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KNP-A-5 人文                                   June,2015
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池内紀
カフカのかなたへ
憑かれたようにヘンな話を書きつづけた、おかしなおかしなカフカの物語。

池内紀
M博士
隠栖する市井の老学者M博士と私の間にきしむ思考のドラマ。「現代思想」連載の異色エッセイ。

種村季弘
贋作者列伝
凡作も偉大な画家の作品と銘打たれれば、たちまち<傑作>に早変わりする。からくりの多い美術市場を横目に見て、至芸を披露する贋作者たち―。

種村季弘
畸形の神
ギリシア古典あるいは西洋文芸にあって、優れて芸術的営為に携わるオイディプス、サトゥルヌスからメフィストフェレスまでの輝かしき魔術的跛者。いずれもが体現するのは、近代の古層に横たわる豊饒な身体的思考。芸術創造の奥義を求め、文学・美術・舞踊・精神分析から民俗学までの知見をもって展開する、壮大なスケールの表象文化論。

種村季弘
愚者の機械学
天才と狂気の狭間で、世紀末から30年代にかけて、激動の時代にその天分を完全に燃焼させた異形の画家・霊媒師・精神分析学者・ダンサー・詐欺師など、近代社会の病理を体現するパラノイアックな思考と心象に深く分け入り、その潰え去った夢と奇妙な情熱を解読する。西政畸人伝。

種村季弘
ハレスはまた来る
ゲーテとの往復書簡を創作した女流作家、日本人も知らない日本の文豪ハレス・レンノスケ、偽のシェイクスピア劇を書いたロンドンの天才少年など、文学史の余白にのこる文学的変装の名優たちや、古文書や手紙を捏造し世界を瞞着した、仮面の作家たちの名演戯。

種村季弘
パラケルススの世界
放浪と奇行の錬金術師。宇宙を生命をもつ一つの有機体として捉え、デカルトやカントの思想的源泉となり、またゲーテやシェイクスピアの精神的土壌ともなって人文主義への道を拓いた近代医学の父パラケルススの栄光と悲惨の生涯。

種村季弘
ビンゲンのヒルデガルトの世界
独得な聖書解釈だけでなく、医学・動物学・植物学・宝石学、そして音楽や建築、あるいは料理術にまで及んで、中世ヨーロッパ最大の幻視者ビンゲンのヒルデガルトの眼が捉えたものは、何だったか。ひとりの女が聖女へと変貌する魂のドラマを辿り、中世的世界像の転写ともいえる、特異な自然学・宇宙論の全容を探る。

種村季弘
怪物の解剖学
怪人伝説からロボットまで、にんげんの欲望と恐怖を凝縮し、神の創造の秘密に接近する〈人工的生命〉の種々相を追求し、蘇るべき祝祭空間をさぐる綺想の現象学。

種村季弘
怪物のユートピア
暴力映画を論じつつ、ギリシア神話の世界を散策し、転じて怪奇映画のなかに世界の終末と来るべきユートピアを遠望する。―新しい映画の批評法を確立すると同時に、光と闇の芸術の彼方に人間存在の秘められた本質を透視する、氏の多彩な営為の原点となった第一評論集。

種村季弘
影法師の誘惑
永遠のまどろみの中で、退行の夢に耽りきりたいという、われらの母体回帰願望を基底に、玩具箱の中の古時計・覗きからくり・影絵・人形・童話・童謡など、遠い美しき日々への追憶が織りなす幼年期の夢の王国。

種村季弘
失楽園測量地図
過去への懐かしい追憶のなかに、ありうべき永遠の楽園を求めながらも、錯綜した迷路に紛れ込み失速していった芸術家たち。その挫折した夢の軌跡を辿りつつ、終末論と表裏一体をなすユートピア願望のイロニーを摘出する。

種村季弘
薔薇十字の魔法
世界没落の予兆に脅える16~18世紀のヨーロッパに、救済者としてその出現が渇望された謎の秘密結社・薔薇十字団―文豪ゲーテやシェイクスピアなど知識階級を席捲した蠱惑の教理〈愛と知による復活〉の奥儀を探る。

種村季弘
アナクロニズム
狂愚、アナクロ、奇行、迷信、そして極端な逸脱は、いずれも現今の価値体系の下では無価値として蔑まれ、歴史の片隅に追いやられている。その隠れた綺想・愚想の系譜をたどり東西文明の陰画をさぐる。

種村季弘
壺中天奇聞
マクロの世界がミクロの世界に収斂する壺中の天地を文学にたずね、怪奇・幻想・耽美・綺想の系譜をたどる「もう一つ」の日本文学史。

種村季弘
ぺてん師列伝
〈ぺてん〉とはインテリ犯罪である。欲の皮の張った紳士淑女を手玉にとり、大胆華麗な演技で人を煙にまき、哄笑を残して群衆の闇に消え去る痛快なぺてん師群像。

種村季弘
箱の中の見知らぬ国
蛮族や猛獣・悪疫の危険を顧みず、希望の土地をもとめて旅立っていった荒くれ男や宣教師たち。その未知なる地への夢想の跡をたどりつつ、われらの内なる旅の原形をさぐる綺想のファンタジイ・マップ。

種村季弘
悪魔礼拝
キリスト教的伝統のなかで、邪悪にして猥雑な存在とされながらも、既成の価値を顛倒する反文化の体現者として、人々を魅了し続けてきた、忌まわしくも甘美な悪魔の実態を多角的に探る。

澁澤龍彦
機械仕掛のエロス
サド、ブルトン、デスノス、マンディアルグ、ジュネ、バタイユなどをめぐる、エロティシズムの文学史。

渋澤龍彦
胡桃の中の世界
〈石〉に懸け〈卵〉に託し〈紋章〉に秘め〈庭園〉に凝縮した人類の結晶志向の夢の系譜。東西の典籍に拾う奇想の博物誌。

渋澤龍彦
城と牢獄
陰鬱な牢獄にすすんで己れの身体を幽閉し、何ものにも夢想だけは妨害されない狭い空間を己れの王国=城に変容するサド侯爵の逆説に、現代文明にひそむ狂気と暗黒の復権の幻影を透視する。

渋澤龍彦
ドラコニア綺譚集
博捜をきわめた〈知〉と、陰影に富む〈幻想〉にないまぜられ、端麗にして妖艶な旋律を奏でる澁澤文学の金字塔。

渋澤龍彦
偏愛的作家論
石川淳、三島由紀夫、稲垣足穂から江戸川乱歩、久生十蘭、小栗虫太郎まで、著者が偏愛する日本の作家24人への熱いオマージュに満ちた白眉の作家論。

渋澤龍彦
私のプリニウス
古代ローマ人の自然学的知を森羅万象にわたって蒐集したプリニウス『博物誌』の、さながら幻想の百科全書を思わせるように怪異な叙述のなかに、人間の思考と想像力の原型をさぐる会心のエッセイ。

シャルリ・エブド襲撃/イスラム国人質事件の衝撃 現代思想
社会を震撼させたシャルリ・エブド襲撃事件と、イスラーム国による日本人人質拘束事件を緊急特集。「西洋」vs「イスラーム」あるいは「表現の自由」vs「宗教」といった対立図式を超え、2つの事件の深層へと迫る。イスラモフォビア/社会的排除/対テロ戦争……複雑に絡み合いながら悲劇を生んだ要因を解明しつつ、世界各地で拡がりつつある緊張と暴力の連鎖への向き合いかたを考える。
 

ピケティ『21世紀の資本』を読む 格差と貧困の新理論 現代思想
フランスの若手経済学者トマ・ピケティの『21世紀の資本』が大きな注目を集めている。経済成長が必然的に格差と不平等を拡大させることを、膨大な過去のデータにより実証的に明らかにした同書は、700頁を超える専門書にもかかわらず、フランス語版、英語版合わせて60万部を超える売上を記録し、同時に激しい論争を生んでいる。本特集では、同書を読解・検討することで、その意義と可能性に深く迫りたい。
 

現代思想の新展開2015 現代思想
【討議】未来の自然 / Ph・デスコラ+中沢新一
【ポスト・ポスト構造主義へ】物化せよ、存在者化せよ ブルーノ・ラトゥール試用 / 小泉義之
              交差(キアスム)交換と人間 / 清水高志
【インタビュー】思弁的実在論と新しい唯物論 / 千葉雅也 岡嶋隆佑(聞き手)
【思弁的実在論】亡霊のジレンマ 来るべき喪、来るべき神 / Q・メイヤスー 岡嶋隆佑訳 ほか
 

総特集 菅原文太 反骨の肖像 現代思想
『まむしの兄弟』『仁義なき戦い』から、『トラック野郎』シリーズ、そして大河ドラマ『獅子の時代』まで、数多くの映画・テレビで活躍してきた菅原文太。 本特集では、俳優から農業そして社会運動へと活躍の場を変えていった「菅原文太」という人間とその思想に迫る。
 

オスカー・ワイルド/西村孝次
オスカー・ワイルド全集 第1巻
十九世紀末から われらの時代のそれへ---。 二つの世紀末にきらめく巨星オスカー・ワイルド。 現代ヨーロッパ文学の輝かしき原点ともいうべき ワイルドの多彩な営為を集大成する! 決定版 オスカー・ワイルド全集。

オスカー・ワイルド/西村孝次
オスカー・ワイルド全集 第2巻
十九世紀末から われらの時代のそれへ---。 二つの世紀末にきらめく巨星オスカー・ワイルド。 現代ヨーロッパ文学の輝かしき原点ともいうべき ワイルドの多彩な営為を集大成する! 決定版 オスカー・ワイルド全集。

オスカー・ワイルド/西村孝次
オスカー・ワイルド全集 第3巻
十九世紀末から われらの時代のそれへ---。 二つの世紀末にきらめく巨星オスカー・ワイルド。 現代ヨーロッパ文学の輝かしき原点ともいうべき ワイルドの多彩な営為を集大成する! 決定版 オスカー・ワイルド全集。

オスカー・ワイルド/西村孝次
オスカー・ワイルド全集 第4巻
十九世紀末から われらの時代のそれへ---。 二つの世紀末にきらめく巨星オスカー・ワイルド。 現代ヨーロッパ文学の輝かしき原点ともいうべき ワイルドの多彩な営為を集大成する! 決定版 オスカー・ワイルド全集。

オスカー・ワイルド/西村孝次
オスカー・ワイルド全集 第5巻
十九世紀末から われらの時代のそれへ---。 二つの世紀末にきらめく巨星オスカー・ワイルド。 現代ヨーロッパ文学の輝かしき原点ともいうべき ワイルドの多彩な営為を集大成する! 決定版 オスカー・ワイルド全集。

オスカー・ワイルド/西村孝次
オスカー・ワイルド全集 第6巻
十九世紀末から われらの時代のそれへ---。 二つの世紀末にきらめく巨星オスカー・ワイルド。 現代ヨーロッパ文学の輝かしき原点ともいうべき ワイルドの多彩な営為を集大成する! 決定版 オスカー・ワイルド全集。

岸田秀
フロイドを読む 岸田秀コレクション
小説より奇なる自己分析の物語。精神分析の話をさせたら、その面白さにかけて右に出る者のいない著者が、フロイドに初めて真正面から挑む。自らの生い立ち、母との愛憎などを素材として、ユニークな「自己分析」を展開、フロイド理論の基礎から核心までを具体的にあとづけ、「本能の壊れた動物」としての人間精神の深層に迫る。

岸田秀
不惑の雑考 岸田秀コレクション
すべての文化・文明は人間がでっちあげた幻想にすぎない―。フロイドの心理学理論を発展させて築き上げた「唯幻論」をひっさげて、スポーツ・ブームから差別、保安処分問題、家庭、教育、道徳、死生観、セックスの問題にいたるまで、日本のあらゆる事件・事象を面白いように斬りまくるものぐさ精神分析応用編。

岸田秀
幻想の未来 岸田秀コレクション
自我とは本能の壊れた動物=人間がつくりあげた幻想である。対人恐怖症も甘えも卑屈さも近代的自我というまぼろしを追い求めた日本人の病なのだ―。フロイドを乗り越え独自の体系を構築したものぐさ流精神分析学による自我論の集大成。

岸田秀
希望の原理 岸田秀コレクション
自我も、他者も、正義も、精神も、肉体も、性欲も、この世のすべてのものは幻想である。本能の壊れてしまった人間に、未来はあるのか―。フロイドの精神分析をもとに築き上げた<唯幻論>を窮極までつきつめたとき初めて見えてくる人間にとっての「希望の原理」とは何か。

岸田秀
ものぐさ精神分析 岸田秀コレクション
ユダヤ人の脳味噌から生れた精神分析学なるものを自家薬篭中のものにして、快刀乱麻を断つごとく、この湿っぽい日本の現実や、私たちの卑小な自意識のドラマの構造を、白日のもとにあばき出してくれる。

岸田秀
二番煎じものぐさ精神分析 岸田秀コレクション
人間は本能の壊れた動物である。フロイドの精神分析を出発点に、人間精神の深奥をえぐり、現代社会の矛盾を衝く、ユニークな理論体系を構築した岸田流「唯幻論」の集大成。「ものぐさ精神分析」の延長線上にあり、同じテーマについて再び語ったものである。

岸田秀
出がらしものぐさ精神分析 岸田秀コレクション
心のひだをどう読むか。意識のフィルムは、どのようなプロセスで現実を現像するのだろうか。現実は、歴史も文化も性も親子関係も、もしかしたらわれわれが共有する共同の幻想ではないのだろうか。精神分析理論を自在に駆使するユニークな応用編のほか、創見にみちた基礎理論、二論文を併せて収録。

三枝充悳
阿含経を読む 上巻
平安で静寂な世界はどこにあるのか。人間のもつ根源的<苦>から脱するにはどうすればよいのか。釈尊みずからの教説を精読し、西欧の思想とも比較しつつ、仏教の根本思想を明らかにする。

三枝充悳
阿含経を読む 下巻
存在するものすべての平等と、生老病死の核をなす<苦>を説く、釈尊みずからの教えとを、後代の粉飾を排して綿密に辿り、西欧の思想とも比較しつつ、人間釈尊の根本思想を明らかにする。

草森紳一
荷風の永代橋
昭和3年夏、荷風が永代橋から隅田川へ投げ捨てた包みには何が入っていたか。「断腸亭日乗」に凝らされた様々な仕掛けを「永代橋」の視点から解きほぐし、明治・大正・昭和、日・米・仏を縦横無尽に往還する時空の旅路。

フランシス・ジャム/手塚伸一
フランシス・ジャム全詩集
19世紀末、フランス、ピレネーの麓から“朝露にも似た澄んだ声”が響いてきた。美しい自然と、慎ましい生活と、少女たちを愛し、素朴な祈りのうたをささげ、永く人々の心を慰め楽しませる詩人の、本邦初個人完訳全詩集。

石川三四郎
石川三四郎著作集 第1巻 論稿 I
未発表の「A Prisoner’s Note」をはじめ、『家庭雑誌』、週刊『平民新聞』、『直言』、『新紀元』、『世界夫人』等に発表された論説、ルポ、随想をほぼ年代順に編集、宗教と社会主義との葛藤を同時代人のだれよりも真摯に生きるなかで独自の境地を開く過程を追跡する。

石川三四郎
石川三四郎著作集 第2巻 論稿 II
大逆事件後フランスに亡命した著者は、クロポトキン等の反逆『16人宣言』に加わるなど、西欧アナキスト等と交流を深め、自立の思想につらぬかれた〈土民生活〉論を展開、また、権威主義的社会主義を否定する独自のアナキズムを形成する。―未発表遺稿多数収録。

石川三四郎
石川三四郎著作集 第3巻 論稿 III
著者の個人誌『ディナミック』に発表された諸論稿を年代順に収録し、その独特な美学的アナキズム形成の跡を辿るとともに、『都新聞』『日本学藝新聞』等に寄稿した辛辣な持論をもれなく収め、時代に対する抵抗の精神を刻印する。

石川三四郎
石川三四郎著作集 第4巻 論稿 IV
幻の文書といわれる「無政府主義宣言」をはじめ、『平民新聞』『無政府主義会議』『アフランシ』等々のアナキズム系諸紙に書かれた評論、随想、ルポを結集。

石川三四郎
石川三四郎著作集 第5巻 パンフレット
すぐれた社会運動家は、またすぐれたパンフレット作家でなければならない。本巻に収録した一連のパンフレットは、自立の思想としてのアナキズムを説く石川三四郎の、地についた社会運動の軌跡であるとともに、日本における無政府主義思想の確率と展開の鮮烈な記録である。

石川三四郎
石川三四郎著作集 第6巻 回想
石川三四郎の80年の生涯を支えた多くの先輩、同志、友人に寄せた追想はかぎりなく優しく、ときに厳しい。本巻は揺籃期から現代にいたる日本の社会主義思想史に登場する多彩な人物について、その人間的な側面を証言する貴重なドキュメント。

石川三四郎
石川三四郎著作集 第7巻 書簡
明治・大正・昭和と、日本の近代化=軍国主義化の波にもまれながらも、抵抗の姿勢を崩さず、良心の灯を軸先に、自由と正義の路を求めつづけた石川三四郎の赤心溢れる内面の記録。

石川三四郎
石川三四郎著作集 第8巻 自叙伝
幸徳秋水、大杉栄とならぶ日本アナキズムの代表者であり、詩的イマジネーションを奔流のように沸騰させ、人生や社会の虚妄に正面から立ち向かう純粋な求道者でもあった、自由人・石川三四郎の思想と生涯。

高橋新吉
高橋新吉全集 第1巻
大正10年発行の幻の詩集「まくはうり詩集」から、欧米で先に「アフター・イメジス」として刊行され、禅の詩人シンキチ・タカハシの名を世界的にした「残像」にいたる20冊の詩集と、未収録の作品を「拾遺篇」として収録する決定版全詩集。

高橋新吉
高橋新吉全集 第2巻
大正9年8月の「万朝報」懸賞小説当選作「焔をかゝぐ」にはじまり、中篇「ダダ」、長篇「狂人」などを経て、最新作「須佐之男命」にいたる全小説作品を収録。ダダを超克し、禅の詩人として国際的な評価を確立した著者の、怒濤の生涯の記録。生きた現代日本の文学史。

高橋新吉
高橋新吉全集 第3巻
不立文字を信条とする禅の伝燈に根ざしながらも、禅の詩人として国際的評価を確立した著者が、自在の境地から語る折りふしの禅味や、また、「道元禅師の生涯」、「臨済録」の注釈など、禅の究極を伝える諸著作を一巻に結集!

高橋新吉
高橋新吉全集 第4巻
日本におけるダダイズムの提唱者として、西欧の前衛芸術に若い血をたぎらせた高橋新吉が、熾烈な求道と模索、また波瀾の生涯をつうじて、つねに還りつくところは仏教であった。詩禅一如の境地を拓いて日本文学史に新たな頁を加えた著者の生涯の真実の記録と、禅機はらむ珠玉のエッセイを収む。

安東次男
安東次男著作集 第1巻
現代詩において稀にみる詩的達成をみた詩業を完全に収録し、その全貌を明かす全詩集成。詩集『六月のみどりの夜は』『蘭』『秋の島についてのノォト』『人それを呼んで反歌という』(「CALENDRIER」および「CALENDRIER補遺」)、句集『裏山』、訳詩『野うさぎ物語』(フランシス・ジャム)『詩篇―1920』(T.S.エリオット)『エリュアール詩抄』(ポール・エリュアール)

安東次男
安東次男著作集 第2巻
「安東次男氏はすぐれた俳人であり、シュルレアリスト詩人であると同時に深い学識と鋭いイマジネーションにより、和歌俳諧、現代詩、美術、古美術を論ずる戦後最秀英の新しい批評家である。その芭蕉、蕪村研究は歴史的で実証的で、同時にクリテーリョンを追求し、批判的だ。「芭蕉七部集評釈」は画期的だ。「拾遺亦樂」は古美術の幻影を鑑賞する。この論説は、それ自体天下の名品だと思う。世界に類のない骨董美学ともなるだろう。」(西脇順三郎)

安東次男
安東次男著作集 第3巻
「彼の「芭蕉七部集評釈」は、現代の尖鋭な詩人たちに、自分たちに缺けているものは何か、何が自分たちの盲点なのかを、痛切に知らしめた。世の詩人たちの多くが、自分の近代ヨーロッパ的な詩観に照らして芭蕉に新しい光を与えようと試みて来たのと、およそ逆のことを彼はやった。つまり、彼が繰り返し述べる「連衆心」という、日本の古い詩人、芸術家の心構えに照らして、日本の当代の詩観、芸術観の偏向を、もう一度検証しようとした。それが現代の心ある詩人に、大きな衝撃を与えた。それは私には、きわめて確かなことと見えるのだ。」(山本健吉)

安東次男
安東次男著作集 第4巻
「安東次男君の仕事のキャンパスは広い。詩、評論、研究、翻訳、そして近来は俳句をやり骨董にも凝っているやうである。例へば詩の場合を考へても、表現の多岐に亘るヴァリエーションのキャンパスも広いが、それよりもその垂直性である。鋭い透視の果てに生れた作品群は深くそして重たい。評論の場合は、どうやら全体を先づ大きくつかみ、深い讀みによって、周到に緻密に論理的に展開されてゆく。安東君は永い期間の詩作の苦汁から開放されて、今や芸術全般の広場の中に立ってるが、ポエジイを根幹にした新しい安東風景を創り出した。そのことは今後も持續されるだらう。」(草野心平)

安東次男
安東次男著作集 第5巻
『百首通見』(百人一首のこと/百人秀歌/小倉百人一首全評釈)、『近世の秀句』(春・夏・秋・冬)

安東次男
安東次男著作集 第6巻
「流火安東次男君、つとに俳諧の微旨をさぐつて、蕉風の神韻の絶えたるを今に興さんとす。けだし騒客の遊なり。その遊ぶところ豈ただ風雅の場のみならんや。流火子、しばらく俗に入つて物と交れば、物すなはち靈氣を發して、世界たちまち俗ならず。著眼の妙は雅俗をつらぬき、虚實旋轉、舞ひてとどまらざるはかの栩栩然として胡蝶なるものに似たり。まさに達人の術なり。著述八巻成る。就いて天籟を聞くべし。」

安東次男
安東次男著作集 第7巻
「安東次男君は戦后、日本現代詩の領野をもっともはやく切開き、戦后文学、戦后詩の大きな創造とその理論をおしすすめてきたが、安東次男著作集の刊行されるに当って、その詩業は、改めて大きく評價されなければならないと思う。安東次男の俳諧への開眼は、その詩論と詩業の当然の歩みであろう。とはいえ、蕪村とともに一つの高いリズムをもってものを見ることによって、さらに芭蕉のなか深く参入し、その漢詩との関係を精密にといたずねたその創造的研究もまたすぐれた業績である。シュルレアリスム、サンボリスムを通過したじつに鋭いその美術論も深みに達している。」(野間宏)

安東次男
安東次男著作集 第8巻
「国際的といふことをこの頃は聞かされるが国際的な仕事と呼べるもので今日の我が国に最も不足してゐるのは日本と日本の文明を他所の国と同じ眼で見てこれに親み、その性格を究明することである。そして丁度そのことを安東氏はしてゐてその功績は既に大きい。これは我々が氏に更に期待する所も大きいといふことであるが傑作と稱して差し支へないものも氏は今までに幾つか書いてゐてその著作集は我々にとって座右に置くのに價する。」(吉田健一)

原民喜
原民喜全集 第1巻
荒廃の世に、純粋な生を全うし、凍れる唇に天来の音楽を響かせて逝った原民喜の詩と真実。

原民喜
原民喜全集 第2巻
荒廃の世に、純粋な生を全うし、凍れる唇に天来の音楽を響かせて逝った原民喜の詩と真実。

原民喜
原民喜全集 第3巻
荒廃の世に、純粋な生を全うし、凍れる唇に天来の音楽を響かせて逝った原民喜の詩と真実。

高階秀爾
西欧絵画の近代
ロマン主義、象徴派、印象派など、様々な主張を持って生まれた近代芸術の方法。―芸術家たちは、どのように時代を生き、思潮を生みだし、手法をつくりだしたのか。近代の本質を探り、新しい視座から作家と作品を論ずる、躍動の美術史。

高階秀爾
日本絵画の近代
日本で洋画はどのように受容され、発展したのか。江戸鎖国期に始まる洋風画の導入から、ジャポニスムの里帰りを経て、第二次世界大戦時に描かれた戦争画まで、激動の時代の絵画の変貌を描く、ダイナミックな日本絵画史。

高階秀爾
日本近代の美意識
円山応挙、高橋由一、フェノロサ、岡倉天心、村上華岳、竹久夢二、佐伯祐三ら近代美術の惑星を論じ、前衛の役割、日本人と自然、現代文学における美の表現等にいたるまで幅広く精緻にたずね、日本美術の特質を明らかにする美の精神史。

高階秀爾
美の思索家たち
現代の美術論に決定的な影響を与えた美の思索家18人の名著を系統的に紹介し、20世紀芸術思想の展開を鮮やかにあとづけ、美術と美術批評の今日の地平を浮彫りにする。

高階秀爾
近代美術の巨匠たち
あの名作はどのようにして生まれたか。飽くことなく「光」を追求したモネ、不遇の天才セザンヌ、女性の美を絵筆に託したルノワール、単身タヒチに渡り、絵を描きながら孤独のうちに病没したゴーガンなど、近代絵画史に偉大な足跡を残した画家たち。その生い立ちから画家としての目覚め、数々の名作を描くにいたるまで、生活史をも織り込んで描く、巨匠列伝。

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