…」:ドイツ青年運動におけるワンダーフォーゲル 'Mit uns zieht die neue Zeit...': Der Wandervogel in der deutschen Jugendbewegung (Materialien zur Historischen Jugendforschung) | |||
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Hrsg. v. Ulrich Herrmann 2006 (JUVENTA) |
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カード決済価格: 税込\6,909 / 標準価格: 税込\8,636 ISBN:9783779911333 |
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20世紀初頭における身体実践の地殻変動の理解に欠かせないワンダーフォーゲル。本書は1901年ワンダーフ
ォーゲル創始百周年記念シンポジウム論文集。その出現の同時代的背景、文化的実践、後世への画期的影響
を論ずる。 世紀転換期の文化批評への入門、この時代の改革運動(『踊る身体の詩学』にて多数言及)の背景理解、ナチ ズムの「美しい身体」へと至るドイツ青年史の研究に貴重。 |
【7】
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ベリー・ダンス:オリエンタリズム、トランスナショナリズムとハーレム幻想 Belly Dance : Orientalism, Transnationalism, and Harem Fantasy (Bibliotheca Iranica. Performing Arts Series) | |||
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Shay, Anthony (EDT) / Sellers-Young, Barbara (EDT) 2005/10 (Mazda Pub) |
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カード決済価格: 税込\5,964 / 標準価格: 税込\7,434 ISBN:9781568591834 |
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20世紀に入って多くの西洋女性をも惹きつけた東洋女性の即興の舞踊(とりわけベリー・ダンス)の表象がいか にオリエンタリズム幻想と結びついてきたかを示す。 |
【8】
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サロメのダンスの起源―フロベールの『ヘロディアス』における”科学的装置”
と多層的象徴学(仏文書) La gen`ese de la danse de Salom´e L’“Appareil scientifique”et la symbolique polyvalente dans H´erodias de Flaubert | |||
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大鐘敦子 2006/03 (慶應義塾大学出版会) |
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標準価格:税込\12,600 ISBN:9784766412314 |
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19世紀末〜20世紀初頭のヨーロッパに吹き荒れた、サロメ、ルルなどのファム・ファタール(運命の女)の表象。
本書は、文学、美術、演劇、音楽にわたって、天才芸術家たちの創作意欲を刺激したサロメの踊りのモチーフを
めぐる、フランス語圏における豊饒なエクリチュールの実践の系譜を、フロベールを中心にまとめあげた労作。 ※出版社サイトはこちら |
【9】
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冒険する身体―現象学的舞踊論の試み | |||
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石渕聡 2006/07 (春風社) |
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標準価格:税込\3,990 ISBN:9784861100826 |
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本書の目的は、観客による舞踊の享受の仕方を考察し、舞踊における身体の認知および舞踊の意味生成のあ り方を構造化することである。 |
【10】
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ダンス・クリティーク―舞踊の現在/舞踊の身体 | |||
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尼ヶ崎彬 2004/02 (勁草書房) |
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標準価格:税込\2,940 ISBN:9784326851836 | ||||
この身体をメディアとする芸術は、なぜに今魅力的なのか?バレエからコンテンポラリーまで軌跡を追い、ピナ・ バウシュなど先端の試みを尋ね、身体のありようを探る。 |
【11】
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ピナ・バウシュ:タンツテアター Pina Bausch. Tanztheater | |||
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Servos, Norbert 2003 (K. Kieser) |
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カード決済価格: 税込\3,276 / 標準価格: 税込\4,935 ISBN:9783935456050 | ||||
その名は現代の舞踊運動の代表的なジャンルの一つであるともいえる振付家バウシュの30年の軌跡を、オリ ジナル文書、バウシュとのインタビューを交えて再構成した最新モノグラフィー。 |
【12】
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モダンダンスの歴史 | |||
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海野弘 1999/06 (新書館) |
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標準価格:税込\3,990 ISBN:9784403120053 | ||||
統一的に捉えにくい「モダンダンス」の運動を、各人の人間性や精神的背景、興味深い人間的ネットワークを豊
富に盛り込んで叙した記念碑的著作。 |
【13】
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境界なき芸術:モダンダンスの世界 Art without Boundaries : World of Modern Dance | |||
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Anderson, Jack 1997/08 (Dance Books) |
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カード決済価格:税込\\3,386 / 標準価格:税込\4,620 ISBN:9781852730543 | ||||
US版は、Choice 誌の Outstaning Academic Titles 1998 に選出。 |
【14】
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ルイーズ・ブルックス:永遠のルル Louise Brooks : Lulu Forever | |||
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Cowie, Peter / Garner, Jack (INT) 2006/11 (Rizzoli Intl Pubns) |
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カード決済価格: 税込\6,122 / 標準価格: 税込\10,222 ISBN:9780847828661 | ||||
モダンダンスから出発したサイレント時代の映画女優ルイーズ・ブルックスは、1920年代に主演した「パンドラ
の箱」など作品は僅かながら、世界映画史に残る不世出のルル、奔放なるジャズ・エイジのアイコンとして、死
後もカリスマ的人気を誇る。 本書は、レア写真多数、ブルックス自身のインタビューや手紙、映画史家ピーター・コウィーの解説になる、決 定版アルバム。 ※ブルックスの代表作「パンドラの箱」クリティカル・エディションがDVDにて、紀伊國屋書店から発売中。 ForestPlusまたは Kinokuniya BookWebでご購入になれます。 |
【15】
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ルイーズ・ブルックス伝 Louise Brooks : A Biography | |||
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Paris, Barry 2000/08 (Univ of Minnesota Pr) |
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カード決済価格: 税込\2,554 / 標準価格: 税込\4,265 ISBN:9780816637812 | ||||
最初にして唯一の本格評伝(1989年初版)の復刊。不世出のスターの生い立ち、栄光と凋落、「復活」を余さ ず描く。 |
【16】
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ルイーズ・ブルックス著/ハリウッドのルル(増補版) Lulu in Hollywood | |||
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Brooks, Louise / Tynan, Kenneth (INT) 2000/08 (Univ of Minnesota Pr) |
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カード決済価格: 税込\2,974 / 標準価格: 税込\3,708 ISBN:9780816637317 | ||||
後半生、「復活」を遂げたブルックスの才気溢れる自伝的文章を集成。ブルックスの文章「なぜ私は回顧録を書 かないか」、英国の偉大な映画批評家で晩年のブルックスとの情事が映画化されたケネス・タイナンの評論 「黒ヘルメットの少女」を収録。 |
【17】
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ダンシング、マシーン:機械複製時代の振付 Dancing Machines : Choreographies of the Age of Mechanical Reproduction | |||
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McCarren, Felicia M. 2003/07 (Stanford Univ Pr) |
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カード決済価格: 税込\7,455 / 標準価格: 税込\9,345 ISBN:9780804739887 | ||||
機械複製時代における身体の抽象と匿名性を表現するモダニズムの振付の特質を探究。 |
【18】
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感じることこそ事実:イヴォンヌ・ライナー自伝 Feelings Are Facts : A Life (Writing Art) | |||
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Rainer, Yvonne 2006/05 (Mit Pr) |
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カード決済価格: 税込\4,702 / 標準価格: 税込\7,053 ISBN:9780262182515 | ||||
ダンサー、振付家、映画作家として活躍したライナーが自ら、その形成と芸術的成熟の軌跡を語る。 |
【19】
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男性ダンサー:身体、スペクタクルとセクシュアリティ The Male Dancer : Bodies, Spectacle, Sexualities | |||
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Burt, Ramsay 2006/11 (Routledge) |
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カード決済価格: 税込\3,682 / 標準価格: 税込\5,540 ISBN:9780415975766 | ||||
『踊る身体の詩学』でも指摘されているように、20世紀初頭においては踊る女性/書く男性というジェンダー配 置が見られたが、ニジンスキー、グラハムらから、バウシュ、ビル・T・ジョーンズまで、男性の踊りが顕在化し ていく。 |
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土方巽と大野一雄 Hijikata Tatsumi and Ohno Kazuo (Routledge Performance Practitioners) | |||
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Fraleigh, Sondra / Nakamura, Tamah 2006/07 (Routledge) |
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カード決済価格: 税込\3,191 / 標準価格: 税込\4,801 ISBN:9780415354394 | ||||
日本の前衛的舞踏運動の旗手二人を取り上げる世界の名パフォーマンス実践家シリーズの一冊。 |
【21】
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暗黒舞踏論 | |||
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清水正 2005/03 (鳥影社) |
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標準価格:税込\3,990 ISBN:9784886298881 | ||||
土方巽・大野一雄の全貌。土方巽著『病める舞姫』をよみほぐし、言葉によって“舞踏”を再構築する試み。 |
【22】
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感覚の近代―声・身体・表象 | |||
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坪井秀人 2006/02 (名古屋大学出版会) |
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標準価格:税込\5,670 ISBN:9784815805333 | ||||
『踊る身体の詩学』と同時代の日本における文学・映画・写真・音楽・歌謡・舞踊表象を幅広く読み込んだ、卓 抜な文化批評の実践。 |
【23】
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「密息」で身体が変わる | |||
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中村明一 2006/05 (新潮社) |
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標準価格:税込\1,050 ISBN:9784106035630 | ||||
いま日本の社会が極端に弱っている。不安感、閉塞感、キレやすく無気力。これは身体からの警鐘だ。近代以
降百余年、生活スタイルの変化で日本人の呼吸は浅く、速くなった。 私たちの身体に眠る古来の技術=密息を取り戻そう。呼吸の奥義と知られざる日本文化の相貌を、虚無僧尺 八の偉才が鮮やかに解読する。腰肚文化、ナンバ歩き、古武術に続く、画期的身体論。 |
【24】
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からだの文化人類学―変貌する日本人の身体観 | |||
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波平恵美子 2005/03 (大修館書店) |
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標準価格:税込\1,680 ISBN:9784469212938 | ||||
こわれたからだ、こわれた人間関係。日本人はなぜこんな形で遺体にこだわるのか。摂食障害やからだへの 暴力がなぜ増えるのか。生も死も医療化していくなかで、揺れ動く日本人のからだを読む。 |
【25】
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カミの現象学―身体から見た日本文化論 | |||
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梅原賢一郎 2003/08 (角川書店) |
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標準価格:税込\2,940 ISBN:9784047021259 | ||||
宮古島の「六月ニガイ」、宮崎県の「銀鏡神楽」、長野県の「遠山の霜月祭り」など、実際に見聞した日本各地
の祭りや神楽、宗教的な儀礼や行法から、子どもの遊びといった日常の行為まで、具体例をあげながら、「自
分と自分以外のものとの間の回路」としての「穴」をキーワードに、身体にいわば埋蔵された日本文化を解明す
る。※ 新聞書評も読めます。 「宗教」と「芸術」の隙間を思考する、独創的な論考。祭りを体験しながら、身体が変容する、現代の「変身物 語」でもある。 |
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